マッチレビュー J3リーグ第31節 Y.S.C.C.横浜 vs グルージャ盛岡
11月11日にアウェイ、三ツ沢公園陸上競技場で行われたJ3第31節Y.S.C.C横浜戦は、逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームとなりましたがグルージャが乱打戦を3-2で制し、今季目標の勝ち点40に望みを繋ぐ貴重な勝ち点「3」を獲得しました。
公式結果
フォーメーション
YS横浜は前節から左SHを仲村選手から北脇選手に変更。他は前節と同じスタメン。
グルージャはアキレス腱断裂により戦線を離脱していたGK土井康平選手を、5月6日のSC相模原戦以来に先発起用。アキレス腱断裂から僅か半年間での公式戦復帰は「奇跡的な復活」と言って良いでしょう。
そして陳選手がシャドーの一角として今季初先発初出場。
チーム内トップスコアラーの谷口選手はベンチスタート。尚、アウェイでは今季初の控え選手7人体制です。
試合内容
試合開始。4分、左サイドの奥田選手がドリブル突破からペナ内左でクロスするも、山田選手がブロック。
6分、左サイドで三沢選手のヒールパスを受けた後藤選手がクロス。しかし味方選手には合わずファーに流れて江頭選手がクリア。
7分、田中舜選手の自陣からのクリア気味のロングボールを中西選手がトラップしたところを藤沼選手がボール奪取してカウンター。そのままペナ内までドリブルで上がってフリーの嫁阪選手にパス。嫁阪選手が難なく流し込みゴール。嫁阪選手のグルージャでの初ゴール。1-0。
8分、左ハーフスペースから奥田選手が中央の辻選手へパス。辻選手が右足を振りぬきますが枠を捉えず。
11分、左サイドの三沢選手のクロスは田中舜選手がクリア。
13分、右サイドの河野選手がドリブルで田中舜選手をかわしてクロスを入れますが、味方選手には合わず土井選手がキャッチ。
16分、YS陣内中央からの小谷選手のFKは、ゴール右に逸れました。
26分、GK浅沼選手のスローを嫁阪選手がカットして左の陳選手にパス。陳選手がシュートしましたがボールは左サイドネット外側へ。
28分、自陣で奪ったボールを藤沼選手がドリブルで単独突破を試みましたが、ペナ内で中西選手に体を入れられてGK浅沼選手がキャッチ。
29分、後藤選手のミドルシュートはクロスバーに当たって外に出ました。
29分、YS横浜の選手交代。大泉選手に代えて西山峻選手を投入。西山選手がそのまま左SBへ。
30分、小谷選手からの中央DF裏へのボールを藤沼選手が収め、左ハーフスペースの陳選手にパス。陳選手が左足でシュートしましたが、浅沼選手が倒れ込んでブロック。こぼれを再び陳選手がシュートするも、ボールは左ポストに弾かれました。これは決めたかった。
31分、右ハーフスペースからの北脇選手のミドルシュートのこぼれを拾った奥田選手が、ドリブルから後藤選手にパス。後藤選手がGKの虚をつくループシュート。しかしボールはゴール左ポストに当たって跳ね返り土井選手がキャッチ。土井選手の体に当たってゴールに入りかけただけに、グルージャにとってはラッキーでした。
39分、左サイドの後藤選手からのクロスがファーにこぼれたところを北脇選手がシュート。しかしボールはクロスバーの上へ。
40分、辻選手のドリブルからのミドルシュートは土井選手がキャッチ。
41分、右サイドの河野選手のクロスのこぼれを奥田選手が拾ってシュートするも、ボールは右サイドネット外側へ。
前半は1-0のグルージャリードで終了。ペースはYSが握っていましたが、グルージャが度々カウンターでチャンスを作る展開。ゴールは嫁阪選手が決めましたが、8割方藤沼選手のものと言って良いゴール。陳選手は26分、30分のチャンス、どちらかは決めたかった。31分の後藤選手のシュートが入らなかったのは実にラッキー。
後半開始。46分、グルージャの選手交代。陳選手に代えて梅内選手投入。梅内選手がそのままシャドーへ。
47分、右サイドの小澤選手からの裏へのロングボールを辻選手が収めてGKと1対1。先に土井選手が触りますがキャッチしきれず、こぼれを辻選手がシュート。しかし土井選手がブロック。
50分、右サイドの後藤選手のクロスは土井選手がキャッチ。
53分、YS陣内中央からの嫁阪選手のFKはクロスバーの上を通過。
56分、左サイドからグルージャDF裏に落ちるロングボールを三沢選手がトラップ。ペナ内でそのボールを収めに行った辻選手を小谷選手が後ろから倒してPK判定。
58分、PKを辻選手が枠内左隅に決めてゴール。1-1。
59分、左サイドのスローインから後藤選手がDF裏へのロングボール。辻選手が裏へ抜け出して収め、ドリブルで福田選手を振り切ってシュート。ボールはゴール右隅に決まりYSが逆転。後藤選手と辻選手の息があった素晴らしいプレーでしたが、グルージャDF陣の油断はあったでしょう。1-2。
62分、左サイドの西山選手のクロスは白石選手がブロック。
64分、グルージャ選手交代。山田選手に代えて谷口選手投入。谷口選手が左WBに入って江頭選手がボランチ?
66分、江頭選手からペナ外中央の嫁阪選手にパスが入り、チャンスになりかけたところで中西選手が倒してFK。
68分、小谷選手がFKを直接ゴール左隅に決めグルージャが同点に追いつきました。嫁阪選手も左足キッカーとして横に控えていたことが良いフェイントになったようです。 尚、グルージャの選手がFKを直接ゴールに入れたのは、2015シーズン第31節AC長野パルセイロ戦で松本圭介選手以来3年ぶり。もちろんDAZNベストゴール入り。2-2。
🏆明治安田 #J3 第31節
— DAZN ダゾーン (@DAZN_JPN) 2018年11月12日
⚽#DAZN週間ベスト5ゴール!
1⃣群馬/風間宏希
2⃣盛岡/小谷光毅
3⃣長野/東浩史
4⃣C大23/中島元彦
5⃣鹿児島/キリノ@kohki_k8@418Osaka
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69分、右サイドの奥田選手のクロスを辻選手がヘディングシュート。しかしボールは僅かに枠の上。
74分、辻選手の中央でのドリブルから左ハーフスペースの西山選手にパス。西山選手のクロスに小沢選手が右足を合わせましたが枠を捉えず。
77分、グルージャの選手交代。田中舜選手に変えて鈴木達也選手投入。鈴木選手が左SBの4バック(嫁阪選手がトップ下の4-2-3-1)?
78分、YSの選手交代。奥田選手に代えて北原選手投入。
82分、左サイドからの嫁阪選手のCKは浅沼選手がパンチでクリア。
83分、中央の嫁阪選手から谷口選手へ縦パス。谷口選手がドリブルで中央を上がりGKと1対1。落ち着きを払って右足インサイドで枠内右隅に流し込み、グルージャ逆転。YSが最終ラインをかなり前に上げていたことで、グルージャはカウンターを発動させやすい状況でしたが、完璧に決めて見せた谷口選手はお見事。3-2。
85分、YSの選手交代。三沢選手に代えてリンジェ選手投入。
86分、左サイドの谷口選手から小谷選手を経由して中央の藤沼選手にボールが入るとドリブルからシュート。しかし中西選手がブロック。
88分、左サイドの辻選手のクロスにニアで頭を合わせた小澤選手とGK土井選手が接触。一瞬はっとする場面でしたが両者とも怪我はなくYSのファールで再開。
90+2分。グルージャ陣内中央からの後藤選手のFKはクロスバーの上を通過。
試合終了。3-2でグルージャが劇的勝利。
選手の評価
MOMは1ゴール1アシストの嫁阪選手。嫁阪選手がこれほどチームにフィットし躍動した試合は今季初めてのことでした。これまでの出場試合と比べると、ポジション取りが非常に良く、攻撃の起点である小谷選手と山田選手の負担を減らせていたように見えました。シーズン終盤でようやく…といった感じですが、残り2試合での更なる活躍に期待しています。
大怪我からの復帰で半年ぶりの先発となった土井康平選手でしたが、試合後の涙には見ているこちらも目頭が熱くなりました。この試合ではクリーンシートとはいきませんでしたが、卒のないプレーでチームに落ち着きを与えました。復帰おめでとうございます。そしてこれからもチームの大黒柱としてよろしくお願いします。
YSの選手の中ではやはり辻選手が圧巻のプレーぶり。ポジション取りが素晴らしく、チャンスを逃さず決め切る力はさすが不動のエースでした。
総評
私はこの試合でのグルージャの守備面での進化に期待していたのですが、正直に言うと守備面で前節から特に変わったところは見られませんでした。
この試合で良かったことは前述の通り今季最高の出来だった嫁阪選手の活躍と、珍しく早めに行った菊池監督の選手交代・システム変更がハマったことでしょう。選手交代時のフォーメーションがはっきりと読み取れませんでしたが、勝ち点3を目指し積極的に前に来たYSに対し、グルージャも攻撃的姿勢を貫いたことが功を奏しました。
攻撃力は素晴らしいものの守備に穴があるYS横浜だったからこその逆転劇だった気もしますが、スペクタクルな試合内容を劇的ゴールで制し、勝ち点「40」に望みを繋げたことが何より嬉しいです。
グルージャの残り2試合は昇格や降格とは関係の無い試合ですが、最高の2018グルージャをサポーターに見せ、目標だった勝ち点40を達成して、今季を終了させてほしいと思います。