グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第8節 グルージャ盛岡 vs 鹿児島ユナイテッドFC

 劇的な敗戦から2日経ちました。心を落ち着けてから、と思いながら火曜日になってしまいました。今回は少し長めです。

 なかなか結果の出ないチームに対し、ネガティブなものも含む様々な周囲の反応があることでしょう。

 

 今季だけの成績では無くグルージャの長期的な発展を考えれば、今行っているショートパスを多用するサッカーへのチャレンジは、私は非常に有意義なものだと思っていますし、今季は最後までブレずに続けて欲しいと願っています。降格制度が無い今チャレンジしないで、いつチャレンジするのか、と。無いとは思いますが仮に今季1勝も出来なかったとしても、その考えは変わりません。

 「怪我人が多すぎる」「交代枠を何故使わない」「補強は適切だったのか」等、監督や強化部に対して言いたいことはあるにはありますが、それは今言うべきことでは無い(言ってますけど)。今は監督、選手を信じて応援していこう、と考えています。強化部はともかく、神川監督なら逃げずにシーズン終了時に総括してくれるでしょう。

 敗戦以上に残念だったのは、777人という観客数。絶好のサッカー観戦日和だったにも関わらず、この数字…。結局辿っていくと、この観客数しか集められない我々サポーター含むクラブの力の無さが全てでは無いでしょうか。

 ツエーゲン金沢レノファ山口町田ゼルビアも、成績だけで無く観客数も堂々の数字を残してJ2へ旅立って行きました。プロリーグでホームに1,000人も集められないクラブが、勝敗を云々するのは100年早いのでは、とも思います。

  集客に関しては、クラブも努力しているのは分かります。時間はかかるでしょうが、サポーターも巻き込んで試行錯誤を繰り返し、岩手にサッカー観戦文化を根付かせていきたいものです。私もスタジアムで、このブログで、出来ることをして行きます。

 

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 皆さんご存知でしょうが、一応試合内容を振り返ります。

 鹿児島は前節と全く同じスタメン、フォーメーション。

 グルージャは前節と同じ、齋藤選手をOHにしたダイヤモンド型4-4-2ですが、左SHには谷村選手ではなく守田選手を起用。

 前半はグルージャペース。開始3分で牛之濱選手のドリブルからのクロスに谷口選手がフリーで合わせますが、ふかしてホームラン。

 鹿児島は高い位置からプレスを掛けますが、グルージャがうまく交わして攻撃に繋げる展開が続きます。しかし鹿児島は前半のたった1回と言える決定機をものにします。28分、右コーナー奥までドリブルで持ち込んだ中原選手は久保選手と守田選手に囲まれますが、絶妙なヒールパスで又抜きし、それを藤本選手が見事な体さばきで森選手を振り切り、角度が無いところから素晴らしいシュートをゴールネットに突き刺しました。この辺は「個」の違い、ということでしょうか…。

 46分、守田選手の右サイドFKからフリーで畑本選手がヘディングするも、ゴール左に逸れます。

 結局、グルージャは相手ゴール近くには何度も進入するものの、そのまま0-1で前半終了。鹿児島は先制してから、少しラインを下げて守りを固めてきました。この辺の強弱の付け方が鹿児島は非常に上手でした。

 しかし後半早々、グルージャが追いつきます。スローインに素早く反応した守田選手が左サイドに侵入し、右から詰めてきた牛之濱選手にパス。一瞬間をおいてからの左足のシュートはゴール左隅に決まります。これで1-1。牛之濱選手は現在のグルージャでは最もシュートセンスがありますね。

 78分、グルージャはセンターサークル近くの相手ファール後、素早くリスタート。左サイドを森選手がドリブルで駆け上がり中央へパス。飛び込んだ谷口選手が右足に合わせます。ボールは相手DFに当たり、GKが飛び込んだコースとは逆方向に転がりゴール!これで逆転して2-1。谷口選手待望の今季初ゴール(PK以外)です。谷口選手は決まった瞬間ゴール裏へ飛び込み、グルージャ今季一番の盛り上がりでした。ここまでは良かった…。

 問題はここから。この辺からは相当オープンな展開となりました。逆転からわずか3分後、鹿児島の途中出場の田上選手が左サイドを駆け上がり、関選手、井上選手と繋ぎ、井上選手のヒールパスに田上選手がシュート。土井選手がぎりぎりセーブするも、こぼれ球を詰めていた山田選手がゴールに押し込みました(山田選手が胸トラップ時に一瞬ハンドしたようにも見えましたが…)。追いつかれて2-2。「個」の差もありましたが、グルージャの球際の厳しさが薄れた時間帯でした。この辺がグルージャは甘い!

 83分、途中出場の谷村選手の左サイドからのクロスに谷口選手が飛び込み、相手と交錯してのこぼれ球を振り向きざまシュートも、相手GK正面でキャッチ。

 85分、鹿児島のCK。井上選手の左サイドCKに遠目から走りこんできた五領選手が左足でダイレクトボレー。ボールは無情にもゴール左にきれいに突き刺さりました。2-3で鹿児島の勝ち越し。鹿児島のサインプレーに見事にしてやられました。『J3リーグハイライト』では、グルージャの選手のセカンドラインのケアが無かったことについて、解説の清水氏が指摘していましたが、経験不足ということなのでしょうか。

 結局このまま試合終了し、2-3で敗戦。またしても相手チームに素晴らしい花を持たせてしまいました。

 

 今季ここまで2失点の堅守の鹿児島に対し2得点を挙げたにも関わらず、今季ここまで3得点の決定力に悩んでいた鹿児島に対し3失点しての敗戦…。何なのでしょうね、このグルージャの名勝負製造機っぷりは。これも集客対策の一環でしょうか。最後には必ず負けているので、殆ど集客効果は見込めないと思われますが…。

 今季になって、セットプレーからの失点が異常に増えたのは本当に不思議です。当然、日々練習はしているのでしょうが。頼むから何とかして下さい。

 今節の収穫は、何といっても谷口選手がPK以外で初得点したことでしょう。得点シーンは最高の歓喜の瞬間でしたが、試合終了時の谷口選手の落胆ぶりには私も目頭が熱くなりました。次はぜひ、谷口選手の決勝点で勝ちましょう!

 谷口選手の気持ちは確かに受け取りました。その気持ちに対し、私も応援で返して行こうと思います。

 最後になりましたが、不来方高校の皆さん、ありがとうございました。素晴らしいデッサンを楽しみました。もしグルージャに興味を持ってくれたなら、たまにでいいから、いわスタに来てくれたら嬉しいな。

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