グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第11節 グルージャ盛岡 vs 藤枝MYFC

 完敗…弁護のしようのない酷い試合。DAZNで見直すのがたいへん苦痛に感じられる試合でした。現地で観戦されたグルージャサポーターの方々には同情します。お疲れ様でした。

 サポーターにとっては辛い試合が今後も続くと予想されます。末永くクラブをサポートするためにも、あまり根を詰めずに応援していくことをお勧めします。

  20日にホームいわスタで行われたJ3第11節、藤枝MYFC戦は0-4でグルージャの完敗に終わり、グルージャのリーグの連敗は「4」となりました。

 

公式結果

f:id:zenbuddhist:20180520200528j:plain

f:id:zenbuddhist:20180520113124j:plain

f:id:zenbuddhist:20180520200548j:plain

 

フォーメーション

  グルージャは前節から大幅に変更。GKをアキレス腱断裂による長期離脱となった土井選手から中島選手に変更。CBを田中憧選手から福田選手に、CHを福田選手・益子選手から小谷選手・河津選手に、CFを宮市選手から高柳選手に変更。小谷選手、高柳選手はJ3デビュー戦。河津選手は怪我を負った第4節鳥取戦以来の出場。中島選手は昨季第21節北九州戦以来の出場。

 

 藤枝MYFCは前節から、CF渡辺選手から谷口堅選手に変更。その他は前節と全く同じスタメン。昨季グルージャに所属していた3選手(谷口堅選手、岩渕選手、垣根選手)は揃って出場。

 

試合内容

 試合開始。 1分、バイタルのルーズボールを跳ね返されたところを垣根選手がミドルシュート。しかしボールは大きくゴール右へ逸れました。

 3分、ペナ前左からのグルージャのFK。谷村選手が直接ゴールを狙いましたが、ボールは僅かにクロスバーの上を通過して外れました。

 5分、岩渕選手の右サイドからのCK。ファーの阿渡選手が頭で合わせてゴール左を狙いましたが、中島選手が飛びついてぎりぎりセーブ。しかしこぼれを左サイドの養父選手がゴール方向に蹴り込むと、ボールは小谷選手?に当たってゴールに吸い込まれました(公式結果はオウンゴールでなく養父選手のゴール)。阿渡選手をフリーにさせた久保選手の大きなミスからの失点。0-1。

  13分、岩渕選手がグルージャ陣内左サイドでボールを奪うと、浅田選手がドリブルでペナ内に侵入。奪いに行った河津選手と交錯し浅田選手が転倒。主審は迷わずPK判定。PKは谷口堅選手が蹴って枠内左に難なく決め、0-2。この試合もジンクス通り、元所属選手に恩返しゴールを決められました。

 19分、左サイドから白石選手、高柳選手、久保選手と渡り右サイドペナ前の太田選手にパスが渡ると、太田選手がドリブルからシュート。しかし浅田選手がブロック。

 21分、グルージャ陣内中央での岩渕選手のFKは右サイドの水野選手にパス。水野選手がクロスを入れるとファーで?選手が頭で中央に落としますが味方選手に合わず中島選手がキャッチ。

 23分、右サイド小牧選手から阿渡選手に戻して阿渡選手がクロス。谷口選手がペナ前中央で胸で受けて右の岩渕選手へパス。岩渕選手の左足のシュートはクロスバーの上へ。

 24分、小谷選手からDF裏を狙ったロングボール。梅内選手が追いかけてGKと1対1になりかけますが、相手選手と競った際のハンドを主審に取られました。

 26分、GK杉本選手からのフィードを谷口堅選手が頭で落とし、右サイドの小牧選手が拾ってグラウンダークロス。大竹選手がファーで右足を振りぬきましたが、ボールは僅かに枠外右へ。

 28分、中盤でボールを奪った谷口選手から右サイドの小牧選手にパス。小牧選手はドリブルでペナ内に侵入してシュートを打つも久保選手がブロック。

 29分、左サイド浅田選手のバイタルへの放り込みを小谷選手が頭で跳ね返しましたが、それを拾った谷口堅選手が思い切ったミドルシュート。ボールはゴール枠内左隅を捉えGK中島選手の手をすり抜けていきました。0-3。

 32分、梅内選手が中央をドリブルで進み左サイドの谷村選手へパス。谷村選手がふわりとしたクロスを入れるとファーで高柳選手がヘディングシュート。ボールはサイドネット外側を触ってゴールならず。

 33分、相手陣内で奪ったボールが谷口選手から岩渕選手に渡り、岩渕選手がドリブルからペナ内で左足シュート。しかしミートせず中島選手が正面でキャッチ。

 36分、右サイド太田選手からのクロスは阿渡選手がクリアし味方選手に合わず。

 41分、藤枝陣内ペナ前右からのFKは谷村選手が左の小谷選手へパス。小谷選手がふわりとしたボールをゴール前に入れますが跳ね返されました。

 42分、左サイドからの白石選手のCKはショートコーナーを選択。ボールを受けた小谷選手がシュート気味のクロスを入れますが、味方選手に合わずボールはゴール右を通過。

 44分、右サイドで久保選手とのボールの奪い合い に勝った小牧選手がドリブルから中央の大竹選手へスルーパス。大竹選手はペナ内でシュートを打たず左の谷口堅選手へパス。谷口選手のシュートは一旦右ゴールポストに阻まれますが、跳ね返ったボールはペナ内左で再び谷口堅選手に渡りシュート。今度は枠内にきっちり収まってゴール。谷口堅選手はこれでJ3で自身初のハットトリック。0-4。

 前半は0-4で終了。面白いように藤枝のプレスが嵌り、ピッチを左右に広く使われて攻撃を受ける展開。点差ももちろんですが、内容が絶望的なだけにサポーターにとってはつらい試合。敗けるにしても次節に望みを繋げられる後半にしたいのですが…。

 

 後半開始。グルージャは後半から久保選手に代わって谷口海選手を投入。左SBが白石選手、左SHが谷口海選手、右SHが梅内選手、トップ下が谷村選手、CFが高柳選手の4-2-3-1に変更?

 46分、小谷選手の右サイドからのクロスはファーの福田選手に合わずラインを割りました。

 52分、谷村選手の右サイドからのFKはニアを狙った低いボールでしたが、梅内選手が収めきれず相手選手がクリア。

 54分、福田選手からのロングボールを右サイドの高柳選手が頭で落とし、更に中央で谷口海選手が頭で擦らすとDF裏で梅内選手がGKと1対1。しかし一瞬、梅内選手がシュートを躊躇した隙に小牧選手が戻ってブロック。

 55分、白石選手の左サイドからのクロスは杉本選手がキャッチ。

 57分、グルージャは谷村選手に代えて山田選手を投入。トップ下に小谷選手が入り、CHが河津選手、山田選手に。

 62分、谷口海選手から右サイドの高柳選手へパス。高柳選手はペナ内で速いクロスを入れますが、養父選手がクリア。

 66分、高柳選手の中央からのミドルシュートはミートせず杉本選手が正面でキャッチ。

 66分、養父選手から杉本選手へのバックパスに谷口海選手がプレス。手を使えない杉本選手は高いボールを足で処理しようとしますが、危険なプレーでファール判定。ペナ内からの間接FKという珍しい状況。小谷選手が触ってから白石選手がシュートしますが相手選手に当たって跳ね返り、拾った谷口海選手のシュートも越智選手がブロック。FKの間にグルージャは太田選手に代わって宮市選手を投入。河津選手が右SBに入ってCHに小谷選手と山田選手、トップ下に谷口海選手、左SHに高柳選手、右SHに梅内選手、CFに宮市選手の4-2-3-1か?

 75分、中央の水野選手からDF裏へスルーパス。受けた浅田選手がGKと1対1。浅田選手が一度切り替えした間でGK中島選手がキャッチ。

 78分、山田選手がドリブルからミドルシュートを打つも杉本選手がキャッチ。

 79分、左サイド白石選手が宮市選手とのワンツーから左サイドを突破してクロス。高柳選手がペナ内中央でヘディングシュートしますが、ミートせずボールはクロスバーの上を通過。

 84分、ペナ前からのFKは白石選手が左に出して山田選手がシュートは相手選手がブロック。こぼれを福田選手が中に入れますが杉本選手がキャッチ。

 88分、福田選手からのボールをワンタッチで高柳選手が後ろに流すと梅内選手が収めてクロスを入れるもコントロールできず大きくラインを割りました。

 90+3分、藤枝陣内の左サイドからのFK。山田選手がペナ内に入れたボールを宮市選手がヘディングシュートしますが杉本選手がキャッチ。

 90+4分、ペナ外左からの谷口海選手のシュートは杉本選手がキャッチ。

 試合終了。藤枝MYFCの完勝、グルージャは全く良いところなく惨敗と言える内容。

 

選手の評価

 MOMはもちろん谷口堅三選手グルージャには、移籍していった選手に恩返しゴールを受けてしまうジンクスがありますが、まさかハットトリックまで食らうとは…。

 堅三選手がグルージャを相手に大活躍を見せ、藤枝の選手やサポーターと共に喜ぶ姿は、グルージャサポーターにとっては非常にせつない感情を抱かせました。

 堅三選手、藤枝MYFCの勝利と自身の初のJ3でのハットトリック、おめでとうございます。藤枝MYFCへの移籍という選択の正しさを証明出来ましたね。今後の更なる活躍を願っています。

 

 準MOMは藤枝のシャドウ、大竹隆人選手。前線でのプレスや中盤に下がっての組み立てなど八面六臂の活躍。本当に素晴らしい選手です。

 藤枝は谷口堅三選手、大竹選手以外も全員が素晴らしい出来。切り替えの早さ、運動量、球際の激しさ、チーム戦術の統一感、全てが素晴らしく今季3敗もしていることが信じられないほどでした。

 岩渕選手のテクニックや、垣根選手の嫌らしい「潰す」ファールも健在。藤枝で活躍出来ているようでなによりです。今後も、藤枝で「上」を目指して頑張って下さい。

 

 グルージャでJ3デビューを飾った3選手(小谷選手、高柳選手、谷口海選手)にとっては苦い試合となりました。それぞれに良いプレーもあったので次戦での活躍に期待しています。

 

総評

 今季ワーストだった第8節鹿児島ユナイテッド戦以上の完敗でした。敗けることは覚悟していましたが、ここまで何も出来ずにボコボコにされるとは…。

 前節相模原戦も完敗と言える試合内容だったことに加え、この試合の先発選手についてはセンターラインの4選手(中島選手、河津選手、小谷選手、高柳選手)が長期ブランク明けでの出場。「すぐにチームとして機能させ、良い結果を出すのは難しいだろうな」とは容易に想像出来ました。まあ、それにしても…。

 

 失点局面については、

  •  1失点目→阿渡選手をフリーでヘディングさせた久保選手のミス。
  •  2失点目→ペナ内で無理な体制から浅田選手に奪いに行き、PKを取られた河津選手のミス。
  •  3失点目→谷口堅三選手のゴラッソ。あの距離であのコースはに打てたのは凄い。ボールに手は届いていたので中島選手にはセーブして欲しかったが、ミスとまでは言えない。
  •  4失点目→危険な位置で安全なプレー選択をせずにボールを奪われ、ピンチを招いた久保選手のミス。

と殆どが選手個人のミスからの失点ではありました。

 試合全体を見るとチームとして球際、切り替えの面でグルージャは明らかに敗けており、面白いように藤枝のプレスが嵌りました。グルージャはプレスを剥がせなければ、もっと裏を取りに行く動きがあっても良いと思いましたが、あまり効果的な攻撃は見せられず。中盤でことごとくボールを奪われ、サイドに広く展開され防戦一方。前半で4点取られて万事休す。

 

 菊池監督もこの展開は予想していたようですが…。以下、公式のコメント。

■相手のプレッシャーがすごく盛岡にとってはめられた状態となっていた。逆に盛岡のプレッシャーはかわされ続けてなかなか良い守備につながらなかった。この違いはどのように考えているか。

(菊池監督):前半見えてきたのは、相手の早いサイドチェンジがかなり意識付けされていたので、そこで後手を踏むシーンがあったと思います。後半はサイドチェンジというよりもセンターバック3枚がフリーになっていたと思うのでそこにプレッシャーをかけるということを行いました。前半のボールが左右に早い展開で動き出されたというところが少しはまらなかったかなと思います。

■守備の際、相手の攻撃陣が逆サイドに1枚展開している中でサイドバックはあまりそちらを視野に入れていないように感じたが、それはあえて中を固めるために捨てているのか、それともそこまで手が回りきれていないのか。

(菊池監督):サイドの選手がそのボールに対してどこまで行くのかということは個人戦術だと思います。今日の場合は、少し遅れていたと思います。誰が、いつ行くのか、という戦術的な部分が上手くいかなかったと思います。相手に中盤を上手くかいくぐられたというか、サイドチェンジを早くというのは意識していたと思いますのでそこでやられてしまったかなと思います。

■細かいパス回しで、選手たちの足元に展開するパスがなかなか前に進めていけてない現状の中で、戦術のオプションを使うことは検討しなかったのか。

(菊池監督):ボールを持っている選手がある程度、プレーの選択肢を持っていたとしても、相手があってのことなので局面局面で思い描くプレーが出来るかというと、そうではありません。選択肢はいくつかあると思いますが、シンプルに「どこを目指すのか」というトレーニングを積んでいて、「ゴールを奪うために何を駆使して向かうのか」というところなので、個人戦術的な部分はあると思いますが、型にはまるようなフォーメーション練習のような形としてはあまりやっていないです。

  上記の試合後の菊池監督のコメントを読むと、どうも選手任せにし過ぎるように思えてなりません。「フォーメーション変更のようなオプション的なやり方は練習していない」という発言は、聞き捨てならない危うい発言であるように感じました。ここまでピッチ内がカオスな状況になっている以上、監督による決め事で整備する必要があると私は思うのですが…。

 

 ホームでの大敗という以上に、先の展望が見えない試合内容がグルージャサポーターにとってはツライものになっています。

 次戦は27日の天皇杯1回戦、流通経済大学戦ですが、この調子だとあまり良い結果は期待出来ないかもしれません。とにかく「次」に期待できるような試合をグルージャには見せて欲しいと思います。