グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

グルージャ盛岡 2016シーズンレビュー -チームスタッツ編-

 2017シーズン新体制の下でのトップチーム練習も開始され、思い切りタイミングを逸していますが、2016シーズンの総括をやります。昨年アップするつもりでしたが、書きかけてほったらかしていました。2017シーズンプレビューの前振りとして眺めて頂ければ。

 まずはチームスタッツから見ていきます。スタッツは全てFootballLABからの引用です。

 

2016シーズン結果

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 2016シーズン、グルージャはJ3リーグ16チーム中13位、いわて国体は準々決勝敗退に終わりました。

 神川監督は2016シーズン新体制発表の際に、下記のような目標や抱負を語っておりました。

・2016シーズンのチームの目標はリーグ戦7位以内、いわて国体優勝。

・3原則(運動量、球際、切り替え)を徹底させる。

・良い守備から良い攻撃へが戦術ベース。

・引いたサッカーはしたくない。面白いサッカーをしたい。

・システムは4-2-3-1、または4-4-2が基本。

 結果だけ見ると「リーグ7位」と「国体優勝」は完全な失敗に終わりました。しかしポジティブな要素もあったシーズンだったと私は思っています。

 

2014、2015シーズンとの比較

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 ここでは鳴尾監督時代からの流れを振り返りながら、スタッツを用いて2016シーズンとの比較をしていきます。

 

 J3初年度の2014シーズンは、2013シーズンの主力選手をそれほど変更せず、地域決勝大会優勝の勢いをそのままJ3に持ってきたシーズンでした。堅守速攻を徹底させたことがうまくハマって、CF土井良太選手の活躍(12得点)もあり、12チーム中5位という地域リーグから上がったばかりのチームとしては、信じられない好成績を収めました。

 

 堅守速攻のみでは2014シーズン以上の成績を収めることは出来ないと判断した鳴尾監督は、2015シーズンにおいては、もう少しボールを保持できる、自分たちのペースで攻撃できるようなスタイルを、フォーメーションや出場選手を試合毎に頻繁に変えながら模索していきました。

 しかしそのスタイルは完成を見ず、13チーム中12位の成績でシーズン終了。シーズン終了と同時に鳴尾監督は退任し、選手も一気に15人の契約満了が発表されるなど、主力選手の半分以上が入れ替わりました。

 

 2016シーズン、新たに監督に就任したのが明治大学の監督だった神川氏。神川監督は前述した目標や抱負を掲げ、プロ監督1年目のシーズンに臨みました。

  神川監督は、鳴尾監督時代のサッカーは捨て去り、殆どゼロから新たなサッカーを目指しました。神川監督のサッカーを一言で表すと、このブログで何度も書いてますが、「ショートパスを多用し、ボールを奪ったら縦に速く攻撃し、1本でもシュートを多く撃つ」サッカーです。

 

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 スタッツを見て目につく2015シーズンとの相違は、圧倒的にパス数が増えたこと。1試合平均で、2015シーズンと比べ1試合平均100本以上も増え、その内訳はショートパスの割合が極めて多いものでした。

 また相手陣内でのプレー回数が増え、シュート数も増えました。シーズン序盤はシュート精度が極めて悪く得点力不足に苦しみましたが、シーズン終了時には1試合平均の得点を1.43点(リーグ4位)まで伸ばしました。また自軍のプレー回数が増えたため、ボール支配率もこれまでのグルージャからは考えられない数字(49.6%)になりました。

 

 得点パターンではもちろんショートパスからの崩しが多いのですが、驚くのはセットプレーからの得点の多さ。絶対的なプレースキッカーや絶対的な空中戦強者が居ないグルージャセットプレーから22得点(リーグ1位)をあげているのは、策を授けているコーチ陣の手腕によるところが大きかったのだと思います。

 非常に残念だったのは失点数の多さ。47失点はリーグ下から2番目。1試合平均では2015シーズンの1.31失点を上回る1.57失点。2016シーズンに抜擢された若手中心のDF陣が、高い最終ラインをキープしつつ後ろから繋いでいくサッカーの守備に適応出来なかったこと、がその主原因でしょう。DF陣に関しては開幕前までの補強が適切だったのかは多少疑問が残るところです。

 <続く>