マッチレビュー J3リーグ第9節 FC東京U-23 vs グルージャ盛岡
5月3日に味の素フィールド西が丘にて行われたJ3第9節、FC東京U-23戦をグルージャはスコア0-2で落とし、第8節鹿児島ユナイテッド戦につづく敗戦で2連敗を喫しました。
公式結果
フォーメーション
FC東京U-23のフォーメーションは4-4-2。第7節北九州戦からGK廣末選手、右SBジャキット選手、右SH久保選手、CH平川選手、左SHリッピ選手が変更。
グルージャは前節から左SHを谷村選手から菅本選手に、CHを山田選手から嫁阪選手に、CFを藤沼選手から今季初先発の宮市選手に変更してきました。ベンチには今季初めて安楽選手と益子選手が入りました。
試合内容
2分、ハーフウェイライン近くからグルージャのFK。白石選手のキックに福田選手が頭で合わせましたが廣末選手がキャッチ。
2分、山田選手のロングボールを原選手が収めてペナ内で稲森選手とマッチアップ。ドリブルで仕掛けて際、原選手が倒れますが主審はシミュレーションの判定で原選手にイエローカード。
5分、左サイドで平川選手からパスを受けた久保選手がドリブル突破。ペナ内でクロスを折り返しますが原選手には合わず。
7分、自陣中央でボールを受けた白石選手がドリブルでペナ前まで運び、左サイドの菅本選手へパス。菅本選手のクロスは廣末選手が右手で弾きましたが、こぼれを宮市選手がヘディングシュート。しかしボールはポストに当たって外へ。グルージャにとって非常に惜しいシーン。
10分、右サイドで久保選手にボールが渡るとドリブルで進んで中央の平岡選手にパス。平岡選手がGKと1対1を作りましたが、土井選手が前に詰めて一旦セーブ。こぼれを平川選手が再びシュートしますがこれも土井選手がブロックしました。更に左サイドからリッピ選手と久保選手のワンツーからのシュートは太田選手がクリア。
10分、久保選手の左サイドからのCKにニアで山田選手が頭で流し、ファーで原選手が狙いましたが触れず。
12分、グルージャ陣内での久保選手のFK。貰いなおした久保選手のクロスは一旦跳ね返されますが、こぼれをペナ内左からリッピ選手がシュート。しかし太田選手がブロック。再びリッピ選手が拾ってクロス。ファーで梶山選手が頭で折り返し、中央の原選手が狙いましたが田中舜選手がクリア。
14分、平川選手がドリブルで中央を進み、右サイドを上がってきたジャキット選手にパス。ジャキット選手はペナ内で勝負しますが、田中舜選手がカット。
16分、菅本選手が中央でのドリブルからミドルシュートするも枠を捉えず。
20分、山田選手からの右サイドへのロングボールを右平岡選手が収めて久保選手に折り返し。久保選手はドリブルでペナ内に侵入してシュート。しかし土井選手が正面でキャッチ。
25分、右サイドで梅内選手からDF裏に落とすボールに素早く反応した菅本選手が追い付き、そのままペナ内右からシュート。しかし相手DFに当たってからゴールポストに跳ね返りGK廣末選手がキャッチ。
27分、福田選手からのロングパスを受けた左サイドの田中舜選手が裏へのスルーパス。反応した白石選手がペナ内左からシュートするも、ボールはゴールの右に逸れました。
28分、白石選手が左サイドのドリブル突破からクロスを入れるも廣末選手がキャッチ。
32分、久保選手が中央でのドリブルからシュートするも、ボールは田中憧選手に当たり高く弾んで土井選手がキャッチ。
37分、グルージャ陣内右サイドでの久保選手のFK。直接ゴール左を狙いましたが土井選手がセーブ。
42分、久保選手の左サイドからのCKにファーで山田選手が足を出しますが、うまく合わずに枠外へ。
45分、宮市選手の右サイドからのミドルシュートは枠外。
45+1分、中央の福田選手から右サイドの裏へのパス。太田選手が収めてクロスを入れるも梅内選手には合わず、廣末選手が直接キャッチ。
前半終了。FC東京のペースであるだけに、7分の宮市選手のヘッドは決めたかった。10分の土井選手のビッグセーブはさすがのプレー。
後半開始。49分、品田選手の右サイドからのCKはファーに流れますが、久保選手が拾ってドリブルからシュート。しかしゴール前の梅内選手がクリア。
49分、品田選手の右サイドからのクロスをファーで矢島選手が折り返したボールを嫁阪選手が頭でクリア。そのボールをリッピがオーバーヘッドでシュートしますが、稲森選手がクリア。
57分、太田選手が右サイドのドリブルからペナ前右の梅内選手にパス。梅内選手はターンして左足でシュートするもボールはクロスバーの上へ。
59分、相手陣内中央でボールを奪った梅内選手がドリブルからミドルシュートするも枠を捉えず。
61分、相手陣内右サイドでボールを奪った嫁阪選手が中央の白石選手にパス。ペナ外中央からシュートを打つも山田選手がブロックし、ボールは高く上がって廣末選手がキャッチ。
62分、グルージャ選手交代。梅内選手に代わり安楽選手。安楽選手が左SHに入り、白石選手は右SHに、菅本選手がCFに入りました。安楽選手は今季初出場。
63分、自陣右サイドからジャキット選手がドリブルで上がり、裏へのスルーパス。平岡選手が拾ってクロス。ファーでリッピ選手が収めてシュートする枠外左へ。
65分、右サイドのジャキット選手からのロングパスを素晴らしいトラップで収めた久保選手と田中憧選手がペナ内で接触し、久保選手が倒れますが主審の笛は無し。
66分、品田選手から平岡選手に縦パスが入り、久保選手とのワンツーから平岡選手がGKとの1対1を作ると、追いかけた田中憧選手が平岡選手に手をかけ倒してしまいPK判定。リッピ選手がPKを決めてFC東京が先制。0-1。
68分、菅本選手に代わり谷村選手投入。谷村選手がそのままCFへ入りました。
69分、白石選手が左サイド奥からドリブル突破でペナ内からのシュートを試みますが、コントロールできずボールはラインを割りました。
71分、安楽選手が左サイドをドリブルで上がってクロスを入れると、ボールは直接クロスバーの僅か上を通り抜けました。
73分、嫁阪選手に代わり益子選手投入。益子選手がそのままCHへ入りました。益子選手は今季初出場。
75分、品田選手の左サイドからのCK。中央で平岡選手が足で触ったボールはクロスバーを叩いて跳ね返り福田選手がクリア。
76分、白石選手の左サイドからのCKにニアで稲森選手が合わせますが、高く弾んで廣末選手がキャッチ。
77分、谷村選手から左サイド裏へボール。安楽選手が追い付きクロスを入れるも、相手選手に当たりクリアされました。
83分、左サイド品田選手から裏へのパスに反応した平岡選手がGKと1対1になりかけますが、土井選手が前に出てキャッチ。
83分、福田選手からのロングボールを安楽選手がトラップしますが、山田選手に寄せられてシュートは打てず、廣末選手がキャッチ。
89分、バイタルでの細かいパス回しを経て、品田選手から鋭い縦パスがペナ外中央の矢島選手に入り、そのままペナ内でターンしてシュート。ボールは枠内右に突き刺さりゴール。オフサイドぎりぎりでしたが、品田選手、矢島選手のスキルの高さが見えたプレー。0-2。
90+2分、太田選手が右サイドからのドリブル突破からクロスを試みますが、木村選手がクリア。
90+3分、グルージャのCKのこぼれを拾った山田選手が、そのままドリブルでゴール前まで上がり、ペナ内中央で左から来た矢島選手へパス。しかし田中憧選手が触ったボールは矢島選手に当たって外へ。
試合終了。0-2で完敗。
選手の評価
私が選ぶこの試合のMOMは平岡選手。先制点のPKを呼び込んだ久保選手とのワンツーからの裏抜けはお見事。脚を攣りながらも最後まで走り切り、グルージャ陣内を掻き回しました。
準MOMは矢島選手。2点目の矢島選手のトラップからターンしてシュートまでの流れは、教科書に出てくるような美しいプレーでした。
久保建英選手は16歳にして既に別格、というかここでプレーしていてはいけないレベル。J1でのプレーをもっと見たい、というか海外移籍が待ち遠しいですね。
初先発の宮市選手は全体の出来はそれほど悪くは無かったと思いますが、7分の宮市選手のヘディングが入っていれば全く違う試合展開になったと思われるだけに、非常に残念。
途中出場での今季初出場となった安楽選手と益子選手は微妙な出来。試合展開に影響を与えることは出来ませんでした。
この試合のグルージャの2失点には、GK土井選手の責任は殆ど無かったと思います。前半10分の土井選手のスーパーセーブには救われただけに、攻撃陣にはぜひとも点を取って欲しかったのですが。
総評
またしてもグルージャはU-23の壁を破れず。前半はFC東京ペースながらタイトな守備で我慢していましたが、後半に入ると僅かなほころびをFC東京の選手たちは見逃しませんでした。やはり先制点が無いと、この試合のような結果を招きがちです。返す返すも前半の宮市選手のヘディングが…。
それにしてもグルージャの枠内シュート1本(シュート数は11本)は少なすぎ。今日のFC東京相手ならもっと出来た気がします。
両チームとも4-4-2のミラーゲームだったため余計目立ったのですが、CHは相手の方が質・量とも秀でており、福田選手、嫁阪選手には攻守にもっと頑張って欲しいと思いました。
グルージャはこの試合では球際の激しさは出ていましたが、余計なカードを貰うことが悪い意味で目につきました。主審のジャッジ傾向を序盤で察知し(この日のジャッジはかなり厳しめ)、効率よくファールを行う狡猾さがもっと欲しいところです。
前節得点した藤沼選手、主力CHの山田選手を連れてこなかった菊池監督の選手起用に批判も出そうですが、恐らくこの試合は厳しい日程の連戦に向けたターンオーバーと、怪我明けの選手にチャンスを与える目的があったのだと思います。
具体的には「宮市選手を初先発させる、安楽選手と益子選手を途中出場させる」ことで、「主力選手を休ませると共に、長期的に見た選手層を厚くさせていく」、ということ。
その策が果たしてプラスに出たのかは次節以降を見なければ分りませんが、菊池監督の選択は尊重したいと思います。
中2日ですぐに次節SC相模原戦がやってきます。気持ちを切り替えて、勝利を目指して闘っていきましょう。
グルージャの選手たちの奮起に期待しています。