マッチレビュー 天皇杯1回戦 グルージャ盛岡 vs 早稲田大学-みんなでユアスタ行こう!-
28日に岩手県営運動公園陸上競技場で開催された天皇杯1回戦、グルージャ盛岡vs早稲田大学は、4-0でグルージャの勝利という予想外の大勝で終わりました。
私は贔屓目で無く、グルージャが勝てるとは思っていましたが、ここまで大勝してしまうとはびっくりです。これでグルージャは、リーグ戦と天皇杯合わせた公式戦8戦負けなし。グルージャの上昇気流は、リーグ戦中断期間も継続中の模様です。
グルージャは左SBに、今季初出場、初先発の八角選手を起用。昨年度まで早稲田大学に在籍していた八角選手には、非常に感慨深い公式戦デビューとなりました。
最初のチャンスは早稲田。2分、GK土井康選手からのグラウンダーパスがカットされ、相馬選手がドリブルからシュートするも、土井康選手が正面でキャッチ。
グルージャは、いつものショートパス主体のサッカーでは無く、長目のパスで相手DFラインの裏を狙う策で、早稲田の選手たちを戸惑わせることに成功。ペースを掴みます。
6分、右サイド奥で谷口選手が粘ってCKを獲得。安楽選手が蹴ったCKを牛之濱選手が右足で合わせ、グルージャが早くも先制点をあげました。
18分、今来選手がドリブルでペナ内に侵入するも、畑本選手がうまく体を入れてゴールラインを割らせます。
22分、早稲田の波状攻撃。右サイドのスローインから、中山選手がペナ内でシュートするも畑本選手がブロック。
22分、木下選手のクロスのこぼれ球をペナ内で飯泉選手がシュート。またも畑本選手がスライディングでブロック。
しばらく早稲田の攻撃が続きましたが、29分、グルージャらしい速攻で追加点奪取に成功します。中盤でボールを奪った流れから、安楽選手→谷口選手→安楽選手のワンツーで安楽選手がシュート。ボールはGKの横をすり抜け見事にゴール右隅に入りました。これで2-0。
36分、早稲田はグルージャペナ近くの絶好の位置でのFKを獲得しますが、相馬選手のFKはGK土井康選手が正面でキャッチ。
37分、鈴木裕選手が左サイドからドリブルでペナ内へ。飯泉選手に良いパスが通りますが、グルージャDFの寄せにシュートを打てず。
前半は2-0、グルージャのリードで終了。今季は2-0から逆転負けもありましたから、全く安心は出来ません。早稲田もチャンスは作れていますが、クロスやFK、CKの精度が今一つなのと、グルージャの寄せが早く、早稲田攻撃陣はなかなか仕事をさせてもらえません。
50分、益子選手がミドルシュートするも枠を捉えず。
51分、梅内選手、谷口選手と繋ぎ、右から詰めてきた鈴木達選手がシュートするも、ボールはクロスバーの上を通過。
53分、相馬選手が右サイドからクロス、秋山選手が絶好のタイミングで飛び込みますが、シュートは枠を捉えず。因みに試合後のコメントによると、八角選手が相馬選手にクロスを上げさせてしまったこのプレーに対し、神川監督が激怒したそうです。うん、この間合いじゃ怒られても仕方ないな…。
54分、木下選手が左サイドからクロス。飯泉選手が頭で合わせますが、久保選手が競り合いボールは枠外へ。
後半開始からしばらく早稲田のペースでしたが、56分、グルージャの強烈なカウンター攻撃が炸裂します。土井康選手のスローを受けた安楽選手が、自陣から早稲田ペナまでの長い距離をドリブルで運び、そのままチップショット気味のシュート。ボールは見事にゴール左に入りました!これで3-0。安楽選手のスペースを生み出した、梅内選手のおとりの動きも素晴らしかった。安楽選手は、この試合2ゴール1アシストの大爆発です。
64分、グルージャダメ押しの追加点。牛之濱選手のミドルシュートは相手にブロックされますが、こぼれ球を鈴木達選手がダイレクトにヘディングしてゴール前に放り込むと、谷口選手が相手DFと競いながらヘディングシュート。ボールはGKの両手を超え、ゴール右隅ぎりぎりのコースにふわっと入っていきました。ゴラッソ!これで4-0。
67分、安楽選手がドリブルでペナ内に侵入しクロスを蹴りますが、相手DFがブロック。
68分、CKのこぼれ球を久保選手がシュートするも、枠を捉えず。
71分、谷口選手が相手パスをカットし、そのままドリブルで中央突破。相手ペナ前で絶好のチャンスでしたが、後ろから来た梅内選手へのパスはタイミングが合わず。
73分、今来選手がドリブルからペナ内でシュートするも、畑本選手がブロック。
74分、相馬選手が右サイドからクロス。飯泉選手がダイビングヘッドを試みますが、わずかに届かず。
75分、土井康選手のキックのこぼれ球を拾った梅内選手が、ドリブルでペナ前まで運びシュートしますが、枠を捉えず。
76分、左からの木下選手のクロスを飯泉選手が頭で触りますが、ボールは枠内を捉えず。
80分、益子選手が右に大きく開くパス。鈴木達選手が素晴らしい胸トラップからシュートするも枠を捉えず。
86分、左サイドからの木下選手のクロスも、八角選手がヘッドでクリア。
88分、右サイド奥からのスローインに反応した柳下選手がクロスを入れますが、飯泉選手には惜しくも合わず。更にこぼれ球を松岡選手がゴール前に放り込みますが、グルージャDF陣が何とか掻き出します。
89分、早稲田のFK。グルージャペナ前右の絶好の位置でしたが、秋山選手のキックは谷村選手がヘッドでクリア。
90+3分、林選手からのクロスに益子選手がボレーシュートするも、枠を捉えず。
試合終了、4-0でグルージャの勝利。グルージャが2回戦進出です。
ここまで得点差がついた原因は、試合後の神川監督のコメントにもありましたが、早稲田のハードスケジュール故のコンディション不足があったのだと思います。
しかし同時に、J3で揉まれてきたグルージャの底力も感じました。特にセットプレーでは攻撃、守備共に早稲田大学との経験の差を示すことが出来たと思います。今季リーグ戦序盤の苦しみが、天皇杯の大一番で報われた気がします。
ところでこの試合、グルージャは相手DFラインの裏を狙ったロングパスを多用しましたが、公式戦でここまでロングパスを使ったのは、今季初だったと思います。これは私も全く予想外の展開でした。策は見事にハマった訳ですが、試合後の神川監督のコメントによると、ピッチコンディションと早稲田の前線プレスを考慮し、試合当日にこの作戦を決めたとのこと。いきなりのオプション策を実行出来る選手たちは、頼もしい限り。
そして選手たちは過剰な気負いも無く、通常のリーグ戦の如く、三原則(運動量、球際、切り替え)を最後まで貫徹してくれました。
この試合のMVPは、もちろん安楽選手。7月にリーグ戦に復帰してから好調は維持していましたが、フィニッシュ精度が今一つで、Jリーグでの初ゴールはお預けとなっていました。この試合における大爆発で、今季終盤戦は大いに期待できそうです。
総論として、グルージャの今季の成長を証明してみせた素晴らしい試合だったと思います。
この試合にグルージャが勝って、天皇杯における岩手県代表の連敗を止めてくれたことは、非常に価値のある嬉しいことでしたが、私が更に嬉しかったのは、選手たちがこの勝利に浮かれず淡々と受け止めながら、「次」に向けた態度と表情を見せてくれたことです。これぞプロの矜恃でしょう。
2回戦のベガルタ仙台戦(9月3日19:00 ユアテックスタジアム)は厳しい闘いになるのは間違いありませんが、グルージャには大いに期待して良さそうです。
グルージャを応援する皆さん、ぜひ9月3日は、ユアスタへグルージャを応援しに行きましょう!ジャイアントキリングを達成させましょう!
待ってろ、ベガルタ!