グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー 天皇杯2回戦 浦和レッズvs グルージャ盛岡

 

  夢のような試合でした。その夢の結末は悔しいものでしたが、決して悪夢のようなものではなく、グルージャサポーターの気持ちをポジティブにしてくれる素敵な夢だったと私は思います。

 6月21日に浦和駒場スタジアムで行われた天皇杯2回戦の浦和レッズ戦、グルージャはスコア2-3で敗れ、グルージャの今季の天皇杯は終了しました。

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公式結果

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フォーメーション

 レッズはやはり控え選手でスタメンを組んで来ました。攻撃的な選手であるはずの長澤選手のCBには少しビックリ。どの選手も控えとは言っても錚々たるメンツです。

 予想通り、グルージャは18日に行われたガンバU-23戦と同じスタメン。どこまで選手の体調を整えられているかがポイント。

 

試合内容

 幸いにも17時前まで降っていた雨は止み、まずまずのコンディションとなりました。但しピッチが濡れていたことはプレーに影響があったことでしょう。

 試合前のグルージャの選手たちが非常に「良い顔」をしていたのが印象的でした。

 

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 グルージャはラインを高く保ち、最初からペースを上げてレッズに挑んできました。高いラインを設定しパスを繋ぐグルージャに対し、レッズはグルージャDF裏を狙った攻撃という展開がこの試合の軸になりました。

 3分、田村選手のDFとGKの間を狙ったロングパスに梅﨑選手が走り込みますが、先にGK土井選手が足でクリア。

 7分、矢島選手がペナ外中央からミドルシュートするも土井選手キャッチ。

 8分、グルージャ最初のCKはショートコーナー、福田選手が頭で落としますが、その前のプレーがファール判定。

 10分、田村選手のロングパスにグルージャDF裏に抜けた高木選手が触り、そのこぼれを拾いに行った梅﨑選手とGK土井選手が交錯。ボールはゴールラインへ。グルージャにとっては危ない場面。

 

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 14分、矢島選手から裏へ走るズラタン選手にスルーパス。しかし土井選手が良い出足で体を投げ出しクリア。

 15分、細かいパス回しから、岩渕選手が右サイドのスペースにいた鈴木選手へパス。鈴木選手は中央までドリブルで上がり、思い切ったミドルシュートを打ちますがこれはゴールの遥か上。

 21分レッズ右サイドからの攻撃。梅﨑選手からグルージャDFとGKの裏狙いの浮き球パス。平川選手が狙いすまして右から中央に入りましたがオフサイドグルージャDF陣はよく集中しており最終ラインの管理が出来ています。

 27分、レッズペナ前で相手ボールを八角選手のプレスで引っかけ、梅内選手、谷口選手とワンタッチで繋ぎ、岩渕選手がミドルシュート。しかしDFクリア。

 28分、菊池選手が左サイドからグルージャペナ内に進入しますが、鈴木選手が体を入れボールを奪ってクリア。

 29分、左サイド菊池選手の裏狙いのパスに走り込んだ高木選手が左サイド奥からふわりとしたクロス。ズラタン選手と森選手が競りましたが、ズラタン選手が頭で落としたボールが森選手の左腕に触れPK判定。ズラタン選手が難なく右隅に決め0-1。

 

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 31分、谷口選手のミドルシュートはゴールの左。

 38分、林選手の左サイドCKからファーの福田選手が頭で落として、垣根選手がボレーシュート。しかしボールはゴールの上へ。

 

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 39分、谷口選手がミドルシュートするもゴールの遥か右。

 42分、畑本選手の鋭いクロスはGK榎本選手キャッチ。

 43分、矢島選手が大きく左サイドの菊池選手へパス。菊池選手はドリブルからペナ内でグラウンダークロス。ゴール前の梅﨑選手がボールを掴み損ねて土井選手キャッチ。

 45分、垣根選手が右サイドの裏へスルーパス。走り込んだ鈴木選手がグラウンダークロス。飛び込んだ梅内選手が触れずGK榎本選手キャッチ。グルージャにとって非常に惜しいシーン。

 45+1分、平川選手からCBの右サイドの大外を走り込んだ長澤選手へスルーパス。長澤選手のクロスはDFクリア。

 前半は0-1で終了。思いのほかグルージャが高いラインを保ち続けて自分たちのゲームが出来ています。それだけに森選手ハンドのPKは残念。

 

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 後半開始前にレッズは早くも2枚替。交代させられた菊池選手、矢島選手は恐らくミシャ監督の逆鱗に触れたものと思われます。レッズのフォーメーションは3-4-2-1のままで、シルバ選手がシャドウ、駒井選手が右WB、梅﨑選手が左WB、長澤選手がCH、平川選手が右CBへと選手が大移動。

 48分、高木選手のドリブルから、ヒールパスを受けた長澤選手が中央でミドルシュートするもDFに当たり土井選手がキャッチ。

 48分、八角選手のクロスは榎本選手キャッチ。

 53分、ついにグルージャサポーターが待ち望んだシーンがやってきました。中盤密集でのボールの奪い合いから林選手がカット。林選手は岩渕選手とのワンツーから目にも留まらぬ速さで左足を振りぬき、枠内左隅にゴールを決めてしましました。林選手の「恩返し」ゴールに一気に盛り上がるグルージャサポーター。こういう場面を待っていました、夢じゃないぞ。これで1-1の同点。

 

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 56分、高木選手の左サイドCKは土井選手がパンチでクリア。

 58分、シルバ選手、長澤選手、高木選手とワンタッチで繋ぎ、右サイドのズラタン選手へスルーパスズラタン選手は左の梅﨑選手にパスしますが、間に合わずボールはタッチラインへ。

 61分にレッズは早くも3人目の交代でオナイウ選手投入。駒井選手のCKは八角選手がクリア。

 63分、中央の長澤選手から縦にフワッとした裏へのパス。ズラタン選手がオフサイドぎりぎりで飛び出し、トラップから右足を振りぬき枠内に決めてしまいました。1-2。グルージャに疲れが見え始めた時間帯、中盤のボールの出所へのプレスと最終ラインの統率が甘くなったところをつかれた格好。さすがズラタン選手といったゴール。

 65分、シルバ選手の中央でのドリブルから右に流れたズラタン選手へパス。ズラタン選手のクロスからオナイウ選手がボレーシュートするもホームラン。

 70分、那須選手の裏へのロングパスにオフサイドぎりぎりで抜け出したオナイウ選手が、一旦土井選手にブロックされるもシュート。しかしDFに当たりボールはゴールラインへ。

 71分、梅﨑選手のCKはズラタン選手が頭を当てるも土井選手がキャッチ。

 

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 72分、右サイド駒井選手のドリブルからのシュート性のクロスは土井選手が両手でクリア。

 74分、グルージャは森選手に替えて井上選手を投入し、フォーメーションを4-4-2に変更。井上選手が左SHに入り、左SBに八角選手、右SBに鈴木選手、右SHに菅本選手。

 76分、駒井選手の右サイドでのドリブルからオナイウ選手へパス。オナイウ選手はうまく体を入れてシュートスペースを作り右足を振りぬきますが、土井選手が飛び込んでナイスキャッチ。

 79分、那須選手のDF裏へのロングフィード。オナイウ選手のスペースへの走り込みに対し、GK土井選手がペナ外に出て先に右足でクリアしようと試みますが、何と空振り。後ろへ転がったボールを難なくオナイウ選手がゴールに流し込み、レッズ追加点。ピッチが濡れていたことが影響したミスでしょうが、レッズへのプレゼントゴールとなってしまいました。1-3。

 90分、梅﨑選手がドリブルからペナ内に単独で侵入しますが、福田選手が体を入れてボールを奪いました。

 90+1分、林選手に代わり途中出場の谷村選手が、ドリブルから左に流れてクロスを入れるも、榎本選手がキャッチ。

 

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 敗戦濃厚となりましたが、グルージャは諦めていませんでした。90+3分、今度は右サイドに流れた谷村選手がクロスを入れると、谷口選手が頭で擦らせたボールは吸い込まれるようにゴール枠内左に入りました。グルージャ2点目。

 しかしこのまま2-3で試合終了。グルージャの今季の天皇杯は幕を閉じました。

 

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選手の評価

 MOMは2得点をあげたズラタン選手。反則級のフィジカルで、最後までグルージャDF陣を苦しめました。 2点目の場面、トラップからシュートまで勢いで持って行ったのはさすが。このクラスの「怪獣」はJ3にはいませんから、グルージャDF陣にはとても良い経験になったと思います。

 

 グルージャの選手はミスで失点に絡んだ選手を含めても、全員が素晴らしかったと思います。遥に格上の相手に対し勇気を持って体をぶつけにいき、ラインを上げて攻め続けた結果のミスですから、こういうミスを私は責めたくありません。失点に絡んだ選手たちは、この経験を次に生かして欲しいと思います。

 グルージャの選手から敢えて優秀賞をあげるとしたら、1点目をあげた林選手になるでしょうか。古巣相手に決めたゴールは美しく記憶に残るゴールでした。

 この日のグルージャは攻守に全員がよく走っていました。普段のリーグ戦と違い涼しい位のナイトゲームだったことはグルージャに有利に働きましたが、スタメン全員が中2日のコンディションでよくあそこまで走れたものです。谷口選手、梅内選手、鈴木選手の走りっぷりには「狂気」すら感じさせられました。

 鈴木選手はガンバU-23戦とは打って変って、この試合では評価を上げました。攻守においてマッチアップした菊池選手とのぶつかり合いは、非常に見応えがありました。結果として菊池選手を途中交代に追い込んだのは鈴木選手とも言えます。鈴木選手には大きな自信になったことでしょう。

 

総評

 グルージャの敗戦ではありますが、パスがテンポ良く繋がり昨季の最も良かった時期を彷彿させるグルージャにとって素晴らしい試合でした。最近の不甲斐ない試合内容にストレスを溜めていたグルージャサポーターも、この日の試合ではうっ憤をはらしたのでは無いでしょうか。本当にグルージャの選手たちはよくやってくれました。この日の選手たちには感謝しかありません。

 しかし一方でこうも思います。「なぜ普段のリーグ戦でこれが出来ないのか…」と。

 対戦相手、シチュエーションが違うのは分かりますが、プレーしている選手は全く同じ。ここまで試合の出来が異なるのは本当に不思議です。

 賞賛ムードに水を差すようで申し訳ないのですが、特に中の二人(林選手、垣根選手)に関しては、普段のリーグ戦ではこの日の半分位しか働いていないのではないでしょうか。

 選手たちにはこの日の試合を自信にして欲しいのですが、良く試合内容を分析して今後のリーグ戦へ落としこんでいって欲しいです。

 

 試合以外では、グルージャサポーターの盛り上がりに目を引かれました。この日のゴール裏の応援は何時にも増して一体感が感じられ、ゴール裏やメインスタンドアウェイ側に数多く集まったグルージャサポーターのポジティブな雰囲気には、「何か」が少しずつ変わってきているのを感じました。この日の追い風がホームいわスタにまで届けば良いですね。

 

 最後になりましたが、この素晴らしい試合の空気感を作ってくれたレッズの選手、スタッフ、サポーターの皆さんにはとても感謝しています。レッズの天皇杯、J1リーグ、ルヴァンカップ、ACLでの活躍をお祈りしております。ありがとうございました。

 

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