グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

小谷光毅選手、完全移籍で新加入

 まだ先週のSC相模原戦のレビューをしておりませんが、先に明るい話題から取り上げたいと思います。

 5月9日にグルージャ公式より、小谷光毅選手がVfR Garching(ドイツ4部)より完全移籍でグルージャに新加入することが発表されました。いつものように新加入選手の情報を纏めていきます。

 

 

サッカー経歴

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 小谷選手は大阪府堺市出身、身長170cm、体重71kgの先月25歳になったばかりのMF。

 小谷選手の大学時代までのアマチュアサッカー経歴は、サッカーエリートと呼んで差支えない素晴らしいものです。

 

 小谷選手は地元の少年クラブ(TROPPO FC)からサッカーキャリアをスタートさせました。中学生になってからはガンバ大阪ジュニアユースに加入。ジュニアユース時代の特筆すべき成績は、中学3年生時(2008年)のクラブユース選手権準優勝でしょう。ガンバ大阪ジュニアユースは、残念ながら決勝戦名古屋グランパスU-15に敗れましたが、小谷選手は得点王(10得点)とMIPを獲得。ちなみに小谷選手はユースの途中まではFW登録の選手で、主にCFのポジションが多かったようです。

 

 高校生となり順調にガンバ大阪ユースに昇格した小谷選手は、2年生時から主力選手として活躍(この頃からMFの選手としてプレーすることになった模様)。2年生時(2010年)のプリンスリーグ関西2部で優勝しチームを関西1部へ復帰させ、3年生時(2011年)のプリンスリーグ関西1部では2位の成績に貢献しました。

 また2011年2月にはU-18日本代表候補トレーニングキャンプにも参加しています。

 ガンバユース時代の同期には西野貴治選手(ガンバ大阪)、田尻健(ツエーゲン金沢)、稲森克尚選手(グルージャ盛岡、1学年上には宇佐美貴史選手(デュッセルドルフ)、大森晃太郎選手(FC東京)、原口拓人選手(ガイナーレ鳥取)、1学年下には徳永裕大選手(SC相模原)などが在籍していました。

 

 高校卒業時にガンバ大阪のトップチームには上がれなかった小谷選手は、関東の名門、明治大学に入学しサッカー部で4年間選手生活を続けました。ということは、2016シーズンのグルージャの監督であった神川明彦氏の直接の指導を受けています。

 大学時代では3年生時から主力選手として活躍。大学時代に関東1部リーグの優勝は経験出来なかったものの、副キャプテンを務めた4年生時(2015年)にチームはリーグ:2位、アミノ杯:優勝、総理大臣杯:準優勝、インカレ:ベスト4の成績を残しています。

 大学時代でのポジションは主に4-4-2のCHだったようで、明治大学の試合記録を見ると、昨季グルージャに在籍していた差波優人選手とのCHコンビで先発している試合もあり、グルージャサポーターには感慨深いものがあります。

 明治大学時代の同期には和泉竜司選手(名古屋グランパス)、瀬川祐輔(柏レイソル)、高橋諒選手(湘南ベルマーレ)、藤本佳希選手(ファジアーノ岡山)、山越康平選手(大宮アルディージャ)、差波優人選手(カターレ富山鈴木達也選手(グルージャ盛岡、1学年上には三浦龍輝選手(ジュビロ磐田)、松藤正伸選手(アスルクラロ沼津)、1学年下には室屋成選手(FC東京)、小出悠太選手(ヴァンフォーレ甲府)、河面旺成選手(大宮アルディージャ)など錚々たる選手が在籍していました(本当に凄いメンツ!)。

 

 明治大学を卒業した小谷選手は一旦サッカーの道を諦め、大手一般企業に就職。しかしサッカー選手になることを諦めきれずに会社を退職して渡欧。2017年1月からドイツ5部のボルフラーツハウゼンと契約。ボルフラーツハウゼンで2016/2017シーズンの終盤にプレーした後、オフシーズンの2017年6月にドイツ4部のガーヒングVfRに移籍。出場試合数やゴール数等の正確な数字は分りませんが、ガーヒングでは主力選手としてかなり活躍していたようです。

 

 今年3月にガーヒングとの契約を終了。今回のグルージャ移籍に至りました。

 

プレースタイル・ポジション

 ガンバジュニアユース、ガンバユースから明治大学と、プロ一歩手前のアマ選手としては王道の経歴を歩んできたと言える小谷選手。その経歴からいって間違いなく足元の技術がある選手と予想されますが、プレースタイルを確認するのにうってつけの資料がYouTubeにありました。

 


HIROKI KOTANI 小谷 光毅 play video 2017

 

 この映像を見る限り、小谷選手はガーヒングVfRではCHまたはOHとしてプレーしていたと思われます。正確なパス、判断含めたプレースピードの速さ、視野の広さが売りの選手、といったところでしょうか。小さい体格の割には体をぶつけて相手を止めることも厭わないところも好印象です。

 現在のグルージャでの適正ポジションは4-4-2のCHになるでしょう。グルージャのCH要員は、河津選手、山田選手、江頭選手、益子選手、陳選手、ユーティリティとして嫁阪選手、福田選手、谷村選手がいます。

 しかし河津選手が3月の鳥取戦で負傷し戦線離脱中。それに加え非公式ですが山田選手、嫁阪選手が怪我で離脱との情報が入っています(山田選手は5月3日のFC東京U23戦、5月6日のSC相模原戦を欠場。嫁阪選手はFC東京U23戦で足を引きづりながら退場しています)。

 SC相模原戦でのCH福田・益子コンビの攻撃面の手詰まり感を見ると、次節藤枝MYFC戦(5月20日)で小谷選手がJ3デビューする可能性が出てきたと言えるでしょう(Jリーグへの選手登録は5月11日に完了)。

 

性格・キャラクター

 私は別に小谷選手の知り合いではありませんが、ネットからの情報でその一旦を伺い知ることはできます。

 

 明治大学卒業を間近に控えた時期での主将・副将の対談(和泉竜司選手、瀬川祐輔選手、小谷選手)では、いかにも『にぎやかし』の大阪人というような突っ込み役、ムードメーカーぶりを見せています。

http://www.meispo.net/news.php?news_id=9224

 

 ドイツ時代にはガンバ大阪ジュニアユースの1年先輩である宇佐美貴史選手や、なでしこの岩渕真奈選手ともプライベートで絡んでいます。

 当時の(現在もですが)小谷選手とは、選手として遥かに格上の立場にある宇佐美選手や岩渕選手とも気遅れすることなく交流する様子は、積極性や自己主張の強さが感じられます。

 

 一流大手企業の道を蹴って単身ドイツに乗り込みプロ選手の道を切り開いてきたのですから、並外れた精神力の持ち主であることは間違いないでしょう。

 手薄になっているCH要員の新加入ということ以外にも、大人しい選手が多い今のグルージャに自己主張が強いにぎやかな選手が入ってきたことは、ポジティブに捉えられるかと思います。

 

 小谷選手、グルージャへようこそ。小谷選手が戦術面だけでなく精神的な側面からも、良い化学変化をチームにもたらしてくれることを期待しています。