グルージャ盛岡 2017シーズンプレビュー
シーズンプレビューというか、2017シーズンのここまでのまとめです。まずは現時点での選手一覧とフォーメーション予想から。
2017シーズン契約選手
現時点の選手数は23名の少数精鋭。と言うと聞こえは良いですが、紅白戦開催が危うい人数です。経費削減の意味合いもあるのでしょうか。タイミングが合えば、あと2人位は獲るとは思いますが…。
牛之濱選手と石井選手以外の2016シーズン主力組は全て残留し(うち垣根選手はレンタルから完全移籍に移行)、若手6名が新加入した格好。主力組がもっと抜ける可能性も想定していたので、個人的には「まあまあかな」といった印象の補強内容です。
尚、上記のフォーメーションは4-4-2と仮定して、2016シーズンを参考に勝手にハメてみましたが、信憑性はありません。
菊池利三監督
続いて菊池新監督についてのおさらい。今更、岩手県民のサッカーフリークには説明の必要はないと思いますが、一応…。
菊池利三氏は遠野市出身の元選手。主なポジションはSBやSHでした。Jリーグでは何度か移籍していますが、ヴェルディでの在籍期間が最も長く、ヴェルディ在籍時の1996年にはU-23代表にも選ばれた実力の持ち主でした。因みに元日本代表GKで、現川崎フロンターレコーチの菊池新吉氏は実兄。
2002年に現役選手を引退した後は、ヴェルディサッカースクール岩手で、指導者の道に進みました。ヴェルディS.S岩手ではU-18、U-15の監督、コーチを務め、現在ではヴェルディS.S岩手の代表になっています。
2012年にJFA公認S級ライセンスを取得しているので、ここ数年はプロの指導者になるタイミングをうかがっていたものと思われ、故郷のJリーグクラブであるグルージャからの監督就任オファーは、菊池監督にとっては「願ったり叶ったり」だったのでは無いでしょうか。
2017シーズンのグルージャスタイル
これまでの菊池監督の指導歴はユース、ジュニアのみで、J3のグルージャにおいて菊池監督がどのようなサッカーを見せてくれるのかは、ベールに包まれています。
しかし、髙﨑ヘッドコーチ他コーチ陣が全て留任したことと、最近の中村取締役、菊池監督の発言(下記参照)から考えて、2016シーズンに神川前監督の下で見せたパスサッカーを踏襲したスタイルを貫いた上で、守備のテコ入れをしてくるものと思われます。2016シーズンの主力選手の殆どが残ったことは、昨季のサッカーを踏襲する上で好材料でしょう。
12月18日のサポーターズカンファレンスでの中村取締役のコメント。
中村取締役:・・・(略)ただ、攻撃的なサッカーということに特化しすぎたという事実もあります。守備に関しては補強、菊池新監督の求めているサッカーというのが「守備」から「攻撃」への切り替えのスピードを速くするものなので、守備の改善に向けて取り組んでいきます。菊池氏を招聘したのも守備の立て直しというのも理由の一つでございます。
中村取締役:・・・(略)グルージャ盛岡は「ハードワーク」「チャレンジ精神」「フェアプレー」という3つに基づきチームを作っております。これまでグルージャを指揮してきた監督の想い、サッカーに対する戦術、選手たちに対するアプローチなど、今シーズン続けてきた攻撃的なサッカーは継続していきたいと思います。そのなかで菊池新監督の求めている守備をしっかり構築していく上での攻撃というのを本人とも話しながら確認しました。攻撃的な姿勢というのはブレずに貫く。守備の徹底を図ったうえでの攻撃というのを目指していきたいと思います。
1月11日の記者会見での菊池監督のコメント。
―今までのどの経験を活かせると思うか。
菊池監督:私自身の経験としては選手としての経験、あとは色々なチームでプレーしましたので、色々な監督と出会うことができました。ヴィッセル神戸で監督をされているネルシーニョ監督は特に心に残っていますね。選手としてもそうですが、監督としても尊敬しています。そういった多くの監督のもとでプレーした経験をクラブに還元できればと思います。
―昨シーズンのチーム得点王の牛之濵選手が移籍したが、穴埋めはどう考えているか。
菊池監督:攻撃というのは相手からボールを奪う「守備」からスタートすると思いますので、まずは守備を構築したいと思います。ただ、昨シーズンの相手ゴール前への進入回数というのはリーグトップクラスだったので、あとはペナルティエリア内での精度、質といったところを求めていけば成果を挙げられると思いますし、誰が何点取るかはっきり申し上げられませんが、頼もしい選手たちも加入してくれましたので、10点くらい取る選手がいたら助かりますね。(笑)
―昨年、一昨年とグルージャはスタートダッシュが上手くいかなかった。これから開幕までの期間でどういう準備をするか。
菊池監督:毎年、シーズン前は東北地方全般で言えるのですが降雪の時期ですので体育館での練習が多いのですが、今シーズンはできるだけグラウンドを使用できる地域でトレーニングをして体育館でのトレーニングを減らせるよう調整しています。クラブには負担を掛けてしまいますが、そういった意味で開幕までに例年より良い準備をできればと思います。プレー面においては例年どのクラブもそうだとは思いますが、シーズン前というのは一年走りきる体力を付ける為に走り込みをしています。確かに体力は落ちているとは思いますが、最初からいきなり行なうのではなく、ボールを使用したトレーニングを増やし、徐々に負荷を上げていって開幕に照準を合わせていきたいと思います。
2017シーズンの課題
昨季からグルージャを追いかけている方には分かり切ったことと思いますが、当面のグルージャの課題は、
- 昨季47失点(J3下から2番目の多さ)した守備の立て直し
- 牛之濱選手が抜けた攻撃の穴埋め
にあると思います。口で言うほど簡単では無いミッションなので、昨季のグルージャの良さを殺さずに菊池新監督がどんな手を打ってくるのか、に注目です。また私は、新加入の金選手と福田選手には大いに期待しています。
2月には一関市、いわき市、長柄町でのキャンプが始まりますが、菊池新監督の下のグルージャにとって、実り多きキャンプになることを願っております。
私もリーグ開幕までのどこかのタイミングで、今シーズンの生のグルージャの姿を拝んでおきたいと思います。