グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

2018シーズン グルージャ盛岡 新加入選手【FW編】

 本日はグルージャの2018シーズン新体制発表会がイオンモール盛岡で開催されます。新ユニフォームのお披露目や背番号発表が楽しみですね。個人的には谷口堅三選手がつけていた背番号『11』を誰が引き継ぐのかに注目しています。

 今回の新加入選手紹介は、その背番号『11』を引き継ぐ可能性のある選手の紹介となるFW編です。

 

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高柳昂平

 

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 FWの1人目は新加入選手の中で最も早く加入が発表された高柳昂平選手。

 高柳選手は愛知県出身。地元クラブでサッカーを始め、高校は愛知県の名門、名東高校に進学。高校では3年次の2012年には全国高校総体の1回戦に出場し、1得点を上げています(チームは1回戦敗退)。

 2013年に関東大学リーグ1部の強豪校である筑波大学に進学。2年次の2014シーズンから出場機会が増え主力選手となっていくかと思いきや…2014年5月以降、大学卒業まで関東1部リーグ戦、全日本選手権総理大臣杯などでの先発出場は無く途中出場のみ。大学4年間で主力選手と呼べるほどの活躍は出来ませんでした。しかし大学4年次にはキャプテンとしてチームを率い、筑波大学全日本選手権(インカレ)優勝、関東1部リーグ2位に導いています。

 

 上の記事からは高柳選手の責任感が強い真面目な性格が伝わってきます。筑波大学は高柳選手の卒業後の2017シーズンの関東1部リーグを勝利数、勝ち点で歴代最高をマークする圧倒的な強さで優勝していますが、高柳選手はその礎を築いたキャプテンだったと言えるでしょう。

 大学卒業後の2017シーズンには、国内において一際異彩を放つサッカークラブである福島県社会人リーグに所属していたいわきFCに加入。いわきFCでは主力CFとして活躍。リーグ戦6試合に出場し『20得点』を上げリーグ得点王に。3回戦まで進出していわきFC旋風を巻き起こした天皇杯でも、3得点を上げています。

 そして昨年12月に、高柳選手のいわきFCからグルージャへの完全移籍が発表されました。

 

 昨季リーグ6試合で20得点は凄い成績ですが、福島県リーグではいわきFCの実力が著しく突出していたので、この数字自体はあまり参考にはならないでしょう。しかも高柳選手はJリーグのチーム若しくはそれに準ずる強さのチーム(天皇杯2回戦のvsコンサドーレ札幌、3回戦のvs清水エスパルス全国社会人選手権2回戦のvsアミティエSC京都)からは得点を上げていないことからも、高柳選手への過剰な期待は禁物と考えています。

 ところで私は2017シーズン開幕前のグルージャのトレーニングマッチで、高柳選手のプレーを見ています(上の写真はその際のもの)。この試合では高柳選手はCFとして出場しグルージャから得点も上げています。とにかくヘディングが強い選手だったことは印象に残っています。

 このオフでグルージャの攻撃の中心であった谷口堅三選手がチームを去りました。CFの谷口選手が前線でボールを収められることは、グルージャ攻撃機会の多さの大きな要因であったため、2018シーズンは誰がその代わりを務めるかが大きな課題になっています。私は高柳選手がその重責を担うことに期待しています。

 所属リーグとしては下位リーグに属するいわきFCですが、練習環境や待遇ではグルージャより現在のいわきFCの方が遥かに恵まれていたはず。それでも高柳選手がグルージャに移籍してきたのは、「『Jリーグ』で試合がしたい、『J3』でチャンスを掴みたい」という想いからでしょう。高柳選手の飽くなき野心がどのような結果を生み出すのか、大いに注目したいと思います。

 

谷口海斗

 

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 谷口海斗選手は三重県紀北町出身。地元クラブでサッカーを始め、2011年に三重県の強豪、四日市中央工業高校に入学。

 四日市中央工業高校は2011年度~2013年度は全国高校選手権への出場他、チームとして輝かしい戦績を収めていますが、谷口選手は3年間チームのレギュラーとして活躍することはありませんでした(因みに四日市中央高校の1学年上には現日本代表の浅野拓磨ハノーファー96)、田村翔太(福島ユナイテッドFC)がいます)。

 谷口選手のサッカーの才能が本格的に開花するのは2014年に岐阜経済大学に入学してから。1年次から主力選手として出場機会を得ると、2年次にはポジションをそれまでのDFからFWに転向。3年次の2016シーズンには東海1部リーグ得点ランキングで5位となる11得点をマークし、岐阜経済大学をリーグ過去最高順位の5位に押し上げました。キャプテンとしてチームを率いた2017シーズンはチームの順位こそ8位でしたが、谷口選手自身は19得点を上げリーグ得点王に輝きました。逆に所属チームが8位であるにも関わらず得点王を獲得したのは、谷口選手の突出した実力を表していると言えます。

 そして昨年末、谷口選手のグルージャ加入が発表されました。岐阜経済大学からは初のJリーガー誕生ということで、かなり盛大に送り出してもらったようですね。

岐経大初のJリーガー誕生 谷口選手J3盛岡へ − 岐阜新聞 Web

 

 谷口選手の実際のプレーは全く確認できていませんが、オフィシャルの紹介ではドリブル、シュート技術の高い典型的なストライカータイプの選手のようです。

 大学リーグ全体のレベルは関東1部、関西1部より若干落ちる東海1部リーグの得点王という谷口選手の成績を、どう評価するかは非常に難しいところ。参考までにこれまでの東海学生1部の得点王のJリーグにおける成績を上げておきます。

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 2016シーズンの東海学生1部のダントツの得点王(31点)だった畑潤基選手が、V・ファーレン長崎で5試合に出場して(先発無し)、得点・アシスト共に0と今一つの成績。2015シーズンの得点王(18点)で2017シーズンに京都サンガF.C.に加入した大野耀平選手は昨季J2リーグ戦8試合に出場し(うち6試合先発)、1得点、2アシストとまずまずのプロ1年目の成績。…何とも微妙ですね…。

 谷口選手のグルージャでのポジションはCF、若しくは3-4-2-1時の2列目になると予想しています。チーム内で競合する選手は梅内選手、今関選手、藤沼選手あたりでしょうか。

 大学1部リーグの得点王がグルージャに加入してくれることは、サポーターとしては嬉しい限り。グルージャに新たな風を起こし、ゴールを量産してくれることを期待しています。

 

宮市剛

 

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 元日本代表でありブンデスリーグ2部のFCザンクトパウリに所属している宮市亮選手の実弟である宮市剛選手。

 宮市選手は愛知県岡崎市出身。中学時代に名古屋グランパスU-15に加入。中学卒業時にはその実力からU-18昇格の打診もあったようですがJクラブユースの道は選ばず、高校サッカーの名門、中京高校に進学。中京高校では1年生からエースとして活躍。1年次の2011年度の全国選手権では3得点を上げる活躍を見せました(チームは3回戦敗退)。

 高校卒業後の2014年に湘南ベルマーレに加入。2014シーズンはJ3に創設されたJリーグU-22選抜チームとJ2のベルマーレの試合を掛け持ちし、公式戦計10試合に出場。

 2015シーズンはJ2の水戸ホーリーホック期限付き移籍ホーリーホックで14試合、J3のU-22選抜チームで3試合に出場。

 2016シーズンはJ3のガイナーレ鳥取期限付き移籍。宮市選手はプロになってからはガイナーレで最も多い出場時間プレーしており、ガイナーレでプロ初得点も上げています。

 2017シーズンは2年ぶりに湘南ベルマーレに復帰。古巣での活躍が期待されましたが、6月にJFLに所属しているMIOびわこ滋賀への移籍が発表されました。しかしびわこでは3試合(うち先発2試合)にしか出場できずシーズン終了。ベルマーレサポーターの間では、宮市選手の2017シーズン限りでの契約満了の噂もささやかれる中、今月にグルージャへの期限付き移籍が発表されました。

 

 経歴を見る限り、鳴り物入りでJリーグ入りしたもののこの4年間は伸び悩み、もがき続けていたようです。怪我が原因だった可能性はありますが、昨季はJFLの下位だったMIOびわこ滋賀でですら3試合にしか出場出来なかったのは、極めて深刻な状況と言えます。

 宮市選手とグルージャは、対戦相手としてJ3公式戦(U-22選抜戦、ガイナーレ鳥取戦)で計3回対戦しているはずなのですが、私はどんな選手だったか全く覚えていません。兄の宮市亮選手はガンガンドリブルで仕掛けていくスピードスター的な選手でしたが、弟の方はどうなのでしょうか。身長185cm、体重71kgと体格には恵まれており、足元もポストプレーも出来る選手との触れ込みなので、一列目を預かる選手として期待したいところですが…。

 宮市選手はまだ22歳。今季大学を卒業してJリーグ入りする選手たちと同じ年齢。若い選手が多くなったグルージャという新しい環境で切磋琢磨して復活の狼煙を上げ、大きく成長した姿でベルマーレに凱旋することを期待しています。

 

藤沼拓夢

 

 

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 FW編の最後は、ここまでの新加入選手の中で最も遅い加入発表となった大宮アルディージャの生え抜き、藤沼選手。

 藤沼選手は埼玉県の出身。大宮アルディージャの下部組織でサッカーを続け、高校進学時には順調にユースチームに昇格。2年次の2014シーズンには主力選手としてアルディージャユースの高円宮杯プリンスリーグ関東優勝とプレミアリーグ参入戦の勝利に貢献しました。

 3年次の2015シーズンには、高円宮杯プレミアリーグEASTの3位、クラブユース選手権の準優勝というアルディージャユース創設以来最高の成績に、チームの中心選手として貢献しました。

 2016シーズンはトップチームに昇格したものの、公式戦の出場機会は無し。

 2017シーズンはルヴァン杯で2試合途中出場した後、天皇杯1回戦で初めてトップチームとして先発出場。しかし7月に栃木SCへの期限付き移籍が発表されました。

 栃木SCでは12試合(うち先発3試合)に出場し、プロ初ゴールも上げました。

 

 

 出場機会は多いとは言えなかったもののそれなりの手応えでプロ2年目の2017シーズンを終え、栃木SCサポーターからもレンタル期間延長の声もありましたが、栃木SCとの期限付き移籍期間を満了しグルージャ期限付き移籍することが、今月発表されました。

 

 この選手のことも2017シーズンのグルージャとの対戦(第20節:8月26日)で見ているはずなのですが、かすかな印象しか残っていません。上の動画での初得点シーンを見ると、裏へ抜け出すスピードと相手DFを吹き飛ばせる強靭な体幹が武器の選手のようです。

 ユース時代は4-3-3のWG、栃木ではCF、SHでプレーしていたようで、グルージャでもCF、SH、3バック時のOHがポジション候補かと思います。途中出場が多かったとは言え、昨季のJ3で2位となった栃木SCでコンスタントに出場は出来ていたので、グルージャでも即戦力として期待出来る選手だと思います。昨季、J3を経験しているというのも好材料でしょう。

 藤沼選手の力でグルージャの決定力を向上させ、チームの順位を押し上げて下さい。藤沼選手の新天地での更なる飛躍に期待しています。