グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第28節 カターレ富山 vs グルージャ盛岡

 22日、グルージャはJ3第28節、アウェイでのカターレ富山戦において、今季のベストゲームと言える素晴らしい内容でスコア2-0の勝利を収めました。

 

公式結果f:id:zenbuddhist:20171022162057j:plain

 

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フォーメーション

 先発メンバーは両チームとも前節と同じですが、カターレのSHが前節とは左右逆の位置になっていました。

 グルージャのベンチには怪我で離脱していた富山県出身の井上選手が久々のベンチ入り。

 

試合内容

 7分、北井選手の右サイド奥からのクロスは佐々木陽選手、平繁選手には合わず土井選手キャッチ。

 10分、グルージャ陣内の右サイドで、佐藤選手が蹴ったFKは直接ゴールに向かいましたが、土井選手がジャンプしてファインセーブ。

 11分、左サイドからの山形選手のCKはショートコーナーとなり、クロスにファーで登崎選手が頭を合わせに行きましたがボールには触れず。

 14分、右サイドの佐々木選手から佐藤選手へパス。もう一度佐々木選手に戻してクロス。北井選手がファーに飛び込みますがボールは枠に飛ばず。

 15分、谷村選手がドリブルからミドルシュート。濡れたピッチにワンバウンドする難しいボールでしたが、GK永井選手がセーブ。

 15分、左サイド裏にスルーパスが出ると佐々木陽選手が拾って、ペナ中央に走り込んだ平繁選手にパスを出しますが、福田選手がカットし土井選手が大きくクリア。

 31分、カターレ陣内ペナ前での奪い合いから谷村選手がミドルシュートするも相手選手がブロック。

 35分、右サイドの谷村選手が中央の菅本選手にパス。菅本選手はワンタッチで梅内選手に渡し、梅内選手が相手DFの間を抜くシュート。しかしボールはゴール枠外左に逸れました。

 45分、平繁選手のクロスのこぼれを北井選手がミドルシュートしますが、福田選手がブロック。

 45+2分、右サイドのスローインから、平繁選手がペナ内でシュートを試みますが、福田選手に体を寄せられシュート出来ず。

 前半は0-0で終了。

 

 後半開始。49分、佐々木陽選手が左サイド裏へスルーパス。苔口選手が追いつきペナ内でシュートするも、福田選手がスライディングしブロック。こぼれを佐々木陽選手がシュートしますがミートせず、ボールは右サイドタッチラインへ。定石通りに3バックのサイド裏のスペースを使われたグルージャのピンチでしたが、福田選手の素晴らしいカバーリング

 50分、左サイド奥で鈴木選手からボールを奪った佐々木陽選手がクロス。平繁選手が飛び込みましたがボールに触れず。

 52分、自陣ペナ前でボールを奪ったカターレがカウンター。窪田選手から苔口選手にスルーパスが通るとペナ内右でシュート。ボールは土井選手の手に弾かれましたが、勢いが勝りゴールに向かってしまいます。しかしこれを頭で掻き出したのは畑本選手。こぼれ球は守田選手が大きくクリア。グルージャの危機一髪の場面でしたが、GK、DF陣が集中力の高さを見せてくれました。と同時にこの場面がこの試合の分岐点でもありました。

 53分、谷村選手がペナ前中央からミドルシュートするも、平出選手がブロック。

 53分、ペナ内での谷口選手と菅本選手のパス交換から中央に戻して谷村選手が再びシュート。これも相手DFにブロックされますがボールは高く上がり、ペナ内右に落ちたところを鈴木選手が直接浮き球で中央に戻すと、ワンバウンドしたボールに谷口選手が右足を振り抜きシュート。ボールはGK永井選手の手に当たるもゴール内左に吸い込まれました。素晴らしいゴール。1-0。

 57分、右サイドの谷村選手からペナ内右にスルーパス。谷口選手が収め、空いた中央のスペースにボールを戻すと、後ろから飛び込んできた垣根選手がドリブルから、ブロックにきたGK永井選手の上を抜くループ気味のシュート。ボールは見事にゴールに収まりました。2-0。

 59分、左サイドの佐々木陽選手から苔口選手へスルーパス。苔口選手はペナ内からクロス。山形選手が中央に戻して衞藤選手がミドルシュートするも差波選手がブロック。こぼれを拾った梅内選手が右サイドの谷村選手へパス。谷村選手は中央で相手CBと並んでいた谷口選手へパス。谷口選手は素晴らしいトラップで収めゴールに向かうと、たまらず登崎選手が手を使って谷口選手を引き倒してしまいました。主審は決定機阻止のレッドカードを出し、登崎選手が退場。登崎選手にとっては少し厳しい判定だったか…。しかし梅内選手→谷村選手→谷口選手の質の高いパス交換が生んだ決定機でした。

 61分、差波選手のFKは直接ゴールを狙ったものでしたが、枠には飛ばず。

 67分、カターレのFKのこぼれを拾った差波選手が右サイドDF裏へロングパス。ボールに追いついた梅内選手がクロスを入れましたが、一旦DFに弾かれました。こぼれを鈴木選手がミドルシュートするも窪田選手がブロック。拾った垣根選手から差波選手にボールが渡ると、差波選手は浮き球でDF裏に落ちるパス。谷口選手がボレーシュートを試みましたが、枠には飛ばず。

 70分、途中出場の安楽選手が左サイド奥でドリブルを仕掛けペナ内でのシュートチャンスを掴みかけますが、抜かれそうになった平出選手がペナ手前で引き倒してイエローカード

 71分、ペナ左からの差波選手のFKは永井選手がパンチでクリア。

 73分、椎名選手とのワンツーから山形選手が右サイドでドリブルを仕掛けると、抜かれた菅本選手がペナ手前で手を使って倒してイエローカード

 74分、佐藤選手のFKはゴールに直接飛ぶワンバウンドの難しいボールでしたが、土井選手がファインセーブ。こぼれ球を衞藤選手がシュートしますがミートせずに土井選手がキャッチ。

 76分、安楽選手が右サイドをドリブルで上がってクロスを入れるも味方に合わず。

 77分、垣根選手が相手のクリアボールをそのままミドルシュートするも、衛藤選手がクリア。

 79分、差波選手の右サイドのCKに、ニアで谷口選手が頭で合わせますが枠に飛ばず。

 79分、菅本選手が左サイドでのドリブルからミドルシュートするも山形選手がブロック。こぼれを右サイドで安楽選手が落として鈴木選手がミドルシュート。しかしボールはゴール枠外左へ。

 80分、スローインからの速攻で梅内選手がペナ前でGKと1対1になりかけましたが、ハン選手のスライディングでシュートをミートさせられず、GK永井選手がキャッチ。

 81分、谷口選手からボールを受けた安楽選手が左サイドをドリブルであがり、中央を上がってきた梅内選手にパスしますが合わず。

 83分、差波選手の右サイドのCKのこぼれを守田選手がミドルシュートしますが枠に飛ばず。

  87分、苔口選手から右サイド裏へのパス。佐々木陽選手が収めてドリブルからペナ内でシュート。しかし土井選手がファインセーブ。

 88分、佐藤選手の右サイドのCKは畑本選手がクリア。

 90+1分、梅内選手から左サイドをオーバーラップしてきた菅本選手にパス。菅本選手はペナ内からシュートを打ちましたがゴール左枠外。

 90+1分、ペナ前中央からの安楽選手のミドルシュートはミートせず、永井選手がキャッチ。

 90+2分、佐々木陽選手がペナ付近での椎名選手とのワンツーで突破を試みますが、菅本選手が体を入れてクリア。

 90+3分、國吉選手の右サイドのCKのこぼれを平出選手がシュートしますが、グルージャ選手がクリア。

 90+3分、國吉選手の右サイドのCKをファーで佐々木陽選手がヘディングシュートしましたが、金選手が足でナイスブロック。平出選手がこぼれに反応しましたが、枠には飛ばず。

 試合終了。2-0でカターレ富山から大勝利。 

 

選手の評価

 

 全てのグルージャの選手が素晴らしかったと思いますが、誰かひとりMOMを選ぶなら、2点目を決めた垣根選手でしょうか。垣根選手については前節のFC琉球戦、自分で仕掛けられる絶好機に梅内選手へのパスを選択してチャンスを潰した場面があり、個人的には不満に思っていたので、この日の垣根選手の得点は特に嬉しいシーンでした。

 

 

 先制点の谷口選手のゴールも素晴らしいものでしたが、あの53分の先制点の流れを生んだのは、52分の土井選手、畑本選手が見せた素晴らしい守備だったと思います。

 土井選手、畑本選手以外の選手たちも最後の一線は許さない集中した守備を見せてくれました。どの選手も格上のカターレの選手相手に球際では負けておらず、試合を通したハードワークを完遂させました。

 また1分足らずの途中出場でしたが、富山出身の井上選手が約2か月ぶりにこの試合で公式戦復帰出来たことは、サポーターにとっては嬉しいシーンでした。

 

総評

 

 チームとしてレベルの高い試合が出来た、ということでは今季グルージャのベストゲームと言って差し支えない内容だったと思います。しかもその相手がJ2昇格を争っているカターレ富山だったことも、この勝利の価値を高くしています。現地で観戦出来なかったことが悔やまれます。

 風雨でスリッピーなコンディションの中、どちらのチームに試合が傾くか微妙な展開の神経戦を耐え続け、チャンスを決めきったグルージャの選手たちのことは賞賛しなければならないでしょう。

 天候の影響もあったのでしょうが、グルージャにDFの裏へボールを入れられることを恐れたのか、カターレは前回の対戦ほどのプレスを見せることは出来ませんでした。

 パス総数は少ないものの相手のプレスが弱いと見るや、細かく繋ぐグルージャのパスワークは健在。得点は2つとも流れの中から相手を崩し切った、チーム戦術が見事に機能したものでした。

 今季第1節から(厳密には開幕前のいわきFCとのTRMから)グルージャを定点観測してきた私にとっては、「第28節にしてようやくここまで来たのか…」と感慨深い試合でした。

 

 今季は残り5試合(うちホーム戦は2試合)。現時点でのグルージャのJ3順位は17チーム中14位。昇格も降格も個人タイトルも関係ないグルージャにとって、モチベーションを見出しにくい微妙な位置なのかもしれません。

 しかしこの日のカターレ戦で今季最高地点に到達したように、残りの試合で更なる高みに到達できるよう、グルージャには全力で戦い抜いて欲しいです。最終節でグルージャ史上最高のグルージャが見られることを期待しています。