グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第2節 FC東京U-23 vs いわてグルージャ盛岡

  16日に行われたJ3リーグ第2節において、グルージャはFC東京U-23からスコア1-0で勝ち点3を奪取。今季2戦目にして初勝利をあげるとともに、FC東京U23からの初勝利及び新生『いわてグルージャ盛岡』としての初勝利ともなりました。 

 

公式結果

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フォーメーション

 FC東京は前節の先発から右SHを小林選手からユ選手に、ボランチをシルバ選手から平川怜選手に、右SBを森田選手からシルバ選手に、左SBをバング―ナガンデ選手から中村選手に、CBを木村選手から丹羽選手に、GKを児玉選手から波多野選手に変更。4-4-2フォーメーションは変わらないものの、大幅な選手の入れ替えを行いました。

 

 グルージャは前節の先発からボランチを石井選手から嫁阪選手に、シャドウを谷口選手から梅内選手に変更。

 

試合内容

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 試合開始。2分、原選手の右ハーフスペースからのミドルシュートは枠外へ。

 3分、東京陣内左サイドからの麦倉選手のFKは、ゴールを直接狙ったものでしたが、左サイドネット外側に逸れました。 

 4分、平川選手から右サイド裏のスペースへロングパス。追い付いたユ選手が折り返すと右ハーフスペースに内田選手が駆け上がりながらシュート。しかし合わせられず、ボールは枠外。

 7分、右サイドからの麦倉選手のCKはファーでシルバ選手がクリア。

 9分、シルバ選手のミドルシュートは枠を捉えず。

 10分、東京陣内でのボールの奪い合いから嫁阪選手がドリブルで抜けてペナ内右で梅内選手に横パス。梅内選手が後ろにはたいて吉田選手が左足でシュート。しかし丹羽選手がスライディングでブロック。

 19分、左サイドの中村選手からDF裏へのロングパス。抜け出した原選手がペナ内でGKと1対1の状況からシュートを打つも、ボールはGK土井選手の正面となりパンチでクリア。

 20分、グルージャ陣内右サイドからの品田選手のFKはニアで菊池選手がクリア。

 22分、ユ選手のミドルシュートは枠を捉えず。

 25分、東京陣内右サイドからの麦倉選手のFKはファーの菊池選手を狙いましたがオフサイド

 27分、左サイドで嫁阪選手のドリブル突破を手で引っ張って阻止した平川怜選手にイエローカード

 31分、左サイドの麦倉選手からのロングパスをファーで廣田選手が折り返そうとしますが、コントロールできずボールは枠を大きく外れラインを割りました。

 33分、ペナ外での木下選手から福田選手へのパスを原選手がカットして左足シュートを打ちましたが、土井選手がキャッチ。

 34分、丹羽選手からのロングボールを右ハーフスペースで原選手が頭で落とし、後ろから来たユ選手が右足を振りぬきシュート。枠内右(ニア)を捉えた素晴らしいシュートでしたが、土井選手がビッグセーブ。尚、このセーブはDAZN週間スーパーセーブに選ばれております。

 

 

 35分、右サイドからの品田選手のCKをニアで岡崎選手が頭で擦らせましたが、ファーで味方選手には合わず。ボールはタッチラインを割りました。

 

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 38分、右サイドのシルバ選手のクロスは土井選手が直接キャッチ。

 40分、東京陣内右サイドからの麦倉選手のFKはファーのシルバ選手の頭に当たりそのままファー側に落ちたところを福田選手がシュート。ボールは中村選手に当たって枠外へ。

 41分、左サイドからの麦倉選手のCKをペナ外中央の廣田選手が直接ボレーシュートするも、丹羽選手がブロック。

 43分、左サイドからの麦倉選手のCKをニアの深井選手がヘディングシュート。ドンぴしゃでゴール左に決めグルージャ先制。深井選手はこれがプロ初ゴール。1-0。

 

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 前半終了。自陣内でのプレーが続きグルージャが凌ぐ嫌な展開の後、前半終了間際のCKからの得点で先制するというグルージャにとっては最高の展開。

 

 後半開始。FC東京はCFをユ選手、右SHを内田選手、右SBを中村選手、左SBを品田選手、ボランチをシルバ選手にするポジション変更。開始早々、左サイドの平川選手からロングパスが出ると、ペナ内でユ選手が収めてシュート。しかし土井選手がナイスセーブ。

 46分、左サイドからの品田選手のCKはニアで菊池選手がクリア。

 47分、左サイドからの品田選手のCKは土井選手がパンチでクリア。こぼれを平川選手がシュートするも、グルージャの選手がブロックしてクリア。 

 49分、右ハーフスペースから梅内選手がDF裏へスルーパス。廣田選手が収めて上げた折り返しをファーで麦倉選手が更にクロス。薮内選手がへディングシュートを試みますが、うまく合わずにGK波多野選手がキャッチ。

 51分、深井選手からDF裏へのロングパス。上手くトラップに成功した菊池選手がミドルシュートするも波多野選手がキャッチ。

 54分、右サイドの中村選手からDF裏へのロングパス。収めた原選手が右サイドの内田選手に開き、内田選手がクロス。吉田選手が戻りながらへディングクリアした『ボールを拾った原選手がペナ内でシュート。しかし土井選手がジャンプして触りクリア。

 54分、右サイドからの品田選手のCKは福田選手がヘディングクリア。

 55分、シルバ選手のミドルシュートは枠を捉えず。

 57分、FC東京の選手交代。ナッタウット選手に代わり小林選手投入。小林選手がそのまま左SHへ。

 60分、左サイドの麦倉選手からのクロスに波多野選手と菊池選手が交錯し、菊池選手のファウルの判定。

 

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 60分、シルバ選手と廣田選手の足が交錯し、シルバ選手にイエローカード

 61分、右サイドからの麦倉選手のCKに中央で木下選手が頭を合わせましたが、ボールはゴール左に逸れました。

 63分、グルージャの選手交代。麦倉選手に代えて米原選手投入。左WBに廣田選手、右WBに米原選手が入りました。

 63分、右サイドでボールを奪った薮内選手がドリブルで上がり菊池選手へパス。菊池選手がペナ内に入ったところで内田選手が後方からタックル。交錯して2人とも倒れますが主審のホイッスルは無し。スローで見ると内田選手はボールには触っていないように見えるので、本来ならグルージャのPKになって良いシーンでしたが…。

 65分、左サイドからの嫁阪選手のCKは、GK波多野選手がパンチで一旦クリア。ペナ内中央で拾った薮内選手が一人躱して左足シュート。しかし東京の選手がヘディングでブロック。これを拾った嫁阪選手が再びクロスを入れ、菊池選手ヘディングシュートしますがボールは枠外左に逸れました

 66分、グルージャの選手交代。菊池選手に代えて平川元選手投入。平川元選手がそのままCFへ。

 68分、内田選手のミドルシュートは土井選手が正面でキャッチ。

 73分、ユ選手のミドルシュートは大きく枠を外れました。

 76分、平川元選手が接触プレーで倒れている間に、グルージャ米原選手と木下選手のポジションチェンジ。米原選手が右CB、木下選手が右WBに。

 77分、丹羽選手からのロングボールのこぼれをペナ外中央で原選手が直接シュート。しかし土井選手が正面でキャッチ。

 81分、東京陣内左サイドからの嫁阪選手のFKは、波多野選手がパンチでクリア。

 82分、東京のカウンター時、ユ選手へ後方からチャージした木下選手にイエローカード

 84分、梅内選手がペナ内右をドリブルから短いクロスを上げましたが、波多野選手がキャッチ。

 86分、東京陣内の嫁阪選手のFKは内田選手がクリア。こぼれを廣田選手がシュートしますが東京の選手がブロック。

 89分、ペナ外左で相手のクリアを拾った小林選手がシュートするも、リフレクションしたボールを土井選手がキャッチ。

 90分、右サイドからの品田選手のCKのこぼれを拾った小林選手がドリブルからクロスを入れるも、廣田選手がスライディングでブロック。

 90分、右サイドからの品田選手のCKをファーでシルバ選手が折り返しましたが、中央で平川元選手と競り合った原選手の手にボールが当たりハンドの判定。交錯して平川選手の手に当たったかに見えたので、グルージャにとってはヒヤリとしたシーン。

 90+1分、グルージャの選手交代。嫁阪選手に代えて江頭選手投入。江頭選手がそのままボランチへ。

 90+2分、グルージャ陣内左サイトからの品田選手のFKは誰も触らずそのままゴールに流れ、土井選手が弾きだしました。ペナ内で米原選手が原選手と交錯して倒れましたがファウルは無し。

 90+3分、右サイドからの品田選手のCKはファーで米原選手がクリア。

 

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 90+3分、左サイドの小林選手のクロスは平川選手がクリア。こぼれを品田選手がミドルシュートしましたが枠を捉えず。

 試合終了。1-0でグルージャの勝利。

 

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選手の評価

 MOMは迷いますが、プロ初ゴールが決勝点となった深井選手。第1節の讃岐戦でも1回惜しいCKからのヘディングがあったので、そのうち麦倉選手のキックからの「ヘディングズドン」は見られるだろうとは思っていましたが、早くも2戦目で見ることが出来ました。

 

 で、MOMを迷ったのは他の候補者も素晴らしかったからでありまして…。

 まずグルージャでの初アシストを記録した麦倉選手。とにかく左足キックの質が高い。得点に結びつかないCK、FKでも「いつかはゴールに繋がるだろう」と確信させてくれる凄味があります。何回もこのブログで書いた気がしますが、今季は麦倉選手のセットプレーからの得点はかなり多くなると断言します。

 

 もう一人の影のMOMは土井選手。34分のユ選手のシュートを防いだシーンのみならず、随所で安定したセービングやフィードを見せ、FC東京に完全にはペースを握らせませんでした。昨季怪我で出場出来なかった分、今季はかなりやってくれそうです。

 

総評

  前半はなかなか相手陣内に攻め込めない時間帯が長かっただけに、本当に効果的なセットプレーからの得点でした。深井選手の周りの相手選手を他のグルージャの選手がスクリーンする動きからも、セットプレーの戦術はかなり仕込まれている様子が伺え、今季のグルージャのセットプレーには期待が持てます。

 

 開幕戦の讃岐戦でも感じましたが、主力の3分の2が入れ替わっても守備の連係が緩くはならず、むしろよりカッチリとしてきたことが目につきました。現在のグルージャはJ3の中でなら、運動量、トランジッション(切り替え)は誇れるレベルにあると個人的には思っています。3年目にしてようやく「菊池監督がグルージャでやりたかったサッカー」というものが見えてきた気がしています。

 

 今後の課題は、流れの中での得点チャンスを増やすことでしょう。63分に見せたサイド攻撃から相手のライン間で受けてペナ内でのシュートまでもっていったような場面を、もっと見せて欲しいと思いました。

 

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 まだ2戦が終了しただけですが、今季のグルージャはここまで順調に進んでいます。更なる前進のためには…、やはりもっと地元の後押しが欲しいですね…。

 

 ここからは試合とは関係ない余談です。

 

 この試合ではFC東京のボランティアの方々が、グルージャのホームスタジアム整備の署名のビラを配っていました。ビラを受け取った際、ボランティアの方へ感謝をお伝えしたかったのですが、情けなさ・恥ずかしさを感じてグルージャサポーターであることは言い出せずじまいでした。

 ホーム戦平均観客数1200人の状況で他所様にスタジアム整備の署名をお願いするおこがましさは、多くのグルージャサポーターが感じていると思います。「順番が違うのでは?」「他所の地域にお願いするのはお門違いでは?」という意見もごもっとも。

 しかしフットボールが地域に与えてくれる可能性を感じてしまった我々は、応援することを止められない。

 「本当にプロリーグで活動するフットボールクラブが地元から消えて良いのですか?」という問いで岩手県民に一石を投じる手段として、署名は有効でしょう。それが根本的な解決には直接繋がらないことは重々承知しています。

 スタジアムがどうなるにせよ、今回の署名活動がグルージャが地域に溶け込んでいくきっかけになってくれることを望みます。