J3リーグ第4節までのグルージャ盛岡のまとめ-神川コラムとスタッツから見えること-
朝日新聞デジタルに連載中の神川監督のコラムが更新されました。
第3節長野パルセイロ戦終了後に書かれたものですが、相変わらずのストレートな物言いで、現在の神川監督の思いを語っています。重要な点を以下に箇条書きします。
- 現在の状況は人生で経験したことのない試練と感じている。
- 最良の選択は分からないが、「こうあるべきだ」というのは経験上知っている。
- 各チームはグルージャ対策として、前からボールを奪いに来ると思うが、スタイルを変えるつもりはない。
- 攻撃の起点となるCB2人(畑本選手、久保選手)とは心中する覚悟。
- 相手が前からボールを奪いにきたぐらいで大きく蹴り出せとは指示しない。
- 彼らの能力をもってすれば、もっとボールを受け、もっとパスを出すことは十分可能。
- 昇格・降格が無い現在の状況であれば、挑戦的なサッカーがしたいし、やれる立場だと思っている。
神川監督の信念をビンビンに感じさせる熱いコラムですね。読んでいる私が熱くなってきました。神川監督はとても優秀なモチベーターだと思います。コラム内容についても、私は200%同意します。
監督から心中する覚悟とまで言われれば、CB2人は死にもの狂いでプレーしなければいけません。CB2人はよくやっていると私は思っていますが、重圧に負けずに今後も更に良いプレーを目指して精進して欲しいです。
さてJ3リーグは第4節を終えました。グルージャは勝ち点1で15位と順位は低迷していますが、第4節SC相模原戦では相手を内容で圧倒し、一定の成果は出ているように見えます。ここで4試合のデータを使って、現在のグルージャについて素人なりの考察をしてみたいと思います。コメントでの突っ込みは大歓迎です。
データはFootball LABから引っ張ってきました。尚、Football LABのデータは独自のもので、Jリーグ公式のものとは異なるデータがあるようです。
スタッツを並べてまず言えることは…「グルージャはどんだけシュート下手なんだ!」ということです。
1試合平均のシュート数が1位、CK数が1位、30mライン進入回数が1位なのに、4試合で得点がPKの1点のみ…。はい、皆さん、これネタですよ~。リツイートで拡散して下さいね~。…この屈辱がグルージャを強くします…。
練習でもシュートは入っていないそうなので今更なのですが、攻撃陣には冗談ではなく本当に何とかして欲しいです。まあ、FWの選手の方々は今季の得点目標に二桁を掲げているようなので、シーズン終了時には得点数40〜50点にはなっていると思いますけれど(皮肉)。
視点を少し変えて…。今季のグルージャと言えば「パスサッカー」とよく言われますよね。自戒を込めて言いますが、「パスサッカー」というと何となく分かった気になってしまいますが、「パスサッカー」は非常に曖昧な言葉であり、誤解を招く恐れがあると最近思っています。「パスサッカー」とは当然パスを多用するサッカーのことですが、そのパスにも様々な種類があります。
グルージャはパス総数が16チーム中5位と確かに多いほうではあります。しかし一般的に「パスサッカー」で連想されるポゼッション(ボール支配率)は、47.3%とそれほど高くありません。パス総数もポゼッションも上位の富山やガンバU23とは、その辺り対照的です。
グルージャが他チームと比べて最も特異な点が、パスの長さとパスエリアです。パス総数に占めるショートパスの割合が断トツに高く、アタッキングサード(上記4枚目の表の1th、2ndエリア)でのパス数が断トツに多くなっています。またもう一つ特異なことは、この表からは読み取れないのですが、横、後ろへのパスが少なく、前へのパスが断トツに多いことです
以上を纏めるとグルージャのサッカーは、
「パス総数は多めで、ショートパスの割合が極めて高く、パス方向も極めて前進志向、アタッキングサードでも数多くパスを廻せてシュートも打ちまくるが、ゴールは入らない(おい!)」
ということになります。
一般的にパス数が多くなれば手数がそれだけ多くなり、遅攻となることが多いのですが、グルージャはワンタッチの縦へのショートパスを多用して速攻を行い、一本でも多く敵陣でシュートを打とうとする姿勢があります。スローインやFKでのリスタートの速さにも、それは繋がっています。神川コラムにもあったように、安易に前に長く蹴りだすことはせず、ひたすら丁寧にかつ素早くパスを繋いでいく。それがグルージャのサッカーを面白くしている点だと私は思います。
で、今日の結論として何が言いたいかというと、
「強さはさておき、面白いサッカーをして確実に観客にスペクタクルを提供するグルージャ盛岡の試合を見に、ぜひ、いわスタに足を運んで下さい。強さもそのうちついて来るはずです。成長するグルージャ盛岡の目撃者になりましょう。」
ということです。以上。