マッチレビュー J3リーグ第11節 Y.S.C.C.横浜 vs グルージャ盛岡
6月3日に行われたJ3第11節Y.S.C.C.横浜戦は、0-1で敗戦。ホームいわスタでの試合でしたが、グルージャサポーターにとっては、非常にフラストレーションの残る内容の試合となってしまいました。
公式結果
フォーメーション
YS横浜はGKウィフマンが外れて浅沼選手が今季初出場初先発。フォーメーションは奥田晃選手がトップ下に入った4-3-1-2を採用してきました。
グルージャは病気療養のCB久保選手が外れ、森選手が今季初出場初先発。森選手は昨年9月の藤枝MYFC戦以来の出場になりました。菅本選手も先発は今季初めて。この試合ベンチにも入らなかった林選手が少し心配です。
試合内容
この試合、YS横浜は終始グルージャDFの裏を狙う作戦。
開始早々、DFとGKの間を狙ったパスに土井選手が飛び込んだもののクリア失敗。こぼれたボールを辻選手が拾ってシュート。完全に1失点ものでしたが、ぎりぎり森選手が右足でクリア。因みにこのセーブは、DAZNベストセーブの第4位に選ばれております。
3分、右サイドのスローインから谷口選手がペナ内でシュートまで持ち込んだものの枠は捉えず。
7分、岩渕選手のミドルシュートはゴール上を通過。
10分、松田選手のミドルシュートは土井選手キャッチ。
12分、岩渕選手のスルーパスに反応した菅本選手が左足でシュートするもDFがブロック。
33分、右サイド裏へのスルーパスに鈴木選手が抜け出し、中央の菅本選手へパス。絶好のチャンスでしたが、菅本選手のシュートはゴール左に逸れました。
42分、グルージャペナ付近で奥田選手から小松選手へ裏へ抜けるショートパス。小松選手は土井選手をかわしGK不在のゴールへシュート。これも完全に1失点ものでしたが、カバーに入った鈴木選手がぎりぎりクリア。
45+1分、森選手のミドルシュートは相手DFに当たって枠外へ。
0-0で前半終了。試合の入りでYSの気迫に飲まれてしまい、ペースをYSに握られてしまいました。グルージャのチャンスはありましたが、フィニッシュ精度が極めて低くYSを脅かせられていません。
後半開始。46分、YS陣内左サイドで長めのパスのこぼれを拾った岩渕選手が鈴木選手に折り返しのパス。鈴木選手が左足でシュートするも相手DFがブロック。
47分、右サイド裏に抜けた菅本選手のクロスに岩渕選手が頭で飛び込むも、ボールは惜しくもゴール右外へ。
55分、ペナ前中央の松田選手がフリーでGKと1対1に。前に出た土井選手が何とかブロック。
63分、グルージャ陣内左サイドでのFKを吉田選手が蹴ると、ファーで飛び込んだ西山選手がフリーでヘディングシュート。ボールはきれいにゴール内右上に入りYS先制。位置的には福田選手が触って防ぐべきボールでしたが、何故か福田選手は動けず。
67分、岩渕選手のミドルシュートはDFブロック、こぼれを更に鈴木選手がシュートするも、これもブロックされました。
79分、宮尾選手のミドルシュートは枠内を捉えますが、土井選手がジャンプしてセーブ。
83分、右サイドのスローインから奥田晃選手が辻選手にパス辻選手のシュートはゴール右外へ。
88分、途中出場の守田選手の右サイドCKに岩渕選手が頭を合わせるも、ゴール右外。
90+1分、YS陣内でのFK。途中出場の谷村選手がファーに入れ福田選手が頭で折り返すもGKキャッチ。
試合終了。0-1で敗戦。
選手の評価
この試合のMOMはYS横浜の吉田選手。決勝点を呼び込むFKは素晴らしいものでしたし、左サイドで攻撃の起点となっていました。
しかし吉田選手のFK以外で、YS横浜の攻撃で特に目を見張るものは少なかったのも事実かと思います(グルージャのプレー精度が酷過ぎたので、YS横浜側の粗も目立ちませんでしたが…)。
YSにおいて感心したのは、-皮肉に聞こえたら申し訳ないのですが-、泥臭さや我武者羅さでした。この日のYSには確かにグルージャを上回る気持ち…というかモチベーションがあったような気がします。
グルージャの選手は全員落第点…と言いたいところですが、良かったことを一つだけ。8か月半ぶりの公式戦出場となった森選手について。
この試合、森選手は見事に左CBの役目を果たしました。今年4月で31歳になったチーム最年長の森選手は、昨季から出場試合数が減り今季もこの試合まではベンチ入りすら無い状況でした。試合に出場出来る見通しが立たないままコンディションを維持し続けるのは、簡単では無かったでしょう。まだまだグルージャには森選手が必要です。今後もよろしくお願いします。
総評
前半はYSの気迫に押されペースを握られ、後半は持ち直すものの、精度が低いちぐはぐな攻撃に終始。結局こちらの枠内シュートゼロ(Football LABより)で、相手のセットプレー一発で敗退。グルージャサポーターにとっては最悪と言える内容の試合でした。
この試合のために盛岡に来て頂いた岩渕真奈選手にも、しょっぱい試合を見せてしまいました(真奈選手はこれに懲りることなく、グルージャを見捨てずに今後も応援よろしくお願いします)。
言い訳にはなりませんが、最近の報道で露出されているようなサッカーの試合とは直接関係の無い雑音に、選手が惑わされた部分も少なからずあるでしょう。休み節により試合が1週間空いてしまったことが、グルージャの選手たちを頭でっかちにしてしまったようにも見えました。
この辺りの「試合への気持ちの持って行き方」の拙さは、菊池監督がJ監督初年度であることにも起因していると思います。この試合が良い経験になっていれば良いのですが…。もちろん今後も菊池監督のことは応援していきます。
やってしまったことは仕方ありません。失った勝ち点は戻ってきません。「この敗戦が良い流れへのきっかけとなった」と今季終了時に言えるよう、グルージャの選手たちには一層の奮起を望みます。