マッチレビュー J3リーグ第6節 いわてグルージャ盛岡 vs カターレ富山
4月14日にホームいわぎんスタジアムで行われたカターレ富山戦を1-2で落としたグルージャ。点差は1点だったものの完敗の試合内容で、2週間のリーグ休止期間にに入ることとなりました。
公式結果
フォーメーション
グルージャの前節からの変更はシャドウの谷口選手→薮内選手のみ。
カターレは前節ギラヴァンツ北九州戦から脇本選手、稲葉選手を才藤選手、碓井選手に変え4-4-2を採用。
試合内容
試合開始。グルージャが風上スタート。2分、左サイドの麦倉選手から吉田選手にパス。吉田選手がワンタッチでハーフスペースに入った薮内選手にパス。薮内選手がシュートしましたが、碓井選手がブロック。
3分、麦倉選手の左サイドからのCKはGK榎本選手がパンチでクリア。
5分、相手陣内左サイドからの麦倉選手のFKは味方選手がミートできず今瀬選手が大きくクリア。
5分、右サイドのスローインを菊池選手が頭で落として吉田選手がボレーシュート。ボールはニア枠内でしたが、榎本選手がセーブ。
6分、麦倉選手の右サイドからのCKはニアでカターレの選手がヘディングでクリア。
8分、左サイドの柳下選手がファーの高橋選手を狙ってクロスを入れましたが、高橋選手がマークに付いた木下選手を押してファウル判定。
10分、GK榎本選手からのキックを見事にトラップした白石選手が中央の裏へスルーパス。走り込んだ佐々木選手がGKとの1対1からシュート。ボールはゴール左ポストに当たり手前に跳ね返りグルージャがキープ。
12分、碓井選手からのロングパスを前線中央の才藤選手が頭で落とし、右サイドの高橋選手が裏を狙いますが深井選手が体を入れてボールキープ。クリアしたボールがミートせず白石選手に奪われ、白石選手がドリブルでペナ内に侵入してクロス。ニアで才藤選手が潰れてこぼれを佐々木選手が押し込みゴール。グルージャとしては非常にもったいない失点。
15分、相手陣内右サイドからの麦倉選手のFKは一旦、カターレの選手に跳ね返されますが、福田選手がヘディングで再びゴール前に放り込むとこぼれを木下選手がシュート。しかしカターレDF陣がブロック。
18分、左サイドの前嶋選手がドリブルからクロス性のシュートを打ちますが、ボールはゴール右に大きく逸れました。
22分、相手陣内左サイドからの碓井選手のFKは木下選手がヘディングクリア。
23分、左サイドの薮内選手から梅内選手へ縦パス。左サイドの麦倉選手に戻すと麦倉選手がクロス。しかし谷奥選手がブロック。
24分、左サイドからの麦倉選手のCKは一旦跳ね返されますが、再び麦倉選手がクロスを入れるとファーで嫁阪選手がヘディングシュート。しかしGK榎本選手が正面でキャッチ。
25分、ペナ外中央の高橋選手のシュートがブロックされましたが、こぼれを拾った柳下選手が左足でシュート。ボールはブロックにいった吉田選手の足をかすめてゴール外右へ逸れました。
26分、右サイドからの白石選手のCKはグラウンダーで中央の花井選手がシュートを試みましたがミートせず左へ逸れ、拾いに行った高橋選手がオフサイド。
29分、中央の花井選手からの裏へのスルーパスに才藤選手と福田選手が競い合い、何とか福田選手がクリア。
30分、左サイドからの碓井選手のCKは中央で嫁阪選手がクリア。
30分、左サイドの前嶋選手からのアーリークロスに才藤選手が頭を合わせましたが、土井選手が正面でキャッチ。
32分、花井選手から才藤選手への縦パス。才藤選手が高橋選手に渡して高橋選手が右サイドの裏へスルーパス。柳下選手が走り込んでクロスを入れますが土井選手がキャッチ。
33分、相手陣内右サイドからの麦倉選手のFKはファーで味方選手が触ればカターレは対処し難いボールでしたが、誰も触れずにラインを割りました。
34分、白石選手が中央でのドリブルから一旦、佐々木選手に預け右サイドに流れると、ペナ内右で再びボールを受けてクロス。しかし福田選手がクリア。
35分、右サイドからの碓井選手のCKはペナ内中央で高橋選手がオーバーヘッド。ボールは麦倉選手に当たって跳ね返り、クリアされたボールを遠目から白石選手がシュートしましたが、グルージャ選手がブロック。
35分、自陣で花井選手からボールを奪った薮内選手が中央をドリブルで運び嫁阪選手へパス。しかしトラップしきれず榎本選手がキャッチ。
37分、左サイドの白石選手のドリブル突破からのクロス。ファーで高橋選手が落としてニアの才藤選手がヘディングシュートを狙いましたが届かず、ボールはラインを割りました。
38分、左サイドで白石選手のドリブルを木下選手が正面から倒してイエローカード。
39分、相手陣内左サイドからの碓井選手のFKはニアで菊池選手がクリア。
41分、ペナ外中央のの薮内選手からペナ内の梅内選手へパス。更に左サイドの麦倉選手へ渡ってクロス。ファーの鈴木選手がシュートを狙っていましたが、その前に前嶋選手がクリア。しかしクリアボールはクロスバーをかすめてあわやオウンゴール。
42分、左サイドからの麦倉選手のCKは才藤選手がクリア。
43分、相手陣内左サイドからの碓井選手のFKは高橋選手が頭で擦らし、ボールはゴール枠内右に飛びましたが土井選手が左手でセーブして、吉田選手がクリア。こぼれを佐々木選手が直接シュートしましたが、鈴木選手がブロック。
45+1分、花井選手のミドルシュートは枠を捉えず。
前半終了。前半の激しいプレス合戦はカターレの勝ち。グルージャは何とか耐えてはいたので、失点に繋がった深井選手のキックミスは本当にもったいなかった。
後半開始。47分、嫁阪選手と花井選手が激しく接触して倒れ、嫁阪選手にイエローカード。
48分、右サイドの花井選手のミドルシュートは土井選手が正面でキャッチ。
49分、右サイドでのボールの奪い合いから、拾った鈴木選手がクロスを入れるとペナ内中央でヘディングに行った菊池選手を谷奥選手が倒してPK。PKは薮内選手がフェイントを入れたキックでゴール。薮内選手は今季及びグルージャでの初ゴール。グルージャ追い付いて1-1。
52分、左サイドの前嶋選手のクロスに対し、中央に走りこんだ才藤選手が頭で擦らせるようなシュートを見せましたが、ボールは右ゴールポストに当たって手前に跳ね返り、高橋選手がヘディングシュートを狙いましたがボールはクロスバーの上へ。
53分、花井選手の中央からのミドルシュートは枠を捉えず。
54分、グルージャのペナ内左でボールを奪った才藤選手から受けた佐々木選手がクロス。しかし土井選手がキャッチ。
58分、中央のドリブル突破を試みた嫁阪選手を才藤選手が後ろから押し倒し、才藤選手にイエローカード。
58分、カターレの選手交代。才藤選手に代えて苔口選手投入。苔口選手がそのままCFに。
60分、グルージャの選手交代。吉田選手に代わり石井選手、薮内選手に代わり谷口選手の2枚替え。そのまま石井選手がボランチ、谷口選手がシャドウに入りました。
61分、右サイドの苔口選手のミドルシュートは土井選手がキャッチ。
63分、左サイドの前嶋選手のクロスのこぼれをペナ内で白石選手がシュートしましたが、石井選手がスライディングブロック。
63分、左サイドをドリブルで運んだ谷口選手がミドルシュートするもカターレDFがブロック。
67分、グルージャのカウンター起点時に谷口選手を押し倒した花井選手にイエローカード。
69分、左サイドでボールを奪った麦倉選手からのグラウンダークロスに、中央の嫁阪選手がシュートを試みましたが前嶋選手が触らせずにクリア。
71分、中央の碓井選手のミドルシュートは福田選手がブロック。
74分、カターレの選手交代。花井選手に代えて稲葉選手投入。稲葉選手がそのままCHへ。
76分、左サイドの碓井選手のクロスは誰も触れずボールはファーに流れゴールラインを割りました。
76分、カターレの選手交代。高橋選手に代えて大谷選手投入。大谷選手がそのままCFへ。
77分、スルーパスを受けたペナ内左の白石選手がクロスを入れるもファーで麦倉選手がクリア。
77分、グルージャの選手交代。鈴木選手に代えて米原選手投入。米原選手がCBに入り、木下選手が右SB、深井選手が左SB、梅内選手が右SH、谷口選手がCFに移って4-4-2にフォーメーション変更。
78分、左サイドの白石選手のクロスのこぼれを佐々木選手がシュートしましたが、嫁阪選手がブロックしてボールは枠外へ。
78分、左サイドからの碓井選手のCKは、ニアで擦らせたボールはグルージャの選手がクリアしペナ外中央にこぼれ、稲葉選手がシュート。しかし枠を捉えず。
81分、左サイドからの碓井選手のCKは、福田選手のマークを置き去りにした柳下選手が中央できれいに頭を合わせてゴール。1-2で再びカターレが勝ち越し。
83分、大谷選手がドリブルからミドルシュートするも木下選手がブロック。
87分、左サイドを前嶋選手がドリブル突破しペナ内に侵入しますが、米原選手が何とかクリア。
90分、FKの流れから石井選手がペナ内に放り込みましたが、榎本選手がキャッチ。
試合終了。1-2でグルージャの完敗。
選手の評価
MOMは終始左サイド(グルージャの右サイド)を切り裂いてグルージャDF陣を翻弄し続け、先制点をアシストした白石選手。分かってはいましたが敵にすると本当に厄介な選手でした。カターレでも主力選手として活躍出来ているようで何よりです。グルージャサポーターとしては悔しいけれど嬉しい、嬉しいけれど悔しい。
カターレの選手は白石選手のほかにも、ゴールを決めた佐々木選手、柳下選手、中盤を支配した花井選手、碓井選手など、多くの選手が素晴らしいプレーを見せたと思います。
対してグルージャは…今季ワーストでしたね。
1失点目の原因となるパスミスを犯した深井選手、2失点目でマークを外した福田選手、試合を通じて白石選手にやられまくった木下選手と、グルージャCB陣には受難の試合となりました。それぞれ反省しつつも切り替えて次に向かって欲しいです。
この試合グルージャの唯一と言ってよいポジティブな要素は、得点を実質的にアシストした鈴木達也選手のクロスが強力な武器となってきたこと。相手チームの攻撃がサイドのCBに狙いを定めるようになってきているので、WBの鈴木選手には守備面でもより一層の活躍を期待したいです。
総評
最初から最後まで目まぐるしいトランジッション合戦となったこの試合。終始試合をコントロールしていたのはカターレでした。
終盤での失点で1点差の敗けではありましたが、グルージャの決定機の少なさに対し、10分、25分、52分とカターレの決定機は得点シーン以外でもかなりあったので、「1点差で済んでよかったね」というような内容の完敗でした。
カターレは昨季グルージャにダブル(2敗)を食らっているので、モチベーションが尋常ではありませんでした。
そしてあそこまでカターレに球際・運動量で押されると、選手個々の「止める・蹴る」の技術力の差は如実に出てしまいます。
加えてカターレは緻密にグルージャ対策を練ってきました。グルージャCBのの足元の拙さを見越したCBへのプレスと、グルージャCBのスピードの無さを見越したスピードスターとのマッチアップ(特に木下選手vs白石選手)で、完全にカターレがペースを握りました。
CBからのフィードが期待出来なければ、より一層ボランチの2人(嫁阪選手・吉田選手)が試合を作っていかなければなりませんでしたが、2人とも調子は今季最悪。
また1トップの菊池選手へのマークが非常にきつく前線でもボールを収めることが出来ず、グルージャは万事休すの状態でした。
この試合で「今季のグルージャから勝ち点3を奪うにはこのやり方!」というのを一般公開してしまったようなものなので、今後のグルージャはかなり厳しい戦いを余儀なくされるでしょう。
菊池利三監督の手腕が試されていると思います。2週間のリーグ中断期間を経てグルージャがどのように修正してくるのか、注目していきたいと思います。