マッチレビュー J3リーグ第33節 グルージャ盛岡 vs セレッソ大阪U-23
11月26日に行われたJ3ホーム最終戦、セレッソ大阪U-23との試合はスコア2-3での敗戦となり、冷たい小雨が降るいわスタに集まったサポーターに勝利を届けることは出来ませんでした。
公式結果
フォーメーション
グルージャは前節に続きこの試合も畑本選手が欠場(怪我のようです)で、CBには今季初先発の田中選手を起用。左SB八角選手、右SB守田選手、左SHに今季初先発の井上選手の4-4-2。
試合内容
6分、右サイドの谷村選手から中に入ってきた守田選手にパス。守田選手はそのままドリブルでペナ前中央まで近づき、左サイドの井上選手にパス。井上選手はグラウンダーのシュートを放ちましたがGKアン選手がキャッチ。
7分、左サイドの温井選手から左サイドの裏へ落ちるパス。山田選手が収めてそのままドリブルからシュート。しかしGK土井選手がキャッチ。
10分、右サイド斧澤選手のクロスに山根選手がファーで飛び込みましたが、左足にはミート出来ず。
15分、右サイド奥から山田選手が斧澤選手に戻し、更に西本選手へパス。西本選手のミドルシュートは枠を捉えず。
18分、右サイドの谷村選手がペナ前中央に上がってきた垣根選手にパス。垣根選手が良いシュートを打ちましたが、アン選手がジャンプしてセーブ。
19分、左サイドからの差波選手のCKにニアで福田選手が頭を合わせましたが、枠に飛ばず。
20分、クロスのこぼれを拾った垣根選手が左サイドの谷村選手へパス。谷村選手はドリブルで中央に運びそのままミドルシュート。ゴール枠内左の良いコースに入りましたがアン選手がセーブ。
25分、相手のパスをペナ前で奪った谷口選手がシュートを放ちますが、森下選手がブロック。
25分、左サイドからの差波選手のCKにファーで福田選手が頭を合わせましたが、ミート出来ず。
27分、アクシデント発生。グルージャ陣内で井上選手と沖野選手の足が交錯。井上選手が足を痛めて立てずにタンカで退場。
34分、グルージャ選手交代。井上選手は戻れず森選手と交代。森選手が左SBに入り八角選手が左SHに上がりました。
37分、守田選手が右サイドの奥からクロス。ファーで八角選手が胸で落として後ろから来た垣根選手がシュート。これは相手選手にブロックされますが、相手のクリアを拾った森選手がミドルシュート。ゴール枠内右隅への素晴らしいシュートでしたが、アン選手がビッグセーブ。
41分、左サイドに流れていた谷村選手からペナ前中央の谷口選手にパスが入り、谷口選手はすぐに右サイドペナ内でフリーとなっていた守田選手にパス。守田選手がシュートしますがふかしてしまいボールはゴール上枠外へ。
45分、左サイドから八角選手、梅内選手、谷口選手と繋いで、最後はペナ前中央の谷村選手がシュートするもアン選手がキャッチ。
前半は0-0で終了。グルージャが押し気味でチャンスもあったので、どこかで決めきって欲しかった。
後半開始。56分、グルージャ陣内の左サイドからの温井選手のFKは土井選手のパンチングで弾かれますが、右サイドにこぼれたところを喜田選手がクロス。このこぼれを米澤選手がシュート。DFに当たりコースが変わり枠内左にゴール。0-1。
63分、グルージャのパスをカットした喜田選手がペナ前で米澤選手にパス。米澤選手がミドルシュートを放ちますが、土井選手がセーブ。
66分、左サイド奥でボールを奪った森選手がペナ内で谷口選手にパス。谷口選手がシュートを打ちましたが、ボールは右に曲がりゴール枠外へ。
70分、ペナ内で森選手と西本選手がボールを取り合い、西本選手が体を入れた際のタックルで森選手を倒しPKの判定。スロー映像で見る限り正当なタックルに見えるので、PKは厳しい判定。グルージャにとってはラッキー。PKは谷口選手がきっちり決めて1-1。
73分、差波選手が左サイドをドリブルで上がりクロス。飛び込んだ谷口選手は届きませんでしたが、右に流れたところにヤン選手が入ってシュート。しかし温井選手がブロック。
76分、右サイドの沖野選手のクロスに山田選手がヘディングシュートするも枠を捉えず。
77分、グルージャ陣内左サイドからの温井選手のFKを、ファーで小林選手が頭で戻し、中央に入ってきた森下選手がヘディングシュートでゴール。グルージャが高さで完敗した失点。1-2。
85分、右サイドの温井選手のCKに米澤選手がニアでヒールですらして、中央から小林選手がシュートしゴール。1-3。
87分、差波選手の鋭いミドルシュートはアン選手がセーブ。
90+5分、右サイドの守田選手からのクロスをファーで谷村選手が中央に落としますが、相手DFがクリア。しかしこぼれを左サイドで守田選手が左足でシュート。ボールはゴール右隅に決まりゴール。2-3。
試合終了。2-3で負け。
選手の評価
MOMはグルージャのチャンスを安定したセービングで跳ね返し続けたアン選手。先制点がグルージャに入れば全く違う展開になっていたことでしょう。
セレッソの得点は全てセットプレーからでしたが、キッカー温井選手の正確なキックも光りました。
グルージャの選手では谷村選手が好調を維持しチャンスに絡んでいるのですが、なかなかゴールやアシストに繋がりません。最終戦に期待しましょう。
グルージャとの契約満了が発表されている守田選手の今季2点目となるゴールには、多少気持ちが救われました。41分の大きなチャンスを外した時はがっかりしましたが、最後の最後で意地の一発が出ました。グルージャ以外のクラブとの来季以降の契約に向けて、良いアピールになったのではないでしょうか。
守田選手同様、契約満了が発表されている井上選手にとっては、痛すぎる怪我での途中交代になってしまいました。痛がり方から復帰には時間がかかりそうな感じ。恐らく現役続行の意思はあるでしょうから、めげずに治療に専念し復帰を目指して欲しいです。
田中選手は初先発でのC B の役目は無難にこなしたと言えますが、セットプレーからの3失点は一定の責任は免れず、苦い初先発になりました。
ヤン選手はこの試合がJリーグデビューとなりましたが、73分のシュート以外は見せ場のないまま試合終了。守備面での連携も不安定で、ここまで公式戦出場出来なかったのも仕方ないかという印象。
総評
この試合もグルージャにチャンスはかなりあったので、使い古された「決定力が…」の話になってしまいます。ラッキーなPKでの得点もあった訳ですから、完敗とは言えるでしょう。
失点は全てセットプレーから。田中選手も初先発としてはそれなりにこなしていましたが、やはり畑本選手の不在は大きな影響があったのだと思います。
この試合に関しては、菊池監督の選手起用に煮え切らないものを感じたのは私だけではないでしょう。
畑本選手、久保選手が怪我で不在のため、田中選手をCB起用したことは理解出来ます。スタメンで出場し続けている守田選手が鈴木選手を差し置いて、右SB先発するのも良いでしょう。しかし左SH先発は井上選手でなく、菅本選手だったのではないでしょうか。
試合途中で井上選手が怪我で退場し、森選手が左SBとして途中出場しました。この交代は守備的に大事にいく交代という意味では「まあ、ありかな」とも思いました。しかし54分の八角選手からヤン選手の交代には…。この試合を勝ちに行くなら、ここで前節ゴールを決めている菅本選手でしょう。
ヤン選手とのレンタル契約に大人の事情があったのかもしれませんし、外の人間が一概に否定出来ることでもないのですが、ホーム最終戦だというのに捨て試合的な印象になってしまったのは非常に残念です。
この日の救いは守田選手が意地の「サヨナラゴール」を決めてくれたこと、雨の降るいわスタに1,000人以上の観客が集まってくれたことでした。
これでいわスタでの公式戦は全て終了。残すは12月3日のアウェイでの福島ユナイテッドFC戦のみ。苦い思い出が多かった今季のグルージャ。最終戦くらい勝って笑って終わりたいですね。期待しましょう。