マッチレビュー J3リーグ第16節 グルージャ盛岡 vs FC琉球
グルージャ4連勝ならず。
7月1日に行われたJ3リーグ第16節FC琉球戦において、グルージャはスコア1-4で敗れ、チーム新記録となる4連勝は次の機会にお預けとなりました。
公式結果
フォーメーション
グルージャ、FC琉球ともに前節と全く同じ先発メンバーとフォーメーション。
試合内容
試合開始。1分、左サイドからのクロスのこぼれをペナ内で播戸選手がシュートするもミートせず左に逸れました。
6分、左サイドからドリブルで中に入った富所選手がミドルシュートするも中島選手が正面でキャッチ。
10分、左サイド奥からのスローインの流れから福田選手がペナ内にグラウンダーのパスを入れ、菅本選手がシュートするも枠を捉えず。
12分、左サイド奥のスローインから谷村選手がペナ内に走り込んだ河津選手にグラウンダーパス。河津選手がシュートするも西岡選手がブロック。
22分、自陣でボールを奪った琉球のカウンター。播戸選手が左サイドをドリブルで上がり大外の枝本選手にパス。枝本選手はペナ内ハーフスペースの富所選手にパス。富所選手はファーの富樫選手に渡して富樫選手がフリーでシュート。しかし中島選手が何とか弾いてこぼれを河津選手がクリア。
23分、枝本選手から左サイドを上がってきた徳元選手にパス。徳元選手が入れたクロスにニアで播戸選手が頭で後ろに擦らせて、中央の中川選手がフェイントを入れてから左足でシュート。ボールは右ポストを叩いてゴール内側へ転がりました。中央の守備が福田選手と田中憧選手のみの数的不利となっていたため、CHか菅本選手が早くカバーにつくべきでしたが…。しかし琉球の見事な攻撃でした。0-1。
26分、左サイド奥からの谷村選手のクロスをファーで白石選手が収め谷口選手へパス。谷口選手がシュートするも瀧澤選手がブロック。
31分、西岡選手から右サイドの富樫選手へパス。富樫選手の入れたクロスに播戸選手が中央で合わせに行きますが、ボールは足をかすめてファーに流れました。
35分、ペナ前中央から琉球のFK。富所選手が右足を振ると、ボールはきれいな放物線を描きゴール左隅に決まりました。富所選手の完璧なシュート。0-2。
37分、左サイドの中川選手からのクロスは中島選手が直接キャッチ。
41分。自陣でボールを奪ったグルージャのカウンター。中央の谷村選手から右サイドの白石選手へパス。白石選手から右サイド裏へパス。谷口選手が収めてペナ内にグラウンダークロスを入れニアに宮市選手がスライディングしますが、先に朴一選手がキャッチ。
43分、グルージャの選手交代。谷村選手に代わり藤沼選手を投入。そのまま藤沼選手がシャドウに。グルージャが怪我以外の理由で前半に選手交代するのは恐らく今季初。
前半を0-2で終了。内容的に絶望的な差は感じませんが、FC琉球攻撃陣の決定力には唸らされました。
後半開始。琉球は播戸選手に代わり和田選手を投入。そのまま和田選手がCFに入りました。
47分、右サイドをドリブルで上がった畑本選手からクロス。収めた小谷選手が左に流れながらシュートするも、西岡選手がブロック。
48分、左サイドのCKのこぼれの流れから、左サイドの白石選手がクロスを入れ、ファーの谷口選手が頭を合わせに行きますが、先にキャッチにいった朴一選手と接触してファール。
50分、小谷選手から中央裏へ落ちるパス。追い付いた谷口選手がペナ内右でボレーシュートしましたが、ボールは枠を捉えす。
52分、小谷選手から右サイドの白石選手へパス。白石選手がクロスを入れペナ内中央に宮市選手が飛び込みますが、朴選手がキャッチ。
53分、右サイドからの河津選手のクロスは宮市選手、谷口選手には合わず、西岡選手の胸トラップから朴一選手がキャッチ。
55分、琉球のカウンター。中央を中川選手がドリブルで運び並走していた中川選手にパス。中川選手はペナ内右でシュートを打ちましたが、中島選手が前に飛び出てビッグセーブ。
56分、右サイド奧のスローインから中川選手がクロス。ニアで和田選手がヘディングシュートするもボールは右ポストに当たって外側のゴールラインを割りました。
60分、自陣で田中憧選手が相手ボールをカットし藤沼選手がドリブルで中央突破。左サイドの谷口選手がハーフスペースに入って後ろの小谷選手へパス。小谷選手はグラウンダーのシュートを放つと、朴一選手が飛び込み左手で何とかセーブ。こぼれを白石選手がシュートしますが再び朴一選手が左足で弾きました。朴一選手のビッグセーブ。
61分、富樫選手の左ハーフスペースからのミドルシュートは中島選手がジャンプしてセーブ。
63分、グルージャの選手交代。畑本選手に代わり安楽選手投入。安楽選手が右WBに入り右CBに白石選手が入りました。安楽選手は第10節SC相模原戦以来の出場。
63分、入ったばかりの安楽選手が自陣からドリブルでバイタルまで持ち込み左足シュート。しかし枠を捉えず。
66分、中央の中川選手からペナ内の和田選手にパス。和田選手が収めてシュートするも福田選手がブロック。こぼれを拾った富所選手が枝本選手にパスして枝音選手がシュート。しかし河津選手がブロック。
67分、ドリブルで左サイドを上がった田中憧選手がミドルシュートするも枠を捉えず。
68分、朴一選手のGKを田中憧選手が跳ね返すと、こぼれを拾った安楽選手が宮市選手へパス。ワンツーで受けた安楽選手はペナ前中央の谷口選手へパス。谷口選手が右足を振り切るとボールはゴール枠内右のネットに刺さりました。1-2。
71分、琉球の選手交代。富樫選手に代わり上門選手投入。上門選手がそのままSHへ。
71分、枝本選手が左ハーフスペースのドリブルからシュートするも枠を捉えず。
76分、琉球陣内右サイドでの安楽選手の素早いスローインから、白石選手がドリブルで奥まで持ち込みクロス。ペナ内中央で谷口選手が右足をうまく合わせましたが、ボールはゴール右ポストに当たり手前に跳ね返りました。グルージャにとっては「これが決まっていれば…」でしたが。
80分、グルージャ陣内左サイドの深い位置からの琉球のFK。富所選手のキックにファーで中川選手が頭を合わせ、枠内右隅に決まりました。河津選手が中川選手のマークに付いていましたが振り切られてしまいました。1-3。
83分、右サイドを白石選手がドリブルで運び安楽選手にパス。安楽選手はペナ無いハーフスペースの白石選手にパス。白石選手がヒールで戻すと安楽選手の豪快なシュート。ボールは惜しくもクロスバーの上を通過。
83分、グルージャ選手交代。宮市選手に代わり梅内選手。藤沼選手がCFとなり梅内選手はシャドウに入りました。
83分、琉球の選手交代。富所選手に代わり朴利選手。
84分、相手ペナ前でクロスのこぼれを拾った小谷選手がペナ内にロビングパス。走り込んだ白石選手が追い付きシュートしますが、瀧澤選手がブロック。
86分、左サイドの福田選手からのクロスをファーで梅内選手が頭で折り返しましたが、朴一選手がキャッチ。
87分、田中憧選手のロングフィードを右サイドで収めた安楽選手がドリブルでペナ内に侵入してシュート。しかし相手DFがブロック。
88分、左サイドで相手のバックパスを奪った藤沼選手がそのままGKと1対1。GK朴一選手がペナ外まで出てブロック。こぼれを拾った谷口選手がシュートしましたが瀧澤選手がブロック。朴選手は藤沼選手にブロックに行ったプレーもかなり危険なプレーでしたし、ペナ外で谷口選手のボールに触りに行っていたので(届かず未遂)、ファールぎりぎりでしたが笛は吹かれず守り切りました。
90分、枝本選手のミドルシュートは枠を捉えず。
90+3分、徳元選手のペナ内左からのクロスに中央で枝本選手が右足でシュートしましたが、GK中島選手がセーブ。
90+7分、右サイドを和田選手がドリブルで抜け出してクロス。ファーの中川選手が左足を合わせてボレーシュート。きれいに枠内左に決まってゴール。クロスを上げた和田選手には田中選手と菅本選手の二人で囲みに行ったのですが、止める力はもう残っていなかったか…。ファーで中川選手にマークに付くべき白石選手も、シュート直前まで中川選手の存在に気付かず。中川選手はハットトリック。1-4。
試合終了。1-4でグルージャ敗北。
選手の評価
MOMはハットトリックの中川選手。シュートの上手さには驚かされました。多少嫌味を言うとファールを貰うのも上手い選手。中川選手は昨季先発したのは4試合のみで1ゴール、1アシストでしたから、今季はまだ半分ですが中川選手にとって大きく飛躍したシーズンとなりました。今後も大いに活躍することでしょう。
1ゴール、1アシストを上げた富所選手は準MOM。直接FKを決めた2点目にしろ、中川選手のヘディングをアシストした3点目にしろ、さすがのキックのクオリティ。
上記の2人以外にも播戸選手、富樫選手、枝本選手、和田選手の攻撃陣はグルージャとの格の違いを見せつけたと思います。
グルージャの選手の中では谷口海選手の活躍が目立ちました。76分のシュートが入っていれば試合結果もどうなっていたか分りませんでした。今後に大いに期待できる内容だったと思います。
途中出場の安楽選手は2か月ぶりの試合出場でしたがキレキレの動きを見せ、ゴール寸前まで迫りました。WBとしてサイドを切り裂いていく姿を今後も見られそうです。
総評
結果としてはグルージャの完敗でした。「76分の谷口選手のシュートが入っていれば…」もありましたが、FC琉球の決定的チャンスのほうが多く、グルージャはゴールポストや中島選手のビッグセーブに助けられていたので、妥当な結果と言えるでしょう。
ゴール数がリーグ1位だけのことはあり、FC琉球の決定力は素晴らしいものでした。選手の個人能力もさることながら、金監督のもとブレずにポゼッションサッカーを3シーズン積み上げてきたことが、ここにきて開花している印象です。
3連勝中は勢いでごまかしていましたが、このレベルのチームと対戦すると粗が出てきて今のグルージャに足りないものが良く見えてきます。
守備面はまだまだ整備していかないとダメなことばかり。CBが機を見て攻撃参加するのは良いことですが、相手にボールを奪われたら中島選手のビッグセーブ頼みになるような人数しか残さない守備が散見されましたし、相手のセットプレーに対し個々のマークも徹底されているのかが疑問なシーンもありました。
また懸念していた通り、暑い天候において「走れ走れ」のハイラインハイプレスのサッカーはかなり無理がありました。90分の中で時間帯ごとにペースを変えていかないと、最後まで体力、集中力が持ちません。この辺は経験を積むしかないのでしょうかね。選手たちには怪我だけは避けて欲しいと思います。
しかし突っ込みどころが多々ある完敗とは言えど、 第8節鹿児島戦(1-4)、第11節藤枝戦(0-4)とは全く異なる試合内容であり、グルージャの選手たちが恥じ入る試合では無かったと私は思います。
優勝争い真っただ中のFC琉球から勝ち点を奪取するために、グルージャの選手たちは最後まで走り切ってくれました。まだまだグルージャは良くなっていくと感じています。次節のセレッソ大阪U-23戦ではこの日の経験を生かし、アウェイから勝ち点を持ち帰って欲しいと思います。