グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー 天皇杯3回戦 グルージャ盛岡 vs Honda FC

  まさかこんな結末になるとは…。2016年のグルージャ天皇杯は3回戦敗退に終わりました。

 勝敗は別にして、名勝負を期待していた私にとっては、非常に残念な内容の試合になってしまいました。忙しかったのもありますが、録画映像を見るのも辛かったので、冷却期間を設けて全て見直し、振り返ってみました。今日の愚痴は長い。

 

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  Hondaはリーグ戦前節、天皇杯2回戦からも結構スタメン変えてきました。この日はCFに久野選手、トップ下に古橋選手、CBに須藤選手を入れてきました。

 グルージャは予想通りのいつものスタメン。

 3分、Hondaがファーストシュート。右サイドから古橋選手のクロスに久野選手が頭で合わせますが、ボールはゴール左へ逸れます。

 6分、八角選手が左サイドからクロスを入れますが、相手DFにブロックされ谷口選手、安楽選手は触れず。

 8分、柴田選手が右サイドからミドルシュートも枠の上。

 10分、右サイドのスローインから古橋選手がペナ内まで進入してクロスを入れるも、鈴木達選手がクリアし、大町選手に合わず。

 12分、Honda決定的チャンス。Honda陣内左サイドから、古橋選手が裏を狙った長いパス。反応した大町選手が鈴木達選手と競り合いながらドリブルで上がりシュート。GK土井康選手何とかブロック。大町選手は、競り合いで鈴木達選手をふっ飛ばす強さを見せました。

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 17分、安楽選手が左サイド奥から、ドリブルで2人をかわして中央に進入し梅内選手へパス。梅内選手のシュートはゴール左へ逸れます。

 18分、垣根選手の左サイドからのCKに、畑本選手がファーで左足を合わせますが、ボールは枠を捉えません。

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 19分、古橋選手、久野選手、柴田選手と細かく繋ぎ、柴田選手がペナ外からシュートするも、ボールは枠の上を通過。

 21分、この試合初めてのグルージャらしい速いパス廻しの攻撃。左サイドから垣根選手、谷口選手のワンツーから牛之濱選手が左足でシュートしますが、ボールは力なくゴール右に逸れました。

 26分、ついにHondaが先制点。細貝選手が左サイドから裏を狙った長いパス。久野選手がボールに追いつき、久保選手と1対1。久野選手は左後ろから中央に駆け上がってきた大町選手に折り返しのパス。大町選手は一旦右にトラップしてから、左へグラウンダーのシュート。ボールはゴール枠内左に吸い込まれました。グルージャ守備が完全に崩された失点でした。これで0-1。

 30分、左サイドで古橋選手、富内選手と繋ぎ、松本選手がクロスを入れるも垣根選手がクリア。

 31分、益子選手から裏へのパスに安楽選手が追いつきクロスを上げますが、細貝選手がクリア。

 32分、古橋選手が左ペナ外からシュートするも、土井康選手キャッチ。

 34分、牛之濱選手が相手陣内でボールを奪い、谷口選手とのワンツーから上がってクロスを入れますが、須藤選手クリア。

 35分、左サイドで安楽選手からパスを受けた梅内選手がクロスを入れるも、古橋選手がクリア。

 36分、右サイドで安楽選手から牛之濱選手へパス。牛之濱選手がクロスを入れるも相手DFクリア。

 40分、グルージャ陣内で松本選手が畑本選手からボールを奪い、栗本選手へパス。栗本選手は右サイドから上がってきた富田選手へパスし、ペナ内で富田選手がシュートするも、土井康選手がキャッチ。

 44分、ペナ外左からHondaのFK。古橋選手のキックはグルージャ壁にあたりクリアされます。

 45+1分、右サイドで柴田選手から富田選手が受け、クロスを上げますが、土井康選手がキャッチ。

 前半は0-1、Hondaのリードで終了。完全にHondaのペース。グルージャがやりたいようなサッカーを、Hondaに行われてしまいました。グルージャも単発では攻撃していますが、中盤はHondaに握られています。Hondaは球際が速くて強い。グルージャは球際での勝率を五分以上に戻したいところ。

 

 50分、益子選手からHondaDFの裏へパス。牛之濱選手が抜け出しますが、触れずGKがキャッチ。

 52分、左サイドから八角選手のクロスはHondaDFがクリア。

 53分、右サイドから久野選手がドリブルで上がり、クロスを上げますが味方に合わず。

 53分、右サイドから牛之濱選手のクロスに谷口選手が頭で合わせますが、ゴール枠を捉えず。

 54分、Honda陣内右コーナー付近で鈴木達が粘って牛之濱選手へパス。牛之濱選手は松本選手と競りありながらペナ内にドリブルしますが、倒れます。PKかと思いきや、主審は松本選手のファールは取らず。

 56分、益子選手が右サイドの鈴木達選手にパス。鈴木達選手がクロスを入れますが、須藤選手クリア。

 57分、問題のシーン。GK土井康選手がHondaDFとGKの間を狙ったキック。牛之濱選手が裏に抜けGKとの1対1を作りかけたところで、後ろから鈴木雄選手が牛之濱選手の腕に手をかけて倒し、PKの判定。

 しかしGK清水谷選手がなかなかボールをグルージャ側に渡さず。「早くよこせ」と谷口選手が近づき手をかけると、大げさに受け身をとり転ぶ清水谷選手。谷口選手は「何やってんの?」と呆れ笑い。次に「いいからよこせ」と垣根選手が近づき…清水谷選手が倒れて…垣根選手にレッドカード?!ここのやり取りはスカパー中継では映っていないので、以下を参照。

 明らかに清水谷選手は自分から倒れています。しかもそのシーンは主審の視界には入っていません。カードを出したのは、

  1. 主審は見ていなかったが、当てずっぽうで適当にカードを出した。
  2. 副審からレッドカードの助言がありカードを出した。
  3. 副審からレッドまでは言わなかったが垣根選手が倒したとの助言があり、主審が拡大解釈でレッドを出した。

のいずれかになります。映像を見る限り、多少Honda側に譲っても清水谷選手、垣根選手の両者にイエローが妥当でしょう。完全な誤審です。

 PKは梅内選手がきっちり決めて1-1。しかしグルージャは10人になりました。

 (9/25  20:20追記:牛之濱選手を倒して決定機を阻止した鈴木雄選手には、規則に従えばイエローカードが提示される筈でしたが、公式記録もカードは無し。どうやら垣根選手と清水谷選手のトラブルに気を取られ、主審はカードを出し忘れたようです。本当に呆れたレベルの国際主審です。)

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 61分、古橋選手が右サイドのドリブルからクロスもDFクリア。

 62分、2つ目の問題のシーン。ハイボールを牛之濱選手と富田選手が空中で競り合って強く接触し、富田選手が派手に落下。間髪いれず主審は牛之濱選手にイエローを提示。主審は38分に牛之濱選手に出したイエローカードは全く忘れていたようで、しばらくの間、牛之濱選手のイエローが2枚目であることに気付きません。誰かの助言でようやく気づき、牛之濱選手にレッドカードが出されて退場。これでグルージャは9人…。

 このシーンも映像では、牛之濱選手と富田選手が競り合った態勢は五分五分に見えます。ボールも先に牛之濱選手の肩に当たったように見えるので、誤審と言って良いでしょう。主審は1枚目のイエローを覚えていれば、2枚目を出したかどうか…。

 ここから先は11人対9人の試合となり、当然一方的なHondaの攻撃が続きました。グルージャの守備練習のような試合になってしまい、フットボールの試合とは言えない内容だったので、詳細は省略します。

 グルージャも必死に守ったものの、90+4分、右サイドの細貝選手からのクロスに、ファーで待っていた途中出場の中川選手がきれいにダイレクトボレーシュートをゴールに入れて、勝負あり。1-2で終了。

 

 前半は完全にHondaのペースでしたが、後半はかなり盛り返していたので、あのまま11人で戦っていればどうなっていたか…。勝ち負けはともかく名勝負にはなっていたと思いますので、本当に選手の退場が悔やまれます。

 9人になってからも、グルージャの選手たちは諦めずに最後まで守りました。

 何度もビッグセーブを見せた土井康平選手は本当に素晴らしかった。PKを取ったのも土井選手のキックからでしたし、スカパー中継を録画された方は、86分の土井選手の安楽選手に通したパントキックをぜひ見て頂きたい。私はあのキックに土井選手の諦めない姿勢を感じて、鳥肌が立ちました。

 また畑本選手、久保選手も集中力を切らさず、ボールを跳ね返し続けました。

 退場劇でせっかくの試合を台無しにされましたが、グルージャの諦めない頑張りが救いでした。

 また、Honda FCはやはり素晴らしいチームでした。11人で最後まで戦っても、勝てなかったかもしれません。近い将来、また天皇杯で対戦出来ればと願っております。

 

 ジャッジについて、良い機会なので一般論を交えて苦言を残しておきます。

 まず、垣根選手のレッドカードはもちろん誤審ですが、ここでは副審の見間違いだったと解釈しておきます。

 今回のような、選手同士の小競り合い→わざとらしくプロレス的な受け身を取り審判へアピール→審判もそれに乗り、尤もらしく見えた方にカード提示、というような流れは、Jリーグでは度々見受けられます。先日のJ1の大宮アルディージャ川崎フロンターレの試合で、大久保嘉人選手が退場したのも、似たような流れでした。

 このようなケース、もちろん手を出す選手は悪いのですが、審判も選手の情熱をプレーに向けさせる努力をして欲しい。

 明らかに相手の肉体的ダメージを狙った行為や、著しく公衆道徳に反する行為で無ければ、一度目は厳重注意(「次やったら退場だよ」などの脅し)で済ませて、それでもダメならカード提示という感じで、選手とコミュニケーションを取りながら進行出来ないものでしょうか。どうしても選手は熱が入っているのでエスカレートしていきますから、それをコントロールしていくのが審判だと思います。

 イエローカードはともかくレッドカード(退場)はフットボールにおいて試合を決定づけるジャッジですから、相当慎重に判断して欲しいです。

 

 この試合を見て、度々問題になるジャッジの一番の問題は、

「審判側に、選手たちと一緒に『試合という作品』を作り上げていく気持ちが無いこと」

ではないか、と感じました。自分をルールで明確に線引きされている事柄に、白黒つける裁判官だと思っていることが問題ではないかと…。

 「ボールがゴールラインを割ったか割っていなかったか」は、究極的にはテクノロジーで決着がつく問題で、はっきり白黒つく話です。しかしファールに関しては、「ここまでがセーフでここからがファール」「ここからがイエローカード」などというはっきりした線引きは無理。ファールの可否に関しては、太くて輪郭があやふやな線があるだけです。その中で選手とコミュニケーション(なだめたり脅したりを含む)を取りながら、ルールに則った良い試合になるよう努力していくのが、審判だと私は考えています。

 そのようなポリシーを持っていれば、同じ試合で選手に出したイエローカードを忘れるなどということは、まず無いはずです(この日の主審は他の試合でも、度々自分が出したカードを忘れています)。

 もっと言うと、この日の主審が国際審判になっているということは、サッカー協会の審判教育の方向性にも問題があるのではとも思いました。

 

 と、審判に対してひとしきり毒づきましたが、次にグルージャに対しての苦言。

 垣根選手は、PKの判定が出ているのですから、あんなに慌てて相手GKからボールを奪いに行く必要はない。

 牛之濱選手のイエロー2枚目は不運でしたが、1枚貰っているので、あそこまで突っ込んだぎりぎりのプレーの必要はありませんでしたし、1枚目は全く不要なイエローカードでした。

 それからコーチングスタッフも含めての話ですが、グルージャはレフリーのスカウティングを行っているのでしょうか。どうもグルージャはレフリーを敵に回す試合が多い気がします。試合前に、選手たちに簡単にその日の主審の傾向を話しておくのは、プロの常識と思っていたのですが…。

 選手たちもこの日でいえば、前半に久保選手と牛之濱選手がイエロー貰っているのですから、「今日の主審はヤバい」という意識を持って選手同士で注意し合わなければなりません。もっとレフリーを味方に付ける努力もしてほしいです。

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 思わぬ形でグルージャの2016年天皇杯は終了してしまいました。

 しかし1回戦早稲田大学戦、2回戦ベガルタ戦での素晴らしい勝利があったからこそ、3回戦の悔しい敗戦を経験出来たことも事実。シーズンも終盤ですが、残りのリーグ戦、いわて国体で、この敗戦を意味のあるものにして欲しいです。

 グルージャの選手の皆さん、お疲れ様でした。