グルージャ盛岡 2016シーズンレビュー -チーム編成・選手編-
2016シーズンレビュー2回目。
ここではチーム編成や選手起用の面から、2016シーズンを振り返ります。
2016シーズンのチーム編成・選手起用
シーズンを通して、フォーメーションはほぼ全てフラット4-4-2の一択(ダイヤモンド4-4-2、4-2-3-1も若干使用)。相手のフォーメーションや選手に合わせて、こちらの布陣を変えるということはあまりありませんでした。
GK=土井康、CB=畑本、久保、右SB=鈴木達、右SH=牛之濱の5名は、シーズン通してほぼ固定。
その中でも、牛之濱選手はシーズンを通して、特に攻守に安定した素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました(得点9、アシスト6)。グルージャ史上最高品質の選手と言っても、過言では無いでしょう。2015シーズン終了後のJリーグトライアウトに参加していた牛之濱選手を獲得出来たことに関しては、強化部(神川監督?)のグッドジョブと言えるでしょう。
前回のまとめでも書きましたが、グルージャのサッカーはショートパスを素早く繋げながら攻撃を作っていくスタイルなので、どのポジションでも足元の技術に優れた選手が重用されることになりました。結果的に、2015シーズンまでの主力選手であった小林選手や高瀬選手(4月末に退団)は割を食う形となりました。
神川監督からフィード能力を買われ大抜擢を受けた畑本選手と久保選手の若手CBコンビでしたが、序盤は直接失点に絡むミスが目立ちました。シーズン終盤になると安定感は多少増しましたが、相手のプレスに耐えられずにピンチを迎える場面は毎試合「お約束」のようによく見られた光景でした。CBに関しては、もう一人フィード能力に長けた選手の補強が必要だったのではないでしょうか。畑本選手と久保選手が肉体的、精神的に持ちこたえてくれたから良かったものの、シーズン最初からその2人と心中する覚悟だったのは、危険すぎる賭けだった気がします。昨季の編成面での反省点の一つではないでしょうか。
1対1の守備に難がある安楽選手を、当初は(第1節、第2節で先発)左SBとして起用しましたが、うまくハマらず安楽選手は体調を崩しチームを長期離脱。しかし7月に復活。シーズン後半から左SHとして出場した安楽選手は、持ち前のスピードを活かし水を得た魚のような活躍を見せてくれました。
安楽選手が左SHで固定されてからのチームは、攻撃の質が明らかに変わったと思います。
2016シーズンのグルージャのキーマンを1人だけ上げるとすれば、私は谷口選手を選びます。
谷口選手のチーム内での重要性は、谷口選手の不在時に良くわかりました。今季のグルージャは、谷口選手不在時はボールの溜めどころが無くなり、攻撃が単調になってしまいました。相手DFへのプレスも含めて、谷口選手ほど得点以外でも働けるCFの選手の存在は非常に貴重です。しかも2016シーズンは8ゴール、4アシストと、しっかりとした数字も残してくれました。
私はいわて国体の試合は見ておりませんが、谷口選手の不在がいわて国体不振の原因の一つだったと考えています。
<続く>