グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第18節 グルージャ盛岡 vs SC相模原

 7月15日に行われたJ3リーグ第18節、SC相模原戦においてグルージャはスコア0-3の完敗を喫し、第14節長野パルセイロ戦以来のホームでの勝利をものにすることは出来ませんでした。 

 

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公式結果

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フォーメーション

 グルージャは前節から両WBを鈴木選手・太田選手から菅本選手・梅内選手に変更。またCBを畑本選手から稲森選手に変更。梅内選手の先発出場は第11節藤枝戦以来約2か月ぶり。また5月の天皇杯一回戦での負傷により戦線離脱していた稲森選手も久々の先発出場。

 グルージャのベンチには先月、水戸ホーリーホックから期限付き移籍してきた小泉選手と、昨年5月に右足アキレス腱断裂で長期離脱していた今関選手が今季ホーム初お目見え。今関選手の復活はグルージャにとって嬉しいニュース。

 

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 相模原は前節から左SBを米原選手から加納選手に変更。加納選手は今季初先発。ほかは前節と同じスタメンの4-4-2。

 

試合内容

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 グルージャが風下で試合開始。7分、相模原陣内でのFK。菅本選手が速いボールをペナ内に入れましたが、その前の選手間の接触でグルージャがファールを取られました。

 9分、右サイドから谷澤選手のクロスは中島選手がキャッチ。

 11分、グルージャ陣内での保崎選手のFK。直接枠内に向かい誰かが触ればゴールになる質の高いキックでしたが松本選手の頭は届かず、GK中島選手が手で弾きました。

 12分、右サイドからの保崎選手のCKは、稲森選手が一旦クリアしますが、拾った千明選手から保崎選手にパス。保崎選手のクロスはニアの河津選手の頭に当たってゴール前に落ち、福田選手のマークを引きはがしたジョンガブリエル選手が右足で押し込んでゴール。ジョンガブ選手への福田選手のマーク、工藤選手への田中憧選手のマーク、どちらも完全に剥がされていたので最後のシュートはどうしようもない。その一つ前のシーンで河津選手がゴールから遠い場所にクリア出来ていれば良かったのですが、前に立つ松本選手の陰でボールがよく見えなかったでしょうから、これも仕方ないか…。0-1。

 17分、左サイドの保崎選手のCKはニアで宮市選手がクリア。拾った丹羽選手が谷澤選手へパス。谷澤選手のクロスに中央で松本選手が左足を合わせましたが、枠を捉えず。このシュートも河津選手のマークが完全に剥がされていたので、失点していておかしくないシーンでした。

 

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 19分、グルージャ陣内右サイドから保崎選手のFK。速いリスタートでファーの工藤選手に落とし、工藤選手はワンタッチでゴール前に折り返しましたが、松本選手のシュートは枠を捉えず。

 21分、丹羽選手のミドルシュートは中島選手がキャッチ。

 23分、左サイドの菅本選手からゴール前中央の宮市選手にパス。宮市選手は後ろの河津選手に戻すと河津選手から右サイドの梅内選手にパス。ペナ外から梅内選手がシュートを打ちますがGK田中雄選手が飛びついて右手でセーブ。この試合のグルージャの初シュート。

 26分、左サイドの菅本選手から中央の谷口選手にパス。谷口選手は右サイドハーフスペース裏にボールを出すと梅内選手が走り込んでシュート性のクロス。しかし飛び込んだ藤沼選手は触れず、ボールはゴール左へ逸れました。

 30分、左サイドからの保崎選手のCKは中島選手がキャッチ。

 31分、河津選手と谷澤選手がボールの取り合いで交錯し、河津選手が右膝を痛めてプレー続行不能に。

 33分、右サイドの加納選手からのロングボールをジョンガブ選手が頭で折り返し、松本選手が後ろに戻して丹羽選手がミドルシュート。ボールは田中憧選手に当たってコースが変わりましたが、なんとか中島選手が弾きました。

 34分、負傷した河津選手に代わり山田陸選手投入。山田選手がそのままCHへ。

 34分、右サイドからの保崎選手のCKはファーの工藤選手が足で触りますが、中島選手がキャッチ。

 

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 36分、相模原陣内ペナ外中央からのFKは菅本選手が直接ゴールを狙いましたが枠を捉えず。

 38分、左サイドでの谷澤選手と保崎選手のワンツーから谷澤選手と千明選手のワンツーで谷澤選手がペナ内に切り込むと、谷澤選手は左の松本選手へパス。松本選手は谷澤選手にボールを戻し谷澤選手がフリーでシュート。一旦は中島選手が弾きますが、逆サイドに張っていたジョンガブ選手が、フリーで難なくゴールに流し込みました。格下チーム相手にレッスンをつけているような、グルージャにとっては屈辱的なゴール。全てが後手に回ったグルージャの守備でした。0-2。

 38分、小谷選手からDF裏へのロングボール。走り込んだ藤沼選手が収めてペナ内右で切り替えしたところで工藤選手がたまらず倒してPK判定。PKを貰った藤沼選手が蹴りましたが、田中雄選手の読みが当たりキャッチ。グルージャは貴重なチャンスをものに出来ず。

 

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 41分、中央の小谷選手から左サイドの菅本選手へパス。菅本選手は左ハーフスペース奥からクロスを入れ、ペナ内右で梅内選手がボレーシュートしましたが、お約束のの枠外…。

 43分、ペナ外中央から山田選手がGKとDFの間を狙ったスルーパスを出しましたが、梅内選手が触る前にGK田中雄選手がキャッチ。

 45分、右サイドの福田選手のクロスを加納選手が頭で跳ね返したボールを、ペナ外中央で山田選手が拾って谷口選手がシュートしますが枠を捉えず。

 前半終了。後半はグルージャのリズムが出てきただけにPK失敗が非常に痛い。

 

 後半開始。相模原は加納選手に代えて辻尾選手を投入。辻尾選手がそのまま右SBへ。

 48分、田中憧選手のロングパスを左サイドで受けた菅本選手がドリブルからミドルシュート。しかしボールは枠を捉えず。

 54分、グルージャ選手交代。梅内選手に代わり安楽選手投入。安楽選手がそのまま右WBに。

 57分、自陣左サイドでボールを奪った山田選手が左サイド裏へロングパス。藤沼選手が収めてクロスを入れるもGK田中雄選手がキャッチ。

 70分、自陣右サイドからの辻尾選手のロングボールを谷澤選手が頭で落とし中央のジョンガブ選手が収めてGKと1対1。ジョンガブ選手はペナ外からゴール左側を狙ったロブ気味のシュートを打ちましたが、僅かに枠外左に逸れました。

 71分、左サイドからの保崎選手のCKをニアのジョンガブ選手が触り、安楽選手がこぼれ球をクリアしましたが、クリアが小さく工藤選手が左足で蹴り込んでゴール。前に出るタイミングが遅れ、パンチングしきれなかった中島選手のミスによる失点。0-3。

 

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 72分、山田選手から安楽選手へ縦パス。安楽選手は宮市選手とのワンツーから小谷選手へパス。小谷選手は右ハーフスペースからシュートしますが、田中雄選手がセーブ。

 74分、グルージャ選手交代。谷口選手に代わり今関選手投入。今関選手の公式戦出場は昨年4月の藤枝戦以来1年3か月ぶり。今関選手がそのままシャドウへ。

 74分、相模原選手交代。ジョンガブ選手に代わりチッキーニョ選手投入。チッキーニョ選手がそのままCFへ。

 76分、相模原陣内中央から菅本選手のFK。直接ゴールを狙いましたがゴール枠外右に逸れました。

 83分、グルージャ陣内左サイドから保崎選手のFK。ファーの梅井選手が収めて右サイドを突破。クロスにチッキーニョ選手が右足を合わせましたがゴール右に逸れました。

 84分、チッキーニョ選手が左ハーフスペースでドリブルからシュートしましたが枠を捉えず。

 86分、相模原の選手交代。千明選手に代わり菊岡選手投入。菊岡選手がそのままCHへ。

 88分、GK田中雄選手のクリアボールを松本選手が頭で落として右サイドの谷澤選手が収めてクロス。松本選手がヘディングシュートしますが中島選手が正面でキャッチ。

 90+1分、相模原陣内ペナ外右からのFK。菅本選手のキックは直接ゴールを狙ったものでしたが枠を捉えず。

 90+3分、辻尾選手のクリアボールを収めて裏へ抜けたチッキーニョ選手がペナ内までドリブルで運んでクロス。菊岡選手がトラップからシュートしましたが田中憧選手がブロック。

 試合終了。SC相模原が3-0で完勝。グルージャの完敗でした。

 

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選手の評価

 MOMは2得点のジョンガブリエル選手。ジョンガブ選手はこれで12ゴール。J3リーグゴール数の単独首位に立ちました。ジョンガブ選手は体格も反則級ですが、足元も器用なので相手選手にとっては非常に厄介な選手。ここぞという場面での決定力はさすが。今回もジョンガブ選手にいいようにやられてしまいました。

 準MOMは谷澤選手。33歳にしてあの運動力は化け物。谷澤選手に左サイド(グルージャの右サイド)を効果的に使われたことが、この試合が相模原ペースになった一因。また谷澤選手は試合の運び方を良く知っている選手でもあり、チームが苦しい時に体を張ったり、レフリーへの抗議に時間を使ったりと絵に描いたようなベテラン選手ぶりを発揮していました。

 

 ここにきて夏バテ気味なのか、グルージャの選手は全体的に低調。プレー精度はもちろん、球際でも相模原の選手との差を見せつけられました。

 そんな中、今関耕平選手のカムバックは嬉しいトピックス。今関選手は大卒で2017シーズンにグルージャに加入し、シーズン序盤の4試合に途中出場した後、5月の練習中に右足アキレス腱を断裂し長期のリハビリ生活を余儀なくされました。この1年2か月間、辛い時期を過ごしたことと思いますが、今季の残り試合でその借りを返していって欲しいと思います。

 

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総評

 格上のSC相模原に個々のプレー精度で遥かに差をつけられた上で球際でも負ければ、まあこうなるでしょうといった試合。せっかく貰ったPKまで失敗しては、グルージャに勝機はありませんでした。

 

 今のグルージャに、SC相模原のようなフィジカルに長けたチームのセットプレーからの攻撃を90分間払いのけれられる守備力はありません。1失点目のようなパワーでねじ込まれる失点は今後も避けられないでしょう。より反省すべきは2失点目のようなマーク受け渡しのミスや、3失点目の選手個人の初歩的判断ミスだと思います。

 

 攻撃面においては、相手が下がって守備をしてきた場合の崩しがまだまだ足りないことを思い知らされました。相手に先制点を奪われて引いた守備をされると、相手ボックスを崩せず前線に人数を多く投入した玉砕(大量失点)覚悟の攻撃になってしまいます。白石選手の不在も影響していますが、今後の課題として攻撃陣には更なる努力をして欲しいです。選手一人ひとりがシュートやクロスやFK、CKの質を上げていくことは言うまでもありません。

 

 細かいことで気になったのは、PKを得た場合のチームの決まり事について。昨季までは他の選手が獲得したPKでも谷口堅三選手が蹴ることが暗黙の了解事項でしたが、今季は特に決まり事は無いのでしょうか。

 別に藤沼選手が蹴るのは構わないのですが、初めから決めてあった方がストレスが少なく済むのではないでしょうか(私は宮市選手固定、宮市選手がファールで体を痛めていたら谷口海選手又は藤沼選手が蹴る、というようなことで良いのではと思います)。

 

 この試合は相模原に良いレッスンをつけてもらったということで、反省すべき点を反省し、次に向けた良い準備をして欲しいと思います。

 次節は年1回の北上総合運動公園陸上競技場での開催試合。次節のガンバ大阪U-23戦が終了すると、約1か月間のリーグ中断期間に入ります。選手たちが気持ちよく休みに入れるよう、グルージャの北上での初勝利を望みます。