マッチレビュー J3リーグ第14節 FC東京U-23 vs グルージャ盛岡
26日に味の素フィールド西が丘で行われたFC東京U-23戦は、試合後の神川監督の言葉通り完敗でした。グルージャとしてはあまり見るべきものが無い試合内容で、見事にFC東京U-23のホーム初勝利の引き立て役に回ってしましました。リーグ下位争いのライバルチームにこの内容で負けるのは、なかなかつらいものがあります。
試合を振り返るのもつらいですが、明日に繋がる敗戦だったのだと言い聞かせ、振り返ってみます(慰めに写真多め)。
FC東京のスタメンは事前に報道されていた通り、五輪代表候補の中島選手と室屋選手が揃って入りました。意外だったのは、前日のJ1の試合で途中出場していた水沼選手。自ら志願してのJ3出場とのこと。余計なことを…。よってオーバーエージは圍選手、吉本選手、水沼選手の3名。
グルージャは、CHに土館選手が初スタメンで入りました。他は前節と同じ。
前半からFC東京のペース。5分、右サイドからの攻撃。中島選手からのパスを水沼選手がワンタッチで縦に入れ、ユ選手がシュートするもGK土井康平選手がキャッチ。
6分、センターサークル付近で岡崎選手がパスカットしたボールを、中島選手がユ選手にスルーパス。ユ選手は右から走りこんできた水沼選手にパス、完全に1点ものの状況でしたが、水沼選手のシュートをGK土井康平選手が素晴らしいタイミングの寄せを見せてセーブしました。
16分、また右サイドからFC東京の攻撃。野澤選手のスルーパスに走りこんだ室屋選手がシュート。一度は土井康平選手が止めるも、こぼれたボールをユ選手が押し込みごっつあんゴール。決めたのはユ選手ですが、実質9割は室屋選手のゴール。このFC東京のゴールまでの流れには、格の違いを感じました。
26分、今度はグルージャが左サイドから逆襲。森選手がドリブルで上がって梅内選手にパス。思い切りの良いシュートを撃ちますがボールはバーを叩きます。
43分、齋藤選手がカウンターの長いパスを縦に入れ、長い距離を走った鈴木達也選手がシュートに持ち込みますが、GK圍選手がセーブ。
44分、前がかりになったグルージャ最終ラインの裏にボールが出て、中島選手が独走。GKと1対1になりますが、ここも土井康平選手がうまく距離を縮めてシュートを撃たせず、左に避けて倒れた中島選手にシミュレーションのイエローカード。
前半はグルージャは左サイドで(FC東京の右サイド)袋叩きにされたので、神川監督は後半開始からフォーメーションを変えてきました。齋藤選手を下げ井上選手を投入。牛之濱選手を左SH、井上選手を右SHにして、谷口選手、梅内選手の2トップとしました。
65分、FC東京の攻撃。右サイドからユ選手があげたクロスをペナルティエリア内で柳選手が胸トラップ。競った井上選手の体があたって柳選手が倒れ、ファールを取られてPK。これは厳しすぎる判定。しかし今日の土井康平選手は「神」モード。中島選手のPKをドンピシャではじき、追加点は与えませんでした。
後半はグルージャの攻撃機会は増えましたが、決定的なチャンスは殆ど無く、土井良太選手、谷村選手を投入するも得点には結びつかないまま試合終了。0-1の敗戦。
この試合はチャンスは圧倒的にFC東京にあり、土井康平選手の「神」セーブ連発が無ければ0-3、0-4でもおかしくないくらいの内容でした。
この日のFC東京U-23の水沼選手、中島選手、室屋選手は素晴らしいプレーぶりで、グルージャの選手たちに格の違いを見せつけました。グルージャは彼らに左サイドでボコボコにされた訳ですが、純粋に森選手や梅内選手たちとの実力差でしょうね。仕方ないところはあります。
またFC東京ゴール前で、グルージャの選手に殆ど仕事をさせなかった吉本選手も、素晴らしかったです。グルージャの次にFC東京を応援している身としては、彼がJ3でも腐らずに堂々とプレーをしているのが見られて良かったです。
J1でプレーする実力がある彼らとピッチで対峙して、グルージャの選手たちが「明日に繋がる何か」を掴めていると良いのですが。
グルージャに第12節福島戦のような覇気の無さはそれほど感じませんでしたが、守備は相変わらずの「ざる」状態。簡単に最終ラインの裏を取られて、GKと1対1を作られたケースが何度もありましたし、バックパスを奪われてGKと1対1の場面もありました。CKやクロスからも相手に触らせすぎです。チームとして、ある程度守備を安定させないことには良い成績は残せませんが、今の状態から短期間で目に見える守備の向上を計れるような気がしないところが、非常につらい。
7月から選手の第2登録期間(ウィンドー)が開始されますが、グルージャは今季の選手補強はもうしないのでしょうか。
この日のグルージャの収穫は、前節の失点に繋がるミスから見事に立ち直った土井康平キャプテンのプレーぶりのみかな。彼の精神的タフネスぶりには感心しました。
あとはこれか…。
素晴らしい試みです。こういう洒落が利いたサポートは、本当に大事なことです。チームに負けが込んでくると、選手もサポーターも悲壮感を漂わせがちですが、もっとこのノリのサポートが増えていけば良いと思いました。サポーターの方々、お疲れ様でした。
私も悲観せず、今後もポジティブにグルージャを楽しんでいきたいと思います。