マッチレビュー J3リーグ第1節 ガンバ大阪U-23 vs グルージャ盛岡
11日にパナソニックスタジアム吹田で行われたJ3第1節、ガンバU-23戦においてグルージャは2-3で敗れ、またもリーグ初戦を勝利で飾ることは出来ませんでした。
公式結果
フォーメーション
ガンバは最近のJ1のトップチーム控え選手4人(林選手、西野選手、初瀬選手、泉澤選手)を先発に起用した「ガチ」な先発メンバー。控えにはJ1第1節でいきなり先発デビューしたスーパールーキーの福田湧矢選手まで連れてきてしまいました。フォーメーションは4-4-2でツートップには一美選手と高木選手。
グルージャはフォーメーションは4-4-2で、今季新加入した6人を先発に起用。新鮮な顔ぶれとなりました。尚、山田選手と太田選手はJリーグ初出場初先発(山田選手は大宮在籍時にルヴァン杯で1試合途中出場あり)。
残念ながら稲森選手と嫁阪選手は怪我からコンディションが戻らず、古巣への凱旋はなりませんでした。
試合内容
試合開始。キックオフから高いラインで積極的にガンバにプレスをかけるグルージャ。2分、左サイドでボールを奪った白石選手が右サイド菅本選手へ斜め前のスルーパス。菅本選手のシュートはゴール右へ逸れましたが、グルージャが良い試合の入りを見せます。
4分、相手陣内右サイド奥でスローインを受けた菅本選手が受けてペナ内で梅内選手に折り返し、梅内選手がシュート。GK林選手が何とかブロック。菅本選手が上手いボールの受け方でチャンスを作りました。
5分、白石選手が左サイドからクロス。ファーで藤沼選手がヘディングシュート。ボールはクロスバーに当たり跳ね返りましたが、梅内選手が拾ってゴール右隅にシュート。決まってグルージャが先制点!白石選手の左足のクロス、藤沼選手の相手DFと競りながらのヘッド、梅内選手の胸トラップとシュート、全てが素晴らしい攻撃でした。
7分、福田選手から左サイド裏へロングフィード。拾った梅内選手がドリブルからクロス…と思いきやロビングシュートになりGK林選手の頭上を越えゴール枠内右に吸い込まれていきました。本当に狙ったの…?何とも不思議なゴールでグルージャが2点目。
11分、右サイドからの菅本選手のCKはニアの福田選手の頭を狙いましたが、うまくヒットで出来ず。こぼれはガンバDFがクリア。
13分、中央の山田選手から藤沼選手に縦パスが入ると、一旦、菅本選手に落とし、
菅本選手は左の白石選手へパス。白石選手はそのままシュートしますが林選手がキャッチ。
16分、ペナ前で高木選手が浮かせたボールでDF裏に落とし一美選手に合わせようとしますが、土井選手がキャッチ。
17分、泉澤選手がドリブルからミドルシュートするも土井選手がキャッチ。
19分、藤沼選手が右サイドで潰れながらオーバーラップする太田選手へパス。太田選手はペナ内に侵入しクロスを試みますが、西野選手がクリア。
20分、CKの流れからこぼれを田中舜選手がシュートは相手DFがクリア。
22分、FKのこぼれから右サイド奥で森選手がクロス。しかしファーの選手には合わず。
27分、ガンバ陣内右サイドでのボールの奪い合いから、拾った太田選手が後ろから
来た菅本選手へパス。菅本選手がシュートするもGK林選手がブロック。
28分、CKのこぼれを左サイドから福田選手がクロス。ファーで畑本選手が頭で折り返し田中舜選手がシュート。しかしミートせず、ガンバ選手がクリア。
28分、カウンターから山田選手がミドルシュートを打つもミートせずゴール左に逸れました。
31分、クロスからのこぼれを中央で高選手がボレーシュート。ボールは福田選手に当たって右に逸れました。
36分、山田選手が右サイドから相手DF裏へ蹴ると菅本選手が収め、後ろに落として藤沼選手がシュートしますが、強い弾道にならずGK林選手が正面でキャッチ。
38分相手のパスをインターセプトした菅本選手がそのままドリブルで持ち込みますが、高選手に体を入れられシュートには持ち込めず林選手がキャッチ。
39分、高木選手が左サイドからドリブルでペナ前まで持ち込んでシュートするも、河津選手がブロック。
40分、高江選手が右サイドからクロス。ファーで拾った初瀬選手がシュートするもボールはゴール左に逸れました。
45+1分、泉澤選手がドリブルで中央に切れ込み一美選手にボールを預けるとボールはワンタッチで菅沼選手へ。菅沼選手がDF裏のペナ内ボールを入れると、泉澤選手が走り込み太田選手と交錯して倒れますがファールは無し。
45+2分、左サイド泉澤選手から外側を追い越してきた初瀬選手へスルーパス。折り返して食野選手がシュートするもボールはゴール右に逸れました。相手の動きを予測しておらず、簡単に初瀬選手の裏抜けを許した太田選手の守備は、あわや失点の反省すべきもの。
前半は2-0で終了。前半終了間際にはガンバの良い形が出てきましたが、前半は概ねグルージャペース。グルージャは良い守備からの良い攻撃が出来ていました。梅内選手の得点はゴラッソ。
後半開始。ガンバは泉澤選手に代わりスーパールーキー福田湧矢選手を投入。
47分、森選手のクロスを土井選手がパンチでクリア。こぼれを高選手がシュートしますがボールは大きく枠を外れました。
49分、GKからボールを奪った藤沼選手が右サイドからクロス。ファーで菅本選手がボレーで折り返しましたが決定機にはならずガンバDFクリア。
50分、白石選手が右サイドからドリブルでペナ内に入りクロスを試みますが初瀬選手がクリア。
50分、ショートCKから菅本選手がペナ内からクロス入れるも、ガンバDFクリア。
55分、高江選手から中央の食野選手に縦パスが入り、食野選手がミドルシュートするもゴールの右へ。
58分、左サイドで白石選手がドリブル突破しペナ内からクロスするも菅沼がクリア。
62分、CKの流れから左サイドで田中舜選手のシュート性のクロスはクロスバーに当たり外へ。
64分、山田選手がドリブルから強烈なミドルシュート。ボールは惜しくもゴール左へ逸れました。
66分、遂にガンバが得点。左サイドの森選手のクロスは白石選手がスライディングでブロックしましたが、そのこぼれを食野選手が完璧な胸トラップからのシュートで、枠内左に決めて2-1。
68分、初瀬選手の左サイドからのクロスは土井選手がキャッチ。
69分、ペナ前右から食野選手がシュートするも、ボールはゴールを大きく外れました。
70分、福田湧矢選手のミドルシュートは枠を捉えず。
75分、右サイドから森選手のクロスが入りますが、山田選手が何とか掻き出しました。
79分、左サイドの初瀬選手からのクロスは土井選手がパンチでクリア。しかしこぼれを繋がれて途中出場の妹尾選手がペナ前右からシュート。ボールはゴール左ポストにあたり跳ね返り、拾った一美選手が枠内右に決めて2-2。グルージャは全てが後手後手に回ってしまいました。
81分、左サイド、初瀬選手のパスで裏に抜けた妹尾選手がクロス。山田選手が何とかクリア。グルージャは両サイドともズタズタにされています。
82分、CKのこぼれを拾った森選手がペナ内右からシュートするも、土井選手がブロック。
82分、グルージャは山田選手に代わって江頭選手投入。残り8分になってようやく一人目の交代。尚、江頭選手はJリーグ初出場(大分在籍時、天皇杯1試合途中出場あり)。
83分、左サイドから妹尾選手のクロスに一美選手がシュートを放ちますが、土井選手がスーパーセーブ。こぼれ球をもう一度シュートしますが、またもスーパーセーブ。
87分、ガンバペナ前でのグルージャFK。途中出場の谷村選手が直接狙いましたが、ボールはガンバの選手に当たってGKの手に触れ、ゴール左へ逸れました。
89分、自陣左サイドでボールを奪ったガンバが大きくグルージャDF裏へ蹴り出すと、食野選手が収めドリブルで太田選手をかわして枠内右隅に素晴らしいシュートを放ちゴール。土井選手は逆を突かれて為すすべ無し。太田選手はボールに触れなくてもシュートコースを限定させる守備をしたかったですね。2-3でガンバの勝ち越し。
試合終了。2-3でグルージャ敗戦。
選手の評価
MOMは2得点の食野選手。1点目の正確なトラップからのシュートで試合の流れを変えました。3点目のドリブルからのシュートも確かなスキルを感じさせました。
グルージャで良かったのは、やはり2得点をあげた梅内選手。この調子で得点を重ねていって欲しいです。今季の梅内選手にとって、二桁得点は最低限のハードルです。
Jリーグ初出場初先発の山田選手は、今後の可能性を感じさせるプレーぶり。素晴らしいパス捌きと豊富な運動量で、既にチームの中心になった感があります。
同じくJリーグ初出場初先発だった太田選手にとっては、課題を突き付けられた試合となりました。今後もJリーグでSBとしてプレーしていくには、1対1の守備についてもっと研究する必要があるでしょう。
総評
第三者的には非常に面白い試合でした。グルージャサポーター的には「またかよ…。」の2-0からの悔しい逆転負け(前回の2-0からの逆転負けは2016シーズン第7節の藤枝MYFC戦)。前半と後半で内容が全く逆になってしまったこの試合をどう捉えるか、評価が分かれるところではあるでしょう。
トップチームの2ndGKである林選手、CBにJ1で実績のある菅沼選手、西野選手、左SBに代表招集経験のある初瀬選手などを擁したガンバに対し、2得点をあげたことについて、私は素直に喜んで良いと思います。
繋ぐことに拘るところ、シンプルに長く蹴るところ、グルージャはトレーニングマッチの時に比べるとよく整理されているように感じました。
昨季の負け試合で多く見られた「何がやりたいのか良くわからない」という感じの、サポーターにストレスを溜めさせるような試合では無かったことは、評価したいと思います(ハードル低すぎ?)。
しかし前半の素晴らしい内容に対し、後半は両サイドをガンバにえぐられ過ぎました。あんなに簡単にクロスを入れられては、スキルの高い選手の集まりであるガンバには3失点食らっても仕方ありません。
後半の失速の原因は、よくチーム内で突き詰めて欲しいと思います。前半が飛ばし過ぎなのか、意識が受けに回ったのか、コンディションの問題なのか、無駄走りが多過ぎるのか、選手交代が遅いのか…。ガンバが後半にネジを巻きなおしたこともあるでしょうが、原因はグルージャ側にあるでしょう。
この日の試合は32試合のうちの1試合。まだ挽回の機会は多くあります。今後の試合で若い力が躍動していくことを期待したい思います。
でも勝利はなるべく早く見せて下さいね。