グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

J3リーグ第20節までのグルージャ盛岡のまとめ-恐れるな、縦パスを入れろ!-

 J3リーグは第20節を終え全日程の3分の2を消化し、9月11日の第21節までリーグ戦は小休止期間となっています。良いタイミングなので、第4節、第11節終了時にやった、スタッツまとめネタの続きをやります。今まで同様、スタッツはFootballLAB(http://www.football-lab.jp/)より(FootballLABのスタッツは、Jリーグ公式のものとは異なることがあります)。

 


  まず順位表から。

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  地震の影響で未消化だった第5節の2試合が8月13日に行われ、順位表に「暫定」の文字が無くなりました。

 グルージャは現在13位。11位のセレッソ、12位の福島とは殆ど差がありませんが、その上となると連勝を続けない限り、追い抜くのは難しそう。真ん中より上の順位を目指すとなると、残り10試合、最低でも6勝3分1敗くらいでないと…これは厳しい数字だな…。

 

 次に試合毎の結果から。

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 最近の6試合は3勝3分の負け無しと、チームは好調といって良いでしょう。まずは黒い丸が減ってきたのは気分が良いです。その要因は間違いなく失点数の激減(第1~10節の失点数:18→第11~20節の失点数:10)。先日の鳥取戦のような不用意な失点はまだ見受けられますが、最終ラインを変えずに我慢して使い続けた成果は出始めました。今後、守備はもっと良くなると予想しています。

 次にスタメンについて。土井康平選手、畑本選手、久保選手の3名が、全ての試合時間完全出場を継続中。

 この3名に加え、全ての試合に先発出場している牛之濱選手梅内選手、全ての試合に出場している谷口選手、怪我による欠場以外は全て出場している鈴木達也選手森選手計8名は、監督の信頼を勝ち得ている選手と言って良いでしょう。

 但し谷口選手は、最近の数試合では疲労からか明らかに精彩を欠いており、リーグ休止期間でしっかり回復させて欲しいところです。

 第10節からCHとして先発出場を続けている林選手は非常に好調。チームの攻撃の核として活躍しており、レギュラーメンバーの座を勝ち取りました。

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 ここ4試合でスタメン出場している安楽選手の完全復活も、見逃せないトピックス。安楽選手が左SHに入ったことにより、見事に左サイドが活性化しました。正直、第1節、第2節で左SBとして出場していた頃より、一段階上の動きだと思います。あとは安楽選手のゴールが見たい…。

 ここ3試合では石井選手が、怪我で長期欠場となった土館選手の代わりに、CHとして先発出場。石井選手は7月にグルージャに加入したばかりですが、そつなく重責をこなしております。益子選手も怪我がちのようなので、結果論ですが石井選手をレンタルしておいて良かったですね。横浜FCさん、ありがとう。

 チームの試合毎のポゼッション(支配率)では、一番高かった第20節鳥取戦(62.2%)で引き分け、一番低かった第16節富山戦(38.0%)で勝利しているのが興味深いです。

 

 次に詳細チームスタッツ。

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 ここでグルージャのサッカーを復習します。

 恥を忍んで素人の私がグルージャのサッカーを一言で表すと、「アタッキングサードで1本でも多くシュートを打つサッカー」ということになります。

 高い守備ラインから、ショートパスをなるべく角度を付けず(縦パス)早いテンポで繋ぎ、アタッキングサードまでたどり着いてシュート。遊びを入れずにそれをひたすら繰り返す。ボールを奪われたら高い位置でプレス。攻守の切り替え、リスタートも素早く行い、運動量でも走り勝つ。そのような忙しくもスペクタクルなサッカー、だと私は考えています。

 そのサッカーは前回(第11節まで)のスタッツにも表れており、第20節までのスタッツでも基本的なところは何も変わっていません。シュート数:1位、ドリブル数:1位、30mライン進入回数:1位、攻撃回数:1位、1st/6エリアでのパス数:1位、ショートパス数:1位、前方向のパス数:1位など、相変わらず「超」攻撃的姿勢が読み取りやすいスタッツです。

 スカパー『J3リーグハイライト』での解説:都並氏の発言や、他クラブのサポーターのツイートでも、グルージャのサッカーに対する賞賛や驚きの声が目に付くようになってきましたが、この戦術的に振り切った極端さが、グルージャの魅力の一つと言えます。

 唯一、前回と比べたスタッツの変化として、タックル数の増加(16回→22.1回)があげられます。これは選手個々の球際の強さというよりは、組織的な守備が浸透してきたと捉えるべき数値だと考えます。

 

 今季リーグ戦は残り10試合となり、おおよそグルージャの最終順位は予想がついてきましたが、グルージャにとって残り10試合は決して消化試合ではありません。

 優勝や昇格(または降格)の可能性が無い闘いが無意味かと言えば、全くそんなことはありません。将来における「グルージャのJ2昇格」や、「岩手におけるフットボール文化の定着」といった長い物語を考えれば、次の試合も、更に言えば日々のつなぎグラウンドでの練習も、その目的に繋がっていく1ページです。

 グルージャにはリーグ戦残り10試合で(加えて天皇杯といわて国体でも)、来季に繋がる素晴らしい試合を見せて欲しいと願っています。