マッチレビュー J3リーグ第17節 セレッソ大阪U-23 vs グルージャ盛岡
7月7日にアウェイ、キンチョウスタジアムで行われたJ3リーグ第17節、セレッソ大阪U-23戦においてグルージャは2-1で勝利を収め、前節FC琉球戦での敗戦の流れを断ち切ることに成功しました。
公式結果
フォーメーション
セレッソは前節からCBを瀬古選手から石尾選手に、CFを中島元選手から安藤選手に変更。その他は前節と変わらず。
グルージャは両WBを菅本選手、白石選手から鈴木選手、太田選手に、シャドウの一人を谷村選手から藤沼選手に変更。その他は前節と変わらず。鈴木選手のリーグ戦先発は今季初。太田選手の先発は第11節藤枝戦以来、藤沼選手の先発は第8節鹿児島戦以来。
尚、白石選手は前節の試合中の怪我で全治2か月とのこと。
そして先日、水戸ホーリーホックから期限付き移籍で加入したばかりのGK小泉選手が初のベンチ入り。
試合内容
雨はそれほど激しくない様子ですが、ピッチ状態はボールが走る場所と止まる場所が混在している感じ。
試合開始。5分、グルージャ陣内のグルージャのスローインを奪った喜田選手がドリブルからDF裏へスルーパス。米澤選手にパスが通ってGKと1対1、かと思いきやオフサイドの判定。確かにオフサイドではありましたが、グルージャにとってはかなり危ないシーン。
7分、喜田選手がペナ内右端からファーにクロス。しかし斧澤選手に渡る前に太田選手がクリア。
8分、左サイドからの舩木選手のCKはファーで福田選手がクリア。
11分、セレッソ陣内右サイドから畑本選手のスローイン。藤沼選手が収めてセレッソの3選手に囲まれながらペナ内右端奥まで持ち込んでクロスを蹴るも舩木選手がブロック。
11分、左サイドから太田選手のCK。ショートで小谷選手にパス。小谷選手は後ろの鈴木選手に戻して鈴木選手がファーに落ちるクロス。藤沼選手と斧澤選手が競ったこぼれを拾った福田選手がペナ内左からシュート。シュートはゴール前の山根選手の右腕に当たってしまい主審は迷わずハンドの判定でPK。宮市選手が枠内左上隅に突き刺してゴール。宮市選手はグルージャでは初ゴール、Jリーグでのゴールは約2年ぶり。1-0。
14分、センターサークル付近からグルージャのFK。田中憧選手のキックはペナ内左に落ち、福田選手が頭で魚里選手に競り勝ちゴール前中央に入れると、フリーで待っていた谷口選手がヘディングシュート。ボール枠内左上隅に入ってゴール。2-0。
17分、舩木選手の横パスをカットした谷口選手がそのままドリブルでペナ内まで持ち込んでシュート。しかしボールはゴールの左脇を通過。
24分、舩木選手からのロングパスが右サイドの斧澤選手に通り、斧澤選手はペナ内に持ち込んでから後ろの西本選手に戻し、西本選手がシュート。しかし中島選手が正面でブロック。
25分、グルージャ陣内右サイドからの舩木選手のFKは中島選手が直接キャッチ。
27分、田中憧選手から右サイドの太田選手にパス。太田選手は中央の裏へボールを入れると宮市選手と谷口選手が重なり気味に走り込み、決定的チャンスを掴みかけますが主審のホイッスル。宮市選手のハンド?を取られたようです。
31分、セレッソ陣内右サイドからの太田選手のFKは後ろの小谷選手にパス。小谷選手は右ハーフスペース裏にボールを落とし、鈴木選手が拾ってゴール前に入れますが、森下選手がクリア。
32分、相手スローインをカットした谷口選手が中央の宮市選手にパス。宮市選手から藤沼選手、鈴木選手と左サイドに進んで鈴木選手がクロス。ファーで谷口選手が狙っていましたが、舩木選手が頭でクリア。
33分、相手のクリアボールを鈴木選手がミドルシュートするもボールは枠の上へ。
35分、左サイドの舩木選手からのクロスは田中憧選手がクリア。拾った喜田選手が右サイドの斧澤選手に渡して斧澤選手がクロス。しかし畑本選手がクリア。
40分、右サイドからの舩木選手のCKはファーに落ちましたが中島選手がパンチでクリア。こぼれを拾った石尾選手がペナ外からクロスを上げますが田中憧選手がブロック。しかしこれがハンドを取られてFK。ぎりぎりペナ外だったので、あわやPKのシーン。
41分、左サイドからの舩木選手のFKは速いボールを入れてきましたがグルージャDFがクリア。こぼれを拾った流れから魚里選手からグルージャペナ内へのロングボール。石尾選手と田中憧選手が競って落ちたボールを安藤選手が拾ってペナ内右からシュート。中島選手は反応出来ずゴールかと思いきや、太田選手が滑り込んでクリア。太田選手のビッグセーブ。ちなみにこのプレーはDAZNベストセーブの2位に選ばれています。
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— DAZN ダゾーン (@DAZN_JPN) 2018年7月10日
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前半は2-0で終了。グルージャが効率の良い攻撃でまさかの2点差リード。第1節ガンバU-23戦ではここから3点入れられ負けているので全く油断は出来ません。
後半開始。セレッソは安藤選手に代わり山内選手を投入。山内選手がそのままCFに。
49分、左ハーフスペースを山根選手がドリブルで運び左サイドの舩木選手へパス。舩木選手から低く速いクロス。米澤選手が触ればゴールでしたが触れず、中島選手がパンチでクリア。
51分、中盤で奪ったボールを小谷選手が裏へロングフィード。オフサイド無く藤沼選手が抜け出しましたが、痛恨のトラップミスでGK茂木選手がキャッチ。自分に腹を立て頭を抱える藤沼選手。
54分、右サイドの斧澤選手からハーフスペースの山内選手へパス。大外から上がってきた魚里選手に渡して魚里選手がクロスを入れるも福田選手がブロック。
55分、右サイドからの舩木選手のCKはニアで谷口選手がクリア。
56分、谷口選手が右サイドをドリブルで上がりクロス。ファーに流れたボールを鈴木選手が拾ってハーフスペースに走り込んだ福田選手へパス。福田選手のクロスは喜田選手がクリア。
57分、グルージャのCKからセレッソのカウンター。山内選手が右サイドをドリブルで上がり速いクロス。中央に走り込んだ西本が触ればゴールの可能性が高いボールでしたが、戻ってきた畑本選手が足を延ばして触り、こぼれを中島選手がクリアしてゴールを許さず。グルージャの粘り強さが垣間見える守備でした。
57分、右サイドのスローインから山内選手が収めて斧澤選手へパス。斧澤選手がドリブルからシュート。しかし中島選手が顔面ブロック。
58分、ペナ前左からの舩木選手のFKは中島選手がパンチでクリア。こぼれを斧澤選手が直接シュートしましたが枠を捉えず。
59分、魚里選手のドリブルからのクロスは谷口選手がスライディングでクリア。
60分、右サイドの舩木選手のFKは中島選手がパンチでクリア。こぼれが舩木選手に渡り再びクロス。ファーで石尾選手が田中憧選手と競り合いながら足を伸ばしてシュートするも、ボールはゴール左ポストで跳ね返されました。
61分、ペナ横左からの舩木選手のFKはファーに流れ、拾った喜田選手のクロスは畑本選手がブロック。
61分、右サイドからの舩木選手のFKはニアで谷口選手がクリア。
61分、右サイドからの舩木選手のFKは直接ゴールを狙ったものでしたが、中島選手がパンチでクリア。
61分、右サイドからの舩木選手のFKはニアでクリア。
62分、右サイドの斧澤選手からのクロスは田中憧選手が頭でクリア。
67分、左サイドからの鈴木選手のFK。ファーで福田選手が頭で落としましたが、舩木選手が拾ってクリア。
72分、グルージャ選手交代。鈴木選手に代わり菅本選手投入。菅本選手がそのまま左WBへ。
73分、左サイドの河津選手からのクロスは茂木選手がキャッチ。
74分、中央の小谷選手から左サイドの菅本選手へスルーパス。ドリブルでペナ内に侵入してクロス。しかし魚里選手がブロックし、こぼれをセレッソ選手が回収。
75分、セレッソの選手交代。西本選手に代わり中島元選手投入。中島選手がそのままCHへ。
78分、左サイドの山根選手から米澤選手へのパスを畑本選手が足を伸ばして触りましたが、こぼれたボールを中島元選手がペナ外から直接グラウンダーのシュート。GK中島宏選手は反応出来ず、枠内左隅に決まってゴール。中島宏選手からは前に立つ選手でブラインドになってボールの出所が見えなかったか…。1-2。
79分、グルージャは谷口選手に代わり安楽選手を投入。安楽選手がそのままシャドウへ。セレッソは山根選手に代えて山田選手を投入。山田選手がそのまま左SHへ。
81分、左サイドからのスローインを受けた宮市選手がクロスを入れると、安楽選手が足元で触りに行きますがコントロール出来ず、茂木選手がキャッチ。
87分、右サイドの山内選手からのクロスは太田選手がクリア。
87分、左サイドの舩木選手からのロングパスをペナ内で収めた山内選手が左足でシュートするも、ボールは菅本選手に当たって枠の上へ。
89分、グルージャの選手交代。宮市選手に代わり梅内選手投入。梅内選手がシャドウに入り藤沼選手がCFへ。
90分、右サイドの魚里選手からの低いクロスをペナ内中央で収めた米澤選手がシュート。河津選手、畑本選手、田中憧選手、太田選手がスライディングで止めに行き、シュートをブロック。4選手のスライディングにグルージャの気迫を感じます。
90+1分、右サイドの魚里選手からのクロスをニアで山田選手がヒールで流しますが味方選手には合わず、小谷選手がクリア。
試合終了。2-1でグルージャの勝利。
選手の評価
MOMは先制点のPKを引き出すシュートを打ち、2点目のアシストもマークした福田選手。最近はセットプレーだけでなく、流れの中から左サイドを上がって攻撃参加する姿も目立っていますが、空中戦の強さをこの日も存分に発揮してくれました。
2点目のゴールを決めた谷口選手はフリーだったとはいえ見事なヘディングシュートを見せました。これでゴール数は4となり藤沼選手と並びチーム内トップタイ。藤沼選手とは協力し合いながら、高いレベルでチーム内得点王を争って欲しいものです。
41分に価値あるビッグセーブを見せた太田選手も、準MOMクラスの活躍でした。WBとしては初先発でしたが、攻撃面では白石選手に見劣りはするものの守備面では「違い」を見せ、今後に大きな期待を抱かせるプレーぶりでした。この試合は「太田選手と鈴木選手をWBとして使う目途が立った一戦」という意味でも、価値ある試合になりました。
PKながらようやくグルージャでの初ゴールを上げた宮市選手。このゴールでプレッシャーから解放されたと思うので、今後はゴールを量産していって欲しいです。PKを引き出した福田選手には感謝しなければならないでしょう。
セレッソの選手は序盤はバタつきを見せましたが、後半は全くグルージャにペースを渡さない迫力ある攻撃を見せました。
前半は左SB舩木選手からの正確なパスが目立ち、後半は途中交代で投入されたCF山内選手が右サイドに流れてプレーするようになると、右SB魚里選手が攻撃参加してクロスを上げるプレーが増え、グルージャのゴールを脅かしました。
CH中島元彦選手のシュートはお見事。CF米澤選手は無得点に終わったものの、度々ゴール前での怖さを感じさせました。
総評
グルージャのシュート総数は「5」、後半のグルージャのシュート数は「0」。ということを考えると、良く勝てたと思える試合。シーズン序盤までのグルージャなら間違いなく負けていた試合でしょう。
まだまだ個人戦術の面で改善点はありますが、以前に比べグルージャは格段に組織的守備の精度が上がりました。
そして集中を切らせない粘り強い守備。41分の太田選手、57分の畑本選手、60分の田中憧選手、90分の畑本選手他の守備には痺れました。これらの場面ではグルージャの選手が少しでも気を抜いていれば、相手ゴールとなっていたでしょう。この調子でさらに守備の精度を上げて欲しいと思います。
先制点のPKはラッキーには違いないですし、2点目も谷口選手を「どフリー」にしたセレッソ側のミスだったと言えますが、チーム戦術として『意図された』『再現性のある』攻撃が出来ているからこその得点だったように私には見えました。
ボールを持ったら「まずは裏狙い」。ビルドアップは「WBに当ててCHやシャドウとのパス交換から時間を掛けずにペナ両端のハーフスペースエリアに入る」。シンプルな攻撃のセオリーが板について、選手が変わっても同様のことが出来るようになってきたことからも、グルージャの勝利が多くなってきたことが偶然では無いことが分ります。
J3リーグ戦もこの試合で折り返し。計算されたかのようにリーグ戦開幕前の目標であった「勝ち点40」のちょうど半分である「勝ち点20」をこの試合で獲得。
2018シーズンのグルージャは、ここからどこまで進めるのか。選手はどのように成長してくれるのか。
「優勝争い」「昇格争い」とは少し距離を置いたリーグ戦を戦うグルージャですが、私にとっては興味は尽きません。この調子でどんどん前に進んでくれ、グルージャ。