グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

松田賢太選手、現役引退-ミスターグルージャよ永遠に-

 16日の夕方以降、グルージャ周辺はJ3ライセンスを無事に獲得出来たことへの安堵、前副社長の不祥事による損害とリーグ制裁金への怒り、新社長は誰になるかの憶測に忙しかったことと思います。

 それらの件はさておき、明日のJ3第30節はグルージャの今季最終戦にして、『ミスターグルージャ』松田賢太選手を現役選手として見ることが出来る最後の機会です。今日は松田選手の現役生活を振り返りつつ、明日、松田選手を見送るための気持ちの準備をしたいと思います。

 

    松田選手は1984年8月22日生まれの現在32歳。出身地は岩手県大船渡市。中学までは大船渡でサッカーを続け、高校は岩手県サッカー界の超名門、盛岡商業高校(以下盛商)に入学しました。

 盛商では3年生時に、全国高等学校サッカー選手権大会への出場を果たしました(3回戦で優勝した市立船橋に敗退)。

  盛商卒業後は八戸大学(現八戸学院大学)に入学。4年生時の2006年には中心選手として東北地区大学1部リーグ優勝に貢献。八戸大学では、天皇杯への出場も果たしました(2005年、2006年)。

 八戸大学卒業後は、東北社会人1部リーグに所属していたグルージャ盛岡に入団。1年目からチームの主力選手として活躍し、更に2011年から2015年まではキャプテンとしてチームを牽引してきました。

 松田選手の現役選手生活でのハイライトは、もちろん、J3リーグ加入を決定づけた2013シーズンの地域決勝大会での優勝でしょう。

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 しかし今季は開幕前にオーバートレーニング症候群を発症してしまい、チームを長期離脱。秋口にチーム練習には復帰したものの、今日まで公式戦ではベンチにすらその姿を見せることは一度もありませんでした。

 

 松田選手がグルージャでの10年間で出場した公式戦は、上記の表に載っていない東日本社会人大会や天皇杯予選や国体まで含めると、200戦は軽く超えている筈です。日本のトップアマの世界で(2014年からはJ3入りしましたが)、10年間一つのチームで主力選手として活躍し続けた例はかなり珍しいのではないでしょうか。参考までにグルージャの各シーズン毎の選手を、リーグ戦出場時間順に並べてみました。

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 私は2012年頃からグルージャの情報を追いかけ始めた人なので、それ以前の松田選手以外の選手のことは、殆ど知りません。クラブは様々な選手との出会いと別れを繰り返してきた訳ですが、チームの中心には常に松田選手が存在していました。

 JFL入りを目指したものの、地域決勝大会の壁に跳ね返され続け、2011、2012シーズンにおいては東北1部リーグの優勝すら逃してしまうというグルージャにとって辛い時期も、松田選手はチームを支え続けてきました。もちろん彼一人で成し遂げたことではありませんが、松田選手は間違いなく、J3リーグでグルージャを見られることを可能にした、最大の功労者だと思います。

 今後、松田選手ほどグルージャ及び岩手サッカー界のアイコン足り得る選手は、なかなか現れないように感じます(私は久保選手(盛商出身)に期待しています)。

 

 松田選手について私が最も印象に残っているのは、2015シーズンの最終節、福島ユナイテッド戦。


 鳴尾前監督の最後の試合でしたが、松田選手は2得点を上げる鬼神の働きを見せて快勝。鳴尾前監督の勇退に花を添えました。僅か1年前の映像ですが、随分年月が経ったように感じます…泣ける…。

 

 明日の栃木SC戦は、栃木SCにとっては優勝とJ2昇格が懸かる極めて重要な試合ですが、グルージャにとっては『クラブのレジェンド』松田選手を見送る重要な試合です。素晴らしい内容で栃木SCに勝利し、松田選手には安心した気持ちで現役選手を引退して頂かなければなりません。

 明日のいわスタには栃木SCのサポーターが大量参戦して下さるようですが、岩手にお住まいの方々にはぜひとも『岩手の英雄』の現役最後の姿を見届けるため、是非ともいわスタで観戦して頂きたいと思います。皆さんの応援でグルージャを勝たせ、盛大な感謝の拍手で松田選手を送り出しましょう。明日は『岩手県民Day』なので、岩手県民であることを証明すれば、A自由席で無料観戦出来ますよ、と。

 

 『お疲れ様』の言葉はシーズン終了後ということで…。機会があれば直接、本人に声をお掛けしたいと思っています。

 

 あとは…神川監督、分かってますよね…。クラブ史上最大の功労者に対して、敬意を払って頂くようお願いします。