グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第5節 グルージャ盛岡 vs ザスパクサツ群馬

 1日、いわスタで行われたJ3リーグ第5節、グルージャ盛岡 vsザスパクサツ群馬は1-1のドローでとなり、両チームが勝ち点1づつを分ける結果となりました。

 

 

公式結果

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フォーメーション

 CH河津選手の怪我で誰がその代役となるのか注目されたグルージャでしたが、なんと菊池監督はCB福田選手をCHとして起用。空中戦に強い大久保選への対策としての布陣と言えるでしょう。

 CB稲森選手の相方は今季初出場初先発の田中憧選手。嫁阪選手はこの試合では右SHとして先発。

 

 ザスパは岡庭選手、永藤選手、星原選手が今季初先発。永藤選手と星原選手は今季初出場でもあります。2トップには大久保選手と高橋選手が入りました。

 

試合内容

 試合開始。2分、グルージャ陣内右サイドからのFK。風間選手のキックは一旦跳ね返されますが再びペナ内に放り込むと田中舜選手がクリア。左サイドに流れたボールを岡庭選手が拾ってクロス。大久保選手が田中憧選手と競りながらもヘディングシュート。しかしGK土井選手が正面でキャッチ。

 6分、風間選手からボールを受けた左サイド岡庭選手のクロスに大久保選手が頭で合わせますが、ボールは枠外へ。

 13分、右サイドでの細かいパス回しから嫁阪選手、梅内選手と渡り、福田選手にペナ外からのシュートチャンスが生まれますが、福田選手はパスを選択。シュートを期待したサポーターはため息。ボールは梅内選手にも嫁阪選手にも合わず、ラインを割りました。福田選手が不慣れなポジションについていることを象徴するシーン。

  15分、右サイド太田選手からのクロスにファーの田中舜選手が頭で折り返しましたが、味方選手には合わずGK松原選手がキャッチ。

 18分、中央の山田選手から藤沼選手に鋭い縦パスが入り、藤沼選手がペナ内左のスペースにボールを入れると嫁阪選手がGKと1対1。しかし嫁阪選手の左足のシュートは松原選手がブロック。

  20分、右サイド梅内選手のクロスにペナ内ニアで藤沼選手、ファーで白石選手が合わせにいきましたが、ボールをゴールに飛ばすことは出来ず。

 22分、グルージャ陣内右サイドからの風間選手のFKのこぼれを岡庭選手がシュートしますがボールは枠外。

 29分、左サイドの風間選手のクロスにペナ内ファーで大久保選手が頭で折り返しましたが中に味方選手がおらずDFクリア。

 32分、山田選手のクリアボールをダイレクトにペナ内に放り込むと、高橋選手が落としてペナ内左から風間選手がシュート。山田選手が一旦はブロックしますが、再び風間選手にボールが渡り落ち着いて右足を振りぬくと、ボールはGK土井選手の頭上を越え、ゴール内右隅に吸い込まれました。風間選手の見事なゴール。風間選手にペナ内で余裕をもって前を向かれるとさすがに厳しい。ザスパ先制で0-1。

 33分、山田選手がセンターサークル付近からロングパス。裏のスペースに藤沼選手が走り込み触りますがトラップできず松原選手がキャッチ。

 34分、稲森選手のロングパスを右サイドに流れていた白石選手がペナ内で収めシュート。しかしGK松原選手がブロック。

 36分、風間選手が右サイドから裏のスペースへボールを送ると、反応した高橋選手がGKと1対1。しかしペナ内右から打ったシュートは土井選手が腕でクリア。

 38分、左サイド岡庭選手からオーバーラップしてきた阿部選手にパス。阿部選手はペナ内でドリブルをしかけますが太田選手がスライディングでクリア。

 39分、左サイド風間選手のクロスからファーで大久保選手が中央に落とし、永藤選手がボレーシュート。しかしGK土井選手が超絶の反応でセーブ。このセービングはDAZNのJ3第5節ベスト5セーブの第3位に選ばれております。

 

 

 42分、ザスパ陣内右サイドでのFKを早いリスタートから白石選手がクロス。ファーで嫁阪選手が折り返しましたが味方選手に合わず松原選手がキャッチ。

 44分、永藤選手の右サイドからのクロスは土井選手が直接キャッチ。

 

 前半は0-1で終了。前半はザスパセカンドボール回収で上回りザスパペースの時間が多かったのですが、グルージャも18分、34分と決定機は作っており、ゴールまではあと少しの印象。33分の風間選手のゴールはお見事。追加点を許さなかった39分の土井選手のスーパーセーブがこの後、生きてくるのか…。

 

 後半開始。48分、白石選手のクリアボールが相手選手に当たったこぼれを稲森選手が拾いましたが、パスを高橋選手に奪われてクロス。大久保選手が合わせに行きましたが田中憧選手がクリア。

 50分、藤沼選手が中央でのドリブルからペナ内右でクロス。しかし久木田選手がクリア。

 50分、山田選手がペナ内中央の梅内選手へパス。梅内選手は相手DFを背負ったまま胸トラップからシュートしますが久木田選手に当たりボールは枠外へ。 

 54分、ハーフウェイライン付近でのボールの奪い合いから岡庭選手がDF裏へスルーパスオフサイドぎりぎりで抜けた永藤選手がGKと1対1。コースを探して躊躇するうちDFが戻ってきたところでシュート。ボールは稲森選手の股を抜け、ゴール枠外左に僅かに逸れました。

 57分、白石選手の左サイドからのCKはファーで田中憧選手がヘディングしましたが、松原選手が正面でキャッチ。

 58分、ペナ内で福田選手からの縦パスを貰った嫁阪選手が右足でシュート。しかしボールはゴール右枠外へ。

 60分、自陣で貰ったFK。太田選手が素早く相手DF裏へ蹴りこむと藤沼選手が反応。GKと1対1になりかけましたが、星原選手が追い付いてクリア。

 67分、ザスパ陣内中央からのFK。白石選手がふわりとペナ内に落としたボールのこぼれを嫁阪選手がシュート。しかし松原選手が正面でキャッチ。

 67分、グルージャ陣内左サイドでのスローインから白石選手が梅内選手にスルーパス。梅内選手もDF裏に素晴らしいタイミングとコースでパスを出すと、藤沼選手が坪内選手と競り合いながらも収めて左足シュート。ボールはGK松原選手の脇をすり抜けゴール枠内へ。藤沼選手らしい競り合いでの強さが出た見事なゴール。藤沼選手はこれがグルージャでの初ゴール。梅内選手も素晴らしいスルーパスでした。グルージが追い付いて1-1。

 71分、藤沼選手が左サイドでのドリブルからのミドルシュート。しかし坪内選手が体を張ってクリア。

 72分、左サイドからの岩田選手のクロスに大久保選手が左足でシュートしますが、稲森選手の体に当たり土井選手がキャッチ。

 77分、田中舜選手に代わって菅本選手を投入。菅本選手はそのまま左SBに入りました。

 77分、グルージャ陣内でのFK。風間選手はファーの大久保選手を狙いましたが、大久保選手のヘディングは枠には飛びませんでした。

 79分、舩津選手の右サイドからのクロスに岡田選手がニアに飛び込みますが、ボールは枠を捉えず。

 80分、ルーズボールのペナ内へのこぼれを岡田選手が狙いますが、田中憧選手がうまく体を入れてクリア。

 84分、ザスパ陣内右サイドからの白石選手のFKは、松原選手がパンチでクリア。

 86分、白石選手がセンターサークル付近からDF裏へのロングパス。藤沼選手のトラップが長くなり松原選手がキャッチ。

 89分、ザスパ陣内右サイドからのFK。白石選手のキックのこぼれを梅内選手がシュートしますがボールは枠外。決定機でしたが、またも梅内選手のお約束。

 90分、坪内選手が梅内選手に危険なタックル。しかし加害者の坪内選手がはなぜか梅内選手に対してキレて怒鳴っている様子。主審は迷わず坪内選手にイエローカード。坪内選手は精神的に追い詰められてかなり不安定な様子。ザスパは後半になるにつれ全般的にプレーが荒くなってきましたが、グルージャとしては怪我だけは避けなければ。

 90+3分、左サイドのスローインから宮市選手が収めて谷村選手へパス。谷村選手はドリブルで中に入りニアの藤沼選手にクロス。藤沼選手が左足でボレーシュートしましたが、ボールは惜しくも枠外左へ。

 試合終了。1-1のドロー。

 

選手の評価

 MOMは遂に今季初得点及びグルージャでの初得点をあげた藤沼選手。相手DFの圧に負けずに競り合いを制し落ち着いて決めたゴールは、これぞ藤沼選手というゴール。試合後のインタビューでの全く満足していない『ギラギラ感』は、実に頼もしく感じられました。

 その藤沼選手のゴールを素晴らしい芸術的なパスでアシストした梅内選手。嫌味ではなくこれで得点が増えてくれば、個人昇格も夢ではない選手になってきました。しかしそのためには、この試合89分のような決定機では、きっちり枠内に打てなければいけません。何度も言いますが今季の梅内選手は二桁ゴールが『最低限の』ハードルだと考えています。

 土井選手の安定したセービングが無ければ、この試合の勝利もありませんでした。現時点ではJ3を代表するGKになったと言えます。

 福田選手は公式戦ではほぼ初めてのCHのポジションとのことでしたが、無難にこなしたと言えるでしょう。大久保選手に自由に仕事をさせないというミッションについては、ほぼ達成出来ました。しかし試合前からの懸念通り、ボール保持時を狙われて危ない場面も見られました。今後も同様の起用法が見られるのかは不明ですが、面白い試みではあったと思います。

 今季初先発の田中憧選手は、プロ初先発となった昨季第33節セレッソU-23戦が評価を落とす出来だっただけに、この試合での変貌ぶりは目を見張るものでした。田中憧選手がこの試合、CBとして安定したプレーを見せてくれたので、グルージャの最終ラインの層はかなり厚くなったと言えます。今後もチーム内での高いレベルでの競争を望みます。

 

 ザスパの選手では、素晴らしいゴールを決めた風間選手が印象を残しました。ボールコントロールスキルの高さ、視野の広さなど『J2の選手』の風格を感じさせてくれました。

 

総評

 ドローに終わりましたが、グルージャサポーターにとっては非常に楽しめた試合ではなかったでしょうか。

 DAZNで試合開始前に福田選手のCH初起用を聞いたときは、「本当に大丈夫か?」と心配しましたが、福田選手をはじめどの選手も良くやってくれました。大久保選手対策としての福田選手のCH起用は、一応成功を見たと言って良いでしょう。

 前半はセカンドボールがなかなか取れず我慢の時間帯が多かったのですが、集中力を切らさず、32分の1失点しか許さなかったことが、後半の猛攻に繋がりました。

 後半は長目のパスで裏抜けを狙いつつ、ショートパスを繋いだ縦に速い攻撃も見られ、グルージャペースに持ち込むことに成功。同点という結果ではありますが、藤沼選手の素晴らしいゴールを見られ、かつザスパ相手に走り勝ったと言える内容に、私も満足しました。

 この日の試合のようなプレーをしていけば、今季グルージャが目標とする勝ち点40もそのうち見えてくることでしょう。

 

 ただ一つだけ残念だったのは、この日のいわスタへの来場者が733人(!)しか集まらなかったこと。試合開始直前まで降っていた雨、同時間帯に行われていた高校野球花巻東高校の準々決勝)、年度初めの日曜日等要因はあったのでしょうが、この事実はグルージャフロントには深刻に受け止めて欲しいと思いました。

 次節はブラウブリッツ秋田との北東北ダービー。昨季はホームでボコボコにされているだけに、意地を見せましょう。