グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第23節 グルージャ盛岡 vs アスルクラロ沼津

 今回も駄目だったか…。

 グルージャは9月16日にホームいわぎんスタジアムで行われたJ3リーグ第23節アスルクラロ沼津戦をスコア0-3で落とし、今節でトンネルを脱出することは叶いませんでした。

 

公式結果

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フォーメーション

 グルージャは前節から1人入れ替え。遂に白石選手が怪我から復帰し、7月1日の第16節FC琉球戦以来の出場で右WBとして先発。

 前節右WBだった久保選手が本来のポジションであるCBに入り、3バックは左から福田選手、田中憧選手、久保選手の並びになりました。

 

 水曜日にSC相模原戦を終えて中3日でグルージャに挑むアスルクラロは、前節から5人の先発を入れ替え。

 CFを田中直選手から畑選手に、CHを谷口智選手から沓掛選手に、左SHを富田選手から石田選手に、右SBを尾崎選手から熱川選手に、CBを藤嵜選手から藤原選手に交代。

 

試合内容

 試合開始。6分、右サイド熱川選手のロングボールを収めた青木選手から右サイド大外に上がってきた太田選手へパス。太田選手のクロスにニアで畑選手がダイビングヘッド。シュートはゴール枠内左下に飛びましたが、GK小泉選手が右手で掻き出すビッグセーブ。因みにこのプレーはDAZNベストセーブ3位に選ばれています。

 

 

 7分、左サイドからの熱川選手のCKはグルージャDFに跳ね返されましたが、それを拾った藤沼選手が中央をドリブルで駆け上がると、追いかける石田選手がペナ前で藤沼選手のユニフォームを掴んで進行を阻止しファール判定。藤沼選手は体勢を崩しておらず、プレーを止めなければシュートまでいけそうだっただけに、主審は笛を吹くのはもう少し我慢すべきでした。

 9分、ペナ外からの白石選手のFKは壁に当たって枠の上へ。

 10分、右サイドからのCKはショートコーナー。白石選手からのクロスにファーで田中憧選手がヘディングシュートしますがボールはクロスバーの上を通過。

 12分、右サイドを白石選手がドリブルで上がりクロス。ニアで宮市選手が右足を合わせましたが枠を捉えません。

 16分、右サイドからの熱川選手のFKのこぼれを石田選手がボレーでミドルシュート。ボールは藤沼選手の背中に当たって逸れゴールラインを割りました

 27分、中央の藤沼選手から左サイドの裏へスルーパス。スペースに走り込んだ鈴木選手がペナ内左からシュートするもGK牲川選手が正面でキャッチ。

 29分、左サイドの福田選手からのクロスにペナ内中央の藤沼選手がヘディングシュートしましたが枠を捉えず。

 37分、藤沼選手のミドルシュートはゴール左に逸れました。

 40分、沓掛選手から裏への絶好のロングパスに青木選手と久保選手が体を寄せて競り合いましたが、青木選手の掴んだ行為がファールを取られました。抜ければGKと1対1の場面、久保選手はよく我慢しました。

 41分、左サイドの畑選手からのクロスをファーでトラップした熱川選手がシュートするも鈴木選手がブロック。

 42分、右サイドからの熱川選手のクロスのこぼれを沓掛選手が再びゴール前に頭で落とし石田選手が触ったボールを太田選手が左足でシュートしましたが僅かに枠の上へ。

 45+1分、中央でボールを奪った石田選手がドリブルからミドルシュートするも、ボールはゴール枠外右へ。

 前半は0-0で終了。予想通り我慢比べの精神戦的展開になりました。ここまでのグルージャはよく我慢して球際も強く行けており、これを後半どこまで続けられるか。とにかく先制点が欲しいところ。

 

 後半開始。54分、ペナ外中央の小谷選手から右の谷口海選手へパス。谷口選手は大外から上がってきた白石選手にスルーパス。白石選手はペナ内右からクロスを入れますが藤原選手がブロック。

 56分、アスルクラロのカウンター時に青木選手と競り合った田中憧選手がこの日2枚目のイエローカードを貰い退場。グルージャは残り30分間以上、10人で戦うことを余儀なくされました。グルージャの最終ラインは白石選手、鈴木選手がSBとなる4バックに変更(藤沼選手がCF、宮市選手と谷口選手がSHとなる4-4-1)。

 58分、左サイドからの砂森選手のCKにニアで藤原選手が頭を合わせましたが、小泉選手がキャッチ。

 59分、アスルクラロの選手交代。石田選手に代わり染矢選手を投入。染矢選手がそのまま左SHへ。

 62分、左サイドからの砂森選手のCKをニアで徳武選手がヘディングシュート。キャッチに行った小泉選手がこぼしましたが、白石選手がクリア。

 63分、右サイドの熱川選手からのロングスローは一旦跳ね返されたものの、太田選手が再びペナ内に返すと染矢選手が振り向きざまの目の覚めるようなボレーシュート。ボールは左ポストを叩いて枠の中へ。アスルクラロ先制。0-1。

 66分、グルージャの選手交代。谷口選手に代わり嫁阪選手投入。嫁阪選手がそのまま左SHへ。

 67分、左サイドの砂森選手からペナ内の太田選手にロングパス。太田選手が頭で落として畑選手がボレーシュートを狙いましたが枠には飛ばず。

 70分、染矢選手が左サイドをドリブルで上がって砂森選手、ペナ内の青木選手と繋いでボールはペナ内左に侵入した染矢選手に再び渡ると、スライディングでボールを奪いに行った久保選手と接触し染矢選手が転倒。主審は迷わずPK判定。このシーンは久保選手のスライディングの判断も軽かったのですが、左サイドから上がってきた染矢選手のマークに付ききれなかった、この時点での右SHである宮市選手のミスであるように見えました。もちろん宮市選手は普段のCFポジションではこのような局面の守備は求められていませんから、宮市選手にも酷な話だと思います。PKは染矢選手が難なく真ん中に蹴って決め、0-2。

 74分、グルージャの選手交代。宮市選手に代わり谷村選手投入。谷村選手がCHに入り右SHに白石選手、右SBに江頭選手にポジション変更。

 76分、左サイドからの砂森選手のCKはファーで青木選手が頭を合わせましたが、ボールはグルージャの選手に当たりクロスバーの上を山なりに通過。

 80分、沓掛選手から左サイド裏へのパス。拾った砂森選手からのパスを染矢選手がスルーして後ろから来た畑選手がシュート。しかい福田選手がブロック。

 82分、グルージャの選手交代。白石選手に変えて今関選手投入。今関選手がそのまま右SHへ。

 84分、染矢選手のミドルシュートは小泉選手がキャッチ。

 84分、アスルクラロの選手交代。畑選手に代えて前澤選手投入。前澤選手が左SHに入り、染矢選手がCFに変更。

 88分、右サイドの熱川選手から沓掛選手、青木選手と繋いでペナ内中央の前澤選手が右足を振り抜きシュート。ボールは枠内左に決まったと思われましたが、小泉選手が飛びついて掻き出しました。ビッグセーブ。

 90分、アスルクラロの選手交代。青木選手に代わり田中直選手投入。田中選手がそのままCFに。

 90+1分、右サイドのスローインを受けた染矢選手がペナ内右からクロス。走り込んだ田中直選手が右足を合わせましたが、ボールは僅かにゴール左へ逸れました。

 90+4分、中盤での奪い合いから沓掛選手から太田選手へパス。太田選手がドリブルからペナ前でシュートすると、ボールはGK小泉選手の手をすり抜け枠内右上に吸い込まれました。グルージャの守備の人数は足りていましたが、太田選手のシュートコースを消すことが出来ませんでした。0-3。

 試合終了。0-3で完敗。

 

選手の評価

 MOMは文句なしで染矢選手。1点目は防ぎようのないゴラッソ。2点目も田中憧選手の退場が原因で手薄になったグルージャの右サイドを上手く突き、PKを引き出しました。今季この試合まで1ゴールだけだったのが信じられない素晴らしい出来でした。

 

 直接的に田中憧選手の退場を引き出した青木選手も貫録のプレー。フィジカルの強さを存分に生かし、グルージャのDF陣の肉体的・精神的スタミナを奪っていきました。頼れるエースがいるチームは強いことがよく分ります。

 

 負けた試合では目立たなくなってしまいますが、相変わらず小谷選手は絶好調で攻守に獅子奮迅の活躍でした。グルージャのフロントは早急に小谷選手と複数年契約を結ぶ必要があるでしょう(経営的に可能であれば…)。

 

 イエローカード×2枚での退場となった田中憧選手のプレーは、悔やんでも悔やみきれない残念なものでした。既に1枚カードを貰っていたこと、カードを出しやすい主審の傾向と不安定なジャッジメントを考慮すれば、ピンチの場面ではありましたが青木選手にあそこまで厳しく当たることは無かった。田中憧選手の若さがマイナスに出たプレーでした。

 

総評

 田中憧選手の退場が全てだったと言える試合でした。両チームの実力の差は歴然であり、1人少ない状態でアスルから勝ち点を奪うことは無理ゲーだったと思います。

 

 残念だったことを更に2つ、厳しめに書いておきます。

 まずグルージャ選手間の声掛けが少なく、覇気が弱く感じられること。精神的にキツイ時ほどチーム内で声を掛け合い励まし合うのが普通だと思いますが、グルージャはその辺が以前から弱い。キャプテンの河津選手がまだ試合に復帰していないこともありますが、チームを鼓舞していくリーダー的な選手も見当たりませんでした。

 いくら負けようが我武者羅に食らいついていく姿をサポーターは待っています。

 

 もう一つは菊池監督の采配について。この日の2失点目のPKに至ったプレーはパッと見、久保選手のミス。動画を再生してよく見ると染矢選手を右サイドでフリーにしてしまった宮市選手のミスが大きいことが分るのですが、更によく考えるとこの失点の責任は田中憧選手と菊池監督にあります。

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 田中憧選手のことは上に書いた通りなので、ここでは触れません。田中憧選手が退場になった時点でグルージャはフォーメーションを4-4-1に変更しましたが、サイドの守備に不慣れな宮市選手を右SHにしたことは全くの「悪手」でした。

 宮市選手が右SHになり、更にそのすぐ後に対面の相手SHに染矢選手が途中交代で入ったことにより、グルージャの右サイドvsアスルの左サイドの力関係の差が圧倒的アスル優位となり、久保選手のペナ内でのファールに繋がってしまいました。あわてて数分後に選手交代とフォーメーション変更を行いましたが、あとの祭り…。

 この程度のアドリブ修正は「こと」が起きる前に菊池監督に行って欲しいところ。あのPKが無かったとしても、この試合は負けていた可能性が高いとは思いますが、勝ち点を得るために最善を尽くしたとは思えなくなることがサポーターとしては悲しい。

 選手層が薄く怪我人が多発するグルージャにおいて、選手を回していくことがたいへんなことなのは理解していますが、早め早めに出来る策は実行して頂きたい。この試合の2失点目の件は結果論では無いと考えています。

 

 次節はグルージャでは今季初の金曜日の試合。アウェイでザスパクサツ群馬との対戦になります。次節は田中憧選手が出場停止となり更に選手のやりくりが大変ですが、この日の反省を十分に生かし、勝ち点を持ち帰ってきてほしいと思います。