グルージャ戦記

Jリーグのフットボールクラブである、いわてグルージャ盛岡について妄想を垂れ流すブログ(非公式)

マッチレビュー J3リーグ第3節 いわてグルージャ盛岡 vs ブラウブリッツ秋田

 グルージャは3月24日にいわぎんスタジアムで行われたJ3リーグ第3節、ブラウブリッツ秋田戦に3-1で勝利し、ホーム開幕戦に集まったグルージャサポーターに歓喜を届けました。

 

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公式結果

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フォーメーション

  グルージャは前節から右WBを変更。廣田選手から今季初出場・初先発の鈴木選手に。

 

 ブラウブリッツは前節から5人を交代。CBを千田選手から韓選手に、左SBを青島選手から山田尚選手に、アンカーを小谷選手から垣根選手にIHを江口選手から堀選手に、久富選手を右WGから左WGに移し、左WGは古田選手を起用。藤沼選手はベンチからのスタート。

 

試合内容

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 4分、中央でのドリブルからペナ外で嫁阪選手が右足シュート。しかしGK松本選手が正面でキャッチ。

 7分、山田尚選手が左サイド奥からドリブル突破でペナ内に侵入してグラウンダーの折り返し。後ろから走り込んできた沖野選手が右足を振りぬきましたが、ボールは惜しくもゴール外左に逸れました。

 8分、左サイド山田選手から縦パスを受けた坪井選手がドリブルで中央に寄ってからミドルシュート。しかしボールにミートせず土井選手がキャッチ。

 11分、右サイドの嫁阪選手から右ハーフスペースの梅内選手へパス。梅内選手が収めてターンして左足シュート。しかし垣根選手がブロック。

 15分、右サイドからの麦倉選手のCKはファーで山田選手がクリア。 

 16分、左サイドスローインからの密集を抜けた梅内選手がシュートするも相手DFがブロック。拾った菊池選手が嫁阪選手とのワンツーからゴール前でシュートするも、前に出たGK松本選手がブロック。

 18分、嫁阪選手が中央からミドルシュートを打つも相手選手がブロック。

 19分、自陣左サイドでボールを奪った久富選手が和田選手へスルーパス。和田選手はそのままドリブルで上がり、逆サイドの堀選手へパス。堀選手がペナ内左で収め左足シュートするもボールはゴールの左に逸れました。

 20分、深井選手からのロングボールを菊池選手が胸で落とし梅内選手へ。梅内選手がキープした瞬間、右サイドの鈴木選手がスプリント。梅内選手のスルーパスが右ハーフスペース裏に抜け出した鈴木選手に通り、鈴木選手がクロス。ボールはGK松本選手の手をすり抜けニアで待っていた菊池選手がヘディングシュート。きれいに枠内右に決まりゴール。グルージャ先制で1-0。

 25分、中央の吉田選手からパスを受けた左サイドの薮内選手がミドルシュートを打つもGK松本選手がキャッチ。

 26分、相手陣内左サイドからの和田選手のFKはファーで深井選手がクリア。

 27分、右ハーフスペースを嫁阪選手がドリブルで駆け上がり、左サイドの鈴木選手へパス。鈴木選手のクロスにファーで菊池選手が頭を合わせますが韓選手と交錯し、菊池選手のファウル判定。 

 30分、山田選手が左サイドをドリブルで上がるところを嫁阪選手が押し倒しイエローカード。嫁阪選手には厳しい判定。

 30分、相手陣内左サイドからの和田選手のFKは左サイドの久富選手へのパス。久富選手のクロスにファーで韓選手?が頭を合わせましたが土井選手がキャッチ。

 32分、左サイドの山田選手からDF裏へふわりとしたパス。古田選手が収めて左サイドに張っていた久富選手にパス。久富選手のクロスはファーで深井選手がクリア。こぼれを沖野選手がシュートしますがグルージャの選手がブロック。

 33分、右サイドのスローインを梅内選手がワンタッチではたき、収めた鈴木選手が久富選手と並走しながらドリブル。久富選手がペナ内で体を入れてクリア。

 36分、左サイドでボールを保持していた沖野選手に薮内選手が突っかけ、菊池選手がボールを奪うとそのままドリブルでペナ内へ。菊池選手が左足でシュートしましたが、韓選手がブロック。

 44分、バイタルでのボールの奪い合いから左サイドの久富選手にボールが渡り、遠目から右足を振りぬくとボールはカーブを描いてゴール右隅へ。入るかと思われましたがクロスバーに弾かれました。

 45+2分、麦倉選手自陣左サイドからDF裏へロングボール。GK松本選手が拾いに来ましたが梅内選手が猛然と追いかけ、一旦は松本選手がかわしたものの突っかけられクリアが中途半端に。拾った吉田選手がGKのいないゴールにロングシュートを打ちましたが、韓選手が胸で止めて松本選手がキャッチ。

 前半終了。素晴らしい崩しからの菊池選手のJリーグ初ゴールでグルージャが先制。ややブラウブリッツペースですが、グルージャは時折見せる鋭いカウンターで主導権は渡していません。

 

 後半開始。47分、相手陣内左サイドからの堀選手のFKは左サイドの久富選手へパス。久富選手のクロスはニアの鈴木選手に跳ね返されますが、こぼれを拾った堀選手が再びふわりとしたボールをゴール前に落としました。しかしこれも深井選手が頭で触って木下選手がクリア。

 50分、久富選手の左サイドのドリブルからのクロスはラインを割ってゴールキック

 52分、左サイドからの和田選手のCKは直接ゴールを狙ったものでしたが、中央で嫁阪選手がクリア。

 54分、右サイドでのパス交換からペナ内右で薮内選手がシュートするも韓選手がブロック。こぼれを拾った流れから再び薮内選手がシュートしますが枠を捉えず。

 55分、空中戦の際、沖野選手の肘が薮内選手の顔に激しく当たり、沖野選手にイエローカード

 55分、ブラウブリッツの選手交代。久富選手に代えて藤沼選手投入。藤沼選手がそのまま左WGへ。

 56分、福田選手の右サイドへのロングボールは跳ね返されますが、吉田選手が回収し右サイド裏へロブで落とすと鈴木選手が収めドリブルからクロス。しかし松本選手が直接キャッチ。

 58分、左サイド奥で薮内選手が収め左サイドの麦倉選手に戻し麦倉選手がクロス。しかしペナ内の菊池選手が触りますがシュートは打てず、ボールはラインを割りました

 61分、相手陣内左サイドからの和田選手のFKはゴールを直接狙ったものでしたが、土井選手が左手で掻き出し、山田選手のヘディングはクロスバーの上を通過。

 

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 67分、左サイドからの和田選手のCKはファーの中島選手を狙ったものでしたが、中島選手が木下選手を押し倒して中島選手のファウル。

 

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 68分、和田選手からの縦パスを受けた藤沼選手が中央でドリブルからシュート。しかしボールはゴール外左へ逸れました。

 70分、グルージャの選手交代。薮内選手に代えてJリーグ初出場となる櫛田選手投入。櫛田選手がそのままシャドウへ。

 73分、右サイドでボールをキープした梅内選手がドリブルからクロス。ニアで鈴木選手が頭を合わせに行きますが触れず。こぼれを沖野選手がクリア。

 74分、ブラウブリッツの選手交代。和田選手に代えて前山選手投入。前山選手がそのままインサイドハーフへ。

 76分、左サイドからの沖野選手のクロスはDF裏へ落ちるボールとなりましたが、坪井選手は触れず、ラインを割りました。

 78分、センターサークル付近で嫁阪選手がパスカットし、中央の櫛田選手がワンタッチで左サイドの麦倉選手へパス。麦倉選手から左サイドに上がった櫛田選手へパス。櫛田選手が一旦溜めてから左サイド大外を上がった麦倉選手へスルーパス。麦倉選手がクロスを入れるとニアに梅内選手が飛び込みボールはゴール内へ。梅内選手の久々の公式戦ゴール。2-0。

 80分、中盤での奪い合いから中央で拾った古田選手がミドルシュート。土井選手が前にこぼしましたが藤沼選手が触る前にキャッチ。

 81分、グルージャの選手交代。菊池選手に代えて平川選手投入。平川選手がそのままCFに。

 81分、ブラウブリッツの選手交代。堀選手に代えて千田選手投入。千田選手がCBに入り、藤沼選手が右WB、韓選手が左WG、古田選手がIHか?

 83分、右サイドからの古田選手のCKに中央で中島選手が頭を合わせましたが、ボールはゴール左に逸れました。

 84分、グルージャの選手交代。麦倉選手に代えて米原選手投入。米原選手はCB、右SBに木下選手、左SBに深井選手、右SHに鈴木選手、左SGに櫛田選手、CFに梅内選手の4バックに変更?

 85分、左サイドからのFKは一旦GKに預けてから戻してペナ内へ放り込み。しかし直接土井選手がキャッチ。

 86分、空中戦で競った際、韓選手が後ろから吉田選手に頭突きをしてイエローカード

 89分、右サイドからの藤沼選手のクロスはファーの韓選手を狙いましたが、木下千選手がクリア。

 90分、左サイドからの前山選手のCKを中央で千田選手が落とし、藤沼選手が右足で押し込んでゴール。2-1。

 90+2分、GK松本選手がセンターラインを越えたポジションを取り沖野選手にパス。狙っていた嫁阪選手が激しく沖野選手にプレス。沖野選手がキックしたボールは嫁阪選手に当たり、ブラウブリッツ陣内に跳ね返りました。全速力で追いかける松本選手と嫁阪選手。先に嫁阪選手が触り、松本選手は転倒。ブラウブリッツの選手はもう嫁阪選手には追いつけない。無人のゴールへゆっくりとドリブルしながら向かう嫁阪選手。ゴール前で後方を確認してそっとボールをゴール内へ入れました。グルージャが勝利を決定的にする3点目。3-1。

 

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 試合終了。3-1でグルージャの勝利。

 

選手の評価

 この試合はたくさん褒めまくらなくてはなりません。

 前節に続きこの試合も大いに迷うMOM。グルージャ戦記が選ぶMOMは嫁阪選手。前節に続き攻守で大車輪の活躍。2点目の起点となるパスカット、3点目は完全に狙って取った貴重な一発。前節に続く大活躍で、グルージャのキーマンの一人として他チームにも認識される存在になりました。リーグ開幕前は嫁阪選手はシャドウの選手という認識でしたが、今後は嫁阪選手がボランチの軸となり、チームを引っ張ってくれるものと思います。

 

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 J初ゴールを上げ、試合後にはこの日のMOMに選ばれた菊池選手。ゲストののんさんからも「きれいなゴール」と称賛されたシュート力のみならず、ボールを収める力も試合を追うごとに向上しているように感じます。今後、宮市選手が万全の状態で戻ってきたとしても簡単にはCFの座を奪い返せない存在になっていると思います。「フィジカルモンスター」の更なる進化に期待しています。

 

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 今季初出場初先発となった鈴木選手の活躍は嬉しいトピックス。1点目のアシストとなったDF裏への抜け出しからのクロスは、鈴木選手の進化を感じさせるものでした。

 ボランチやシャドウとの連携でサイドを崩していく意識や、クロス精度の向上から、鈴木選手が自身の課題に真摯に取り組んできたことが伺えました。まだ空中戦には若干の不安がありますが、鈴木選手なら更なる成長を見せてくれるものと思います。

 

 昨季は出場機会を減らした梅内選手の約1年ぶりのゴールも、サポーターを大いに喜ばせてくれました。グルージャの2点目の麦倉選手のクロスに飛び込んだゴールも良かったのですが、感心したのは1点目の起点となった鈴木選手へのパス。ボールを収めると一旦溜めて後ろに戻すのかと思いきや、DF裏へのパスコースを作り鈴木選手にスペースへのランを促しスルーパス、という高等テクニック。「あの」梅内選手が体力勝負だけでなく、こんな渋いプレーでサポーターを唸らせるようになったのか…と感慨もひとしおでした。

 

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 32歳でJリーグデビューを果たした櫛田選手のことも触れない訳にはいきません。

グルージャの2点目では麦倉選手とのパス交換からチャンスを作りだし、積極的にボールを追いかけ要所要所でボールを奪いながら、流れをブラウブリッツに渡しませんでした。走れてゲーム運びが上手い、頼れる中盤のベテラン選手がいることも今季のグルージャの強み。

 

 ブラウブリッツの選手では前山選手と藤沼選手が印象に残りました。

 44分の前山選手のシュートがクロスバーに弾かれず入っていれば、全く違う試合展開になったことでしょう。

 90分の藤沼選手のゴールでは、持ち味のスピードと力強さをみせてくれました。

 

総評

  ブラウブリッツは4-3-3のフォーメーションで、SBが内に絞ってWGを外に張らせパスコースを作る流行の「アラバ・ロール」も見せ、「ポジショナル・プレー」に積極的に挑んでいましたが、この試合ではあまり効果的だったとは言えず。

 ブラウブリッツの戦術の浸透が中途半端だったことで、グルージャによるサイド攻略はかえってやり易くなっていたような気がします。そこに鈴木選手と麦倉選手のクロスが見事にハマり得点に成功。試合巧者の嫁阪選手や櫛田選手のかじ取りで、ブラウブリッツに完全にはペースを渡さず、ダメ押しの3点目。

 藤沼選手には押し込まれてしまったものの、ほぼ完ぺきな試合運びでした。

 

 見逃せないことはグルージャの選手層の厚さ。この試合でのグルージャの3回の交代はそれぞれに菊池監督の意図がよく理解出来る、絶妙なタイミングでの交代でした。

 昨季までは「交代が遅いのでは?」「今その交代なの?」という感想を持ってしまうことが度々ありましたが、先発選手と殆ど変わらないレベルの選手がベンチに控えていることにより、今季の菊池監督の決断には迷いが無くなったように見えます。

 宮市選手や谷口選手が復帰すれば、更にスタメン争いは激しくなり、戦力の強化が期待出来るでしょう。

 

 グルージャのスタイルは激しい運動量に頼るものであり、ある程度の夏場のペースダウンは避けられないはず。暑さが本格的になるGW明けまで、このままの勢いで勝ち点を積み上げておきたいところです。

 

 素晴らしい内容で東北ダービーに勝利し、素敵なのんさんを間近で見られ、スタジアムの雰囲気も心地よいもの(と私は感じました)だったこの試合。尋常じゃない寒さ以外は全てがパーフェクトでした。

 この日の観客数は久々の2000人超え。スタジアム観戦の経験があまり無い方もいらっしゃっていたようですが、「その方たちが再びスタジアムに足を運んでくれるのか?」が非常に気になっています。

 コンスタントに観客数2000人をクリアし、チームが勝っても負けてもサポーターが楽しめる良い雰囲気の試合を続けていくことが今のグルージャには大事。この日のような試合を通して、地元にJリーグで活動するフットボールクラブがあることを幸せに感じてくれる方が一人でも増えていくことを期待しています。